先日取り上げた、パールンとよく似ているナマズで、それもそのはず、同じパンガシウス科に属する魚で、チャオプラヤ川やメコン川に生息している種類です。パンガシウス科に属する種類は大型化するものが多いですが、その中でも比較的小さい種類なので、飼育はしやすいかと思います。今回はそんな、カイヤンの飼育方法に関して説明します。
- パールム・メコンオオナマズとの違いは?
- どこで販売されているの?値段は?
- 寿命は?
- 最大の大きさは?90㎝水槽で飼育できる?
- 餌は?人工飼料には餌付くの?
- 適切な水質・水温は?
- 混泳は可能?
- おすすめのろ過器(フィルター)は?
- 繁殖はできるの?
- カイヤンがかかりやすい病気は?
- 水草との相性は?
- カイヤンが見られる水族館は?
- カイヤンの飼育法まとめ
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パールム・メコンオオナマズとの違いは?
学名でいうと、カイヤンがPangasianodon hypophthalmus、メコンオオナマズはPangasianodon gigas、パールンがPangasius Sanitwogseiなので完全に別種であるということが分かります。また、最大サイズもそれぞれ異なっており、自然界でパールンが約120㎝、カイヤンが90㎝、メコンオオナマズが200~300㎝となります。なので、メコンオオナマズを飼育するのは現実的ではなく、飼育するとしたら、パールンかカイヤンになると思います。
どこで販売されているの?値段は?
ある程度の規模の熱帯魚ショップであれば比較的見かけることは多いでしょう。また近くにショップが無い場合でも、charmなどのネット通販などで比較的容易に購入できます。3~5㎝くらいの幼魚が500円前後で販売されています。またアルビノ個体も販売されており、その値段は同じ大きさで1000円前後です。比較的安価で購入できますが、大きくなる種類なので、安易な購入はやめましょう。
寿命は?
10年以上は生きます。長く付き合ってあげましょう。
最大の大きさは?90㎝水槽で飼育できる?
自然下では、1m近くにまで成長する種類ですが、飼育下では50㎝程度で成長が止まることが多いですがそれでも大きいですよね。日本のナマズとだいたい同じくらいの大きさにまで成長しますが、カイヤンのほうが遊泳性が強いので、最後まで飼育するとしたら120㎝水槽が必要になります。おそらく飼育すると分かりますが、よく泳ぐため30㎝を超えてくると90㎝水槽では狭く感じることが多くなるでしょう。
カイヤンの成長速度はどんな感じ?
幼魚を購入して、適切な環境で適切な量の餌を与えていれば4年ほどで30㎝を超えます。他の肉食魚・大型魚の成長パターンを見ると、そこから徐々に成長スピードが緩やかになる感じですかね。
参考記事↓
餌は?人工飼料には餌付くの?
生餌を与える場合、小さい個体であれば、メダカや小さい金魚、エビなどで、成長するにしたがって大きめの魚、冷凍の川魚などにしていきます。生餌を与える場合は、金魚だけ、とかではなく、栄養に偏りが出ないように数種類の餌を混ぜて与えたほうが良いです。
もしそれが面倒で、かつランニングコストが気になるという方は、人工飼料に餌付かせた方がいいです。カイヤンは、キャットやコイの餌など、どんな餌にでも慣れやすい種類なので、あまり苦労しないでしょう。栄養バランスも優れていますし、餌からの病気の持ち込みも防げます。
人工飼料に餌付けたい場合は、まずクリルに慣れさせる⇒そのクリルのにおいを付けたキャットかコイの餌を与える。この流れで餌付ければほとんどの個体が餌付きます。
上記の方法を試してもなかなか餌付かない場合はこちらの記事【肉食魚・大型魚への人工飼料の餌付け方法まとめ 】をご参考ください。
適切な水質・水温は?
水質は中性~弱アルカリ性を好みますが、そこまで気にしなくても大丈夫です。
水温に関しては22~27℃くらいを好みます。白点病を防止するために26℃以上をキープするといいでしょう。
混泳は可能?
基本的に温厚で、他の魚に興味を示さないので、カイヤンに危害を加えるような種類でなく、大きさを合わせれば基本大丈夫です。。アロワナや、レッドスネークヘッド、ロイヤルトーマンなどの大型スネークヘッド、ポリプテルスビチャー、ポリプテルスアンソルギーなどの大型のポリプテルス、レッドテールキャットなどの大型ナマズとであれば上手くいくことが多いです。ただ、動きが速く、餌をとるのが上手なので、他の魚がしっかりと餌を食べられてるかは確認したほうがいいですね。また、スネークヘッドに関しては結構気が荒いので、カイヤンがいじめられていないかも確認した方がいいです。
おすすめのろ過器(フィルター)は?
肉食魚で水を汚しやすいので、ろ過力が高くないぶくぶくだったり、投げ込みフィルターだったり、外掛け式のフィルターはあまりお勧めできません。ろ過力の高い上部フィルターだったり、外部式フィルターをお勧めします。
ただ、溶存酸素量を増やすために、あくまでサブ的にぶくぶくや投げ込みフィルターを入れてあげるのはいいと思います。
繁殖はできるの?
オスメスの判別は現状難しいようです。また、かりに分かったとしても3m以上の水槽が必要になってくるので、一般家庭で繁殖させるのは難しいでしょう。
カイヤンがかかりやすい病気は?
白点病にかかりやすい種類です。ただ、他の魚より魚病薬には弱いです。なので、白点病の初期症状であれば
①2、3日かけて水温を2~3℃上げる
②塩分濃度が0.5%になる様に塩を入れる
③毎日1/3の水替えをする
という対応で自然治癒を狙いましょう。
ただ、症状が進んでしまっている白場合は、投薬しないほうがまずいので、迷わず魚病薬を使いましょう。対処法を以下にまとめます。
◆白点病にかかった場合の対処法
飼育水を1/2程度替え、グリーンFリキッドを投入します。(アグデン、ニューグリーンFでも対応できます。)また、塩分濃度が0.5%程度になるように食塩を入れてあげると回復が早くなります。
☆参考記事↓
水草との相性は?
植える系の水草は、カイヤンが暴れたときにほぼ100%抜かれてしまうのでおすすめできません。もし水草を導入するとしたら流木などに巻き付けられるアヌビアスナナや、ミクロソリウムなどがいいのではないでしょうか。
カイヤンが見られる水族館は?
たしかに魅力的な種類ではありますが、一般家庭で飼育するには少々大きいかな、と思う方もいるかもしれません。そういった方に関しては、水族館に行って見るのもおすすめです。現在は、さいたま水族館などで見られるそうです(※もしカイヤン目的で行くのであれば、必ずいるのか確認してから行きましょう)。
カイヤンの飼育法まとめ
いかがだったでしょうか?たしかに大きくはなりますが、しばらくは90㎝水槽で飼育できますし、120㎝水槽を用意できれば終始飼育も可能なので、同じパンガシウス科の仲間であるパールンと比べると飼育しやすいナマズです。また、サメのような姿で格好いいだけでなく、ナマズ特有の可愛さも持ち合わせているとても魅力的な種類です。もし興味を持った方は、この記事を参考にして飼育してみてくださいね♪