おちょぼ口を持ったかわいい風貌ときれいな発色から、大型魚のタンクメイトとして飼育されることが多いパロットファイヤー。また、人によくなつくのでタンクメイトとしてだけでなく、メインとして飼育しても面白い種類です。
今回はそんなパロットファイヤーの飼育法に関して説明します。
- パロットファイヤーってどんな種類がいるの?
- どこで販売されているの?価格は?
- 寿命は?
- 適切な水温・水質は?
- 最大サイズ・適切な水槽の大きさは?
- 餌は?人工飼料には餌付くの?
- 性格・おすすめの混泳相手は?
- 色揚げの方法は?
- かかりやすい病気は?
- 繁殖は可能?
- パロットファイヤーの飼育法まとめ
パロットファイヤーってどんな種類がいるの?
じつは一言でパロットファイヤーと言っても1種類ではありません。代表的な種類を紹介していきます。
また、そもそもパロットファイヤーという種類自体がフラミンゴシクリッドと、シンスピルムを交雑させて作った種類なので、自然界には存在しません。すべて改良品種ということになります。
・キングコングパロットファイヤー
画像の個体がそうです。通常のパロットファイヤーは最大でも15~20㎝くらいで成長が止まることが多いですが、この個体は30㎝くらいにまで成長します。また、そのキレイな発色が失われづらい種類でもあります。
・ハートテールパロットファイヤー
背びれと尾びれの距離が他の種類よりも狭くなっており、それがハートのように見えることからこの名前が付けられました。
・キャンディパロット
最大でも10㎝くらいにしか成長しない小型のパロットファイヤーです。
・(イエローとかパープルとか、色が最初に来る)パロットファイヤー
基本的には注射で色付けしているので、成長とともに色が落ちます。
・・・・こんな感じですね。発色を維持させていということであればキングコングパロットファイヤーがおすすめです。
どこで販売されているの?価格は?
特に種類にこだわらなければだいたいどの熱帯魚ショップにもいます。もし近くにそういったショップが無くても、charmなどのネット通販を利用すれば比較的容易に購入できます。
寿命は?
5~8年くらいです。
適切な水温・水質は?
水温は22~28℃を好みます。水質に関しは中性前後を保っていれば問題ありません。基本的に水質にはうるさくないですが、極端に酸性・アルカリ性に傾くとさすがに状態を崩すので注意しましょう。
最大サイズ・適切な水槽の大きさは?
キャンディーパロットが大きくて10㎝くらい、キングコングパロットが30㎝くらい、それ以外はだいたい15~20㎝くらいで成長が止まります。
なので、キャンディーパロットであれば30㎝キューブ水槽とか45㎝水槽で飼育可能です。キングコングパロットとそれ以外の種類に関しては60㎝水槽でも飼育可能ではありますが、体高が結構あるので、混泳させると考えると狭く感じると思います。
なので、混泳させる場合は60×45×45㎝か、もしくは90㎝水槽を用意してあげるといいです。
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餌は?人工飼料には餌付くの?
餌は生餌でも人工飼料でもなんでも食べます。なので、キャットやカーニバル などの人工飼料をメインに、クリルや冷凍赤虫などの餌をミックスして与えるといいでしょう。
もしなかなか餌を食べない場合はこちら↓
性格・おすすめの混泳相手は?
シクリッドの仲間なので、気は比較的荒いです。また、他種に対してよりも同種に対してより激しく争います。
ただ、おちょぼ口ということもあり、致命傷になるまで争うことは少ないです。
なので、同種同士であれば2匹とかではなく、5~6匹以上で混泳させた方が上手くいきやすいです。
他種との混泳であれば、ポリプテルスエンドリケリー、ポリプテルスオルナティピンニスなどの比較的大きめのポリプテルスや、アロワナ、オスカーなどと混泳させている場合が多いです。
【混泳例①】
【混泳例➁(パロット同士の混泳)】
色揚げの方法は?
ちなみに色揚げを行う場合は、赤を強調するということしか基本的にはできないという前提でお話しします。
まず底砂を敷いていないなら敷いてあげましょう。ガーネットサンドが一般的かと思います(これによって赤以外の色も多少発色が良くなる可能性があります)。また、赤系のライトを使うのもありです(単純に赤が濃く見えます)。
あと、僕もかなり驚いたのですがキョーリンの、レッドバルが本当すごいです。キョーリンのサイトで、レッドバルを与えた個体の色揚げ効果がどれくらいあるのかの実験が載ってるのですが、だいぶ赤味が強くなっていました(アジアアロワナの実験なので、パロットファイヤーの場合はここまで赤くはならないですが、それでも他の餌よりは色揚げ効果が期待できます)。以下のリンクから実験結果を確認できます↓
また、パロットファイヤーの場合、注射で色付けしているので、どう頑張っても成長とともに色褪せるのは防げないです。それが気になるのであればキングコングパロットファイヤーを選ぶのがいいと思います。
かかりやすい病気は?
基本的に丈夫なので、かかりやすくはないのですが、導入時や、環境の急変により白点病にかかることがあります。あとはコショウ症にかかることもあります。以下に原因と対策を載せます。
◆白点病
・原因 水温の低下が原因で起きることが多いです。
・対処法 飼育水を1/2程度替え、グリーンFリキッドを投入します。(アグデン、ニューグリーンFでも対応できます。)また、塩分濃度が0.5%程度になるように食塩を入れてあげると回復が早くなります。
◆コショウ症
・原因 水質の悪化などで、抵抗力が弱った時に発症することが多いです。
・対処法 白点病と同じ
繁殖は可能?
交雑種のため、基本的に繁殖は難しいとされていますが、稀に繁殖に成功している例もあります。特に小型種であるキャンディーパロットの繁殖例は比較的多く報告されています。最大サイズが小さいので性的な成熟も比較的早いから繁殖させやすいのかな?と個人的には思っています。
ただ、これっ!といった確実な繁殖方法はまだ発見されていません。10匹程度を混泳させて、気付いたら繁殖していた、という例が多いです。
なので繁殖を狙いたいのであれば、まずはキャンディーパロットから試してみるといいのではないでしょうか。
パロットファイヤーの飼育法まとめ
かわいくて、丈夫で、少し気は荒いけど比較的混泳させやすいパロットファイヤー。この記事を読んで飼育してみたい、と思った方もいるかもしれません。ただ、そうは言ってもパロットファイヤーを飼育するのに何が必要で、いくらかかるか分からないという人も多いかと思います。そういった方はこちらの記事【90㎝水槽で古代魚・肉食魚・中型魚を飼育するのに必要な用品とその値段はいくら? 】をよかったら見てみてください。