アミアカルヴァは、アミア目で現存する唯一の種類で、【生きた化石】としてアクアリウムマニアの中では有名です。
よく雷魚と間違えられるようですが(似てなくない?笑)、生息分布・形態的な違いから別種です。
飼育方法に関しても、ざっくりでも大丈夫な雷魚と違い、アミアカルヴァはけっこうデリケートです。
今回はそんな、アミアカルヴァの飼育法に関して説明します。
- アミアカルバってどんな種類?
- どこで販売されてるの?価格は?
- 寿命は?
- 60㎝飼育できる?最大サイズと必要な水槽の大きさは?
- 最適な水質(PH)と水温は?
- 餌は?人工餌には慣れるの?
- 混泳はできるの?
- 繁殖は可能?
- やっぱりデリケート
- その他注意点
- アミアカルヴァに似た種類っていないの?
- まとめ
アミアカルバってどんな種類?
北アメリカ大陸東部に分布している古代魚の一種で、尾びれの目玉模様が特徴的です。
現地では水草が繁茂した、緩やかな流れの河川や湖沼環境に生息しており、パーチやナマズなどを捕食している他、ザリガニ等も食べたりしています。
また雷魚やポリプテルスと同じように肺呼吸が可能なため、低酸素な環境でも生息可能です。
どこで販売されてるの?価格は?
特に幼魚の時は飼育が難しく、落ちてしまう場合が多いので、ショップではあまり見かけない種類です。
ネット通販では10cm未満の個体が3000円程度で販売されていますが、先述の通り、飼育が難しいので、自信がない人は10cmオーバーの個体を購入したほうがいいです。
ただ、その場合は10000円以上と、値段が跳ね上がります。15㎝を超えると30000円以上で販売されている場合もあります。
ただ、現在はこのような相場ですが、近年入荷が減ってきているので今後値段は上がっていくかもしれません。
ブリード個体が出回ればまた変わるかもですが、日本で販売されているのはほとんどワイルド個体なのではないでしょうか(少なくても僕はブリード個体として販売されてるのを見たことがないです)
寿命は?
最高で30年生きた個体が捕獲されているようですが、一般的には10年前後の個体が多いようです。
60㎝飼育できる?最大サイズと必要な水槽の大きさは?
現地では60~70㎝の個体も捕獲されていますが、水槽内での最大サイズはだいたい50㎝くらいでしょう。
なので90㎝規格水槽であれば飼育可能です。ただ、よく泳ぐ種類なので横幅150㎝以上の水槽があると理想的です。
ちなみに20㎝くらいまでであれば60㎝水槽で飼育可能ですが、それくらいの大きさになった段階で90㎝水槽に移動させることをおすすめします。
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最適な水質(PH)と水温は?
弱酸性~弱アルカリ性(PH6.5~7.5くらい)を好みます。中性前後であればそこまで気にしなくても大丈夫でしょう。
最適な水温は15~24℃です。高水温に弱いので夏場にはクーラーが必須となります。できれば通年18℃前後をキープできるといいです。
餌は?人工餌には慣れるの?
生餌の場合は、メダカ、小赤などがメインになると思いますが、栄養バランスや、病気の持ち込みなどを考えると人工餌か冷凍餌に慣らせるのもいいかと思います。ただ、冷凍餌をあげる場合は栄養面を考えて冷凍餌+虫系(ワームやコオロギなど)をミックスしてあたえたほうがいいです。
人工餌に餌付かせたい場合は、まず冷凍餌やクリルに慣らせる⇒そのにおいを付けたキャットを与える⇒この流れで餌付ければほとんどの個体が餌付きます。
もしそれでもなかなか餌付かない場合はこちらの記事【肉食魚・古代魚・大型魚への人工飼料の餌付け方法まとめ】をご参考ください。
ただやはり個体差があるのと、比較的大きな個体(20㎝以上)で、ずっと生餌しか与えられていなかった場合は餌付けに時間がかかる場合もあります。でもなかなか餌付かないからといってクリル単食は絶対にやめましょう。栄養が偏って背中が曲がったり、突然死する場合があります。
また、痩せやすいので人工餌に慣れないからといって絶食などはしないほうがいいです。
混泳はできるの?
混泳に絶対はありませんが、気が荒い個体が多いのと、好む水温が他の熱帯魚と違うので、基本的には単独飼育になると思います。
ただ、ガーパイクとの飼育であれば、水温の面はクリアできるので、あとは相性ですね。個人的にあまりおすすめしません。
繁殖は可能?
水槽内での繁殖方法は確立されていないので、参考までにアミアカルヴァの繁殖方法に関して解説します。
オスメスの判別方法は?
オスは網目模様が入りますが、メスは入りません。また、尾びれの目玉模様も、オスは成長に伴いはっきりしてきますが、メスは薄れるか消滅します。性成熟にはだいたい3~5年かかります。
繁殖方法は?
年に1回、春に交尾します。
オスが浅瀬の水草の根をかみ切ったくぼみに巣を作ります。そこにメスと並んで横たわり、ひれをはためかせます。メスが産卵するとオスはそこに精子をかけます。
受精後8~10日で孵化します。仔魚が泳ぎ始めると、10㎝程度に成長するまでオスが仔魚を守ります。
やっぱりデリケート
10㎝を超えた個体はある程度丈夫ではありますが、水温の調整が必要だったりと、初心者向けの種類ではないですね。結構デリケートな種類です。なのでアミアカルバが住みやすい環境を作ってあげることが状態よく飼育するために肝になります。まず本種はうす暗い環境を好むため、アマゾンフロッグピットやマツモなどの浮草を使って明るさの調整をしてあげるといいです。
その他注意点
・飛び出し事故も結構あるので、隙間をなくすように蓋をしましょう
・底砂を飲み込んで死亡してしまう例もあるので、ベアタンクで飼育したほうが無難
アミアカルヴァに似た種類っていないの?
今までの説明を読んで「いや、アミアカルヴァの飼育ってめっちゃ大変じゃん!」と思った人も多いかと思います。なのでそんな人たちのためにアミアカルヴァはハードルが高いけど、それに似た飼育が比較的容易な種類を紹介していきます。
・ポリプテルス
→同じく古代魚の仲間です。ポリプテルスエンドリケリーやポリプテルスアンソルギーであれば90㎝水槽で飼育可能です。
・雷魚
→雷魚は雷魚でも、カムルチーとタイワンドジョウの2種類がおり、カムルチーは1mを超えますがタイワンドジョウは60㎝程度で成長が止まります。飼育は両種類とも容易です。
まとめ
確かに難しい種類ですが、アミア目で現存する唯一の種類が、アミアカルバとなります。文字通り生きた化石ですね。最大サイズまで飼育すると古代魚らしいとても迫力ある姿を見せてくれるので、ぜひ長く飼育して本来の魅力を引き出してあげてください。
もしハードルが高いな・・・と思ったらぜひ先ほど挙げたポリプテルスだったり雷魚の飼育も検討してみてくださいね。