サカサナマズ(学名:Synodontis nigriventris 英名:Blotched upsidedown catfish)は、アフリカに広く分布するナマズの仲間です。口を上にして泳ぐ変わった泳ぎ方とそのかわいい見た目から人気の種類です。
今回はそんなサカサナマズの飼育法に関して説明していきます。
- 生態
- どんな種類がいるの?
- どこで販売されているの?価格は?
- 寿命は?
- 大きさ・適切な水槽サイズは?
- 適切な水温・水質は?
- 餌は?人工飼料には餌付くの?
- 混泳は可能?
- おすすめのフィルターは?
- どんなレイアウトにすればいい?
- なかなか泳がない(動かない)んだけど・・・
- かかりやすい病気は?
- コケって食べてくれるの?
- 繁殖は可能?
- 飛び出しに注意
- サカサナマズの飼育法まとめ
生態
基本的には夜行性で、日が沈んでから活発に活動します。雑食性で藻類や水生昆虫、ときに大きな群れをつくる。雑食性で、現地では水藻や水中の昆虫、小型の甲殻類などを食べています。
サカサナマズの名の通り、お腹を上にして泳いでいることが多いですが、底で休んでいるときや、逃げるときなどは普通に泳いだりもしてます。また、稚魚のうちは他の熱帯魚と同じように普通に泳ぎます。
現地では群れで泳いでることも多く、水槽内で数匹飼育していると群泳している姿も見れるかもしれません。
どんな種類がいるの?
サカサナマズの地域変異種で、体側によりはっきりとしたシマウマ模様を持つゼブラサカサナマズという種類がいます。飼育法自体はサカサナマズと同じで問題ありません。
・ゼブラサカサナマズ↓
また、サカサナマズはシノドンティス属に属しているので、以前紹介したシノドンティスアンジェリカスなどと近縁種ではありますが、一般的にサカサナマズと言えば本種か、ゼブラサカサナマズを指します。
サカサナマズは大きくても10㎝くらいで成長は止まりますが、シノドンティスとして売られている種類の中には30㎝以上と、大型化する個体もいます。
どこで販売されているの?価格は?
まあどこのショップに行ってもいる可能性が高い種類です。そしてもし近くにショップが無かったとしても、charmなどのネット通販を使えば比較的容易に購入することができます。
値段は、3~5㎝の稚魚が1匹800円位で売られていますが、群永させたほうが環境に泳いでる姿を見やすいですし、単純に見てて面白いと思うので、数匹単位で購入することをおすすめします。
寿命は?
約10年です。小型ですがナマズの仲間なので基本長生きです。
大きさ・適切な水槽サイズは?
大きくても10㎝には届かないことが多いです。8㎝くらいで成長が止まるパターンが多いのではないでしょうか。
なので3匹くらいまでなら30㎝キューブ水槽で飼育可能です。ただ、群れで泳ぐ姿を見たいとか、他の熱帯魚と混泳させたいとかであれば、横幅45㎝以上の水槽を用意してあげた方がいいでしょう。
【おすすめ記事】
45cm水槽で古代魚・肉食魚・中型魚を飼育するのに必要な値段はいくら?←別にサカサナマズは中型魚とかではないですけど、この通り揃えれもらって問題なしです。
適切な水温・水質は?
水温に関しては22~28℃くらいを好みますが、白点病の予防のためにも26℃以上をキープした方がいいです。
水質に関しては、そんなにデリケートな種類ではないので中性くらいをキープしていれば問題ありません。
餌は?人工飼料には餌付くの?
雑食性なので、冷凍赤虫も、キャットも、小型熱帯魚用のフレークでも慣れてくれればなんでも食べます。
栄養の偏りが無いようにこれらの餌をミックスして与えるのをおすすめします。
餌をなかなか食べてくれない場合は?
夜行性なので、慣れるまでは日中に餌を食べてくれないかもしれません。そういった場合は消灯後に餌を与えてみましょう。そして朝その餌がなくなっているかを確認します。環境に慣れていない場合は夜でも食べない場合があるので、そういった場合は速やかに残った餌を取り除きましょう。病気じゃない限りそのうち食べてくれます。ちなみに、上で挙げた餌のうち冷凍赤虫が一番嗜好性が高いので、もしなかなか食べてくれないのであれば、まずは冷凍赤虫から与えることをおすすめします。
また、もしサカサナマズはを1匹しか入れていないのであれば、サカサナマズを新たに数匹導入してげてみましょう。仲間がいると安心するのか、日中でも活発に泳いだり、餌を食べたりしてくれることがあります。
混泳は可能?
温和な種類なので、サカサナマズに危害を加える種類でなければ大丈夫です。また先ほども触れたように、同種同士で群永させるのもありです。
小型カラシン全般、コリドラス、トランスルーセントグラスキャット、クーリーローチ、ピーコックスパイニーイール、フラッグテールポートホールキャットなど、混泳相手の選択肢は多いです。
ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビなどのエビとの混泳ですが、【基本】大丈夫です。ただ、ミナミヌマエビの稚エビなど、口に入る大きさのサイズだと食べられてしまう可能性があるので大きさには気を付けましょう。
また、おすすめはできませんが、ポリプテルスセネガルスなどの小型ポリプテルスと混泳しているケースもあります。ポリプテルスが小さいうちから混泳させれば餌とみなされず、上手くいくかもしれません。
おすすめのフィルターは?
餌を大量に食べる種類でもないし、そこまでデリケートな種類でもないので、なんでもいいちゃなんでもいいのですが、見た目をそこまで気にするタイプでなければろ過力が大きく、メンテナンスも楽な上部フィルターをおすすめします。
フィルターの選び方がよく分からないという方はこちら→水槽用フィルター(ろ過器)のろ過力比較と特徴・性能一覧
どんなレイアウトにすればいい?
夜行性で、昼間は物陰によく隠れるので、流木や土管など、隠れられる場所を用意してあげましょう。
水草を入れてあげるとより落ち着くでしょう。
なかなか泳がない(動かない)んだけど・・・
もともと夜行性なので慣れるまで物陰から出てこないというのはある程度しょうがないかと思います。それでもやっぱり泳いでる姿を見たいですよね。そういった場合はやはり先ほども書きましたが、同種同士を混泳させてあげるといいです。
もちろんこれで確実に昼間でも泳いでくれるようになる、とは言えませんが、そのまま飼育しているよりは出てきてよく泳いでくれる確率は上がります。
ただ、もともとはよく泳いでいたのに最近泳がなくなったということであれば問題です。体表に異常がないか、呼吸が異常に早くないか、など確認して下てください。対処がよく分からなければ一旦水換えをして様子を見るのもありかと思います。
かかりやすい病気は?
基本丈夫ですが、水温の急激な変化で白点病にかかる可能性があるので、導入時の水合わせや、水換え時の水温調整を怠らないようにしましょう。
それさえ気を付ければまあ大丈夫です。
もしかかってしまった場合、本種は薬に弱いのでまずは以下のようにして自然治癒を狙います。
①2,3日かけて水温を2~3℃上げる
②塩分濃度が0.5%になる様に塩を入れる
③毎日1/5~1/4の水換えをする
ただ、症状が進んでしまっている場合は、投薬しないほうがまずいので、迷わず魚病薬を使いましょう。投薬する場合はニューグリーンF、アグデン、グリーンFリキッド、グリーンFクリアーなどを使用します。
コケって食べてくれるの?
雑食性と言いましたが、オトシンやアルジーイーターのようなコケ取りの効果は期待できません。食べてるかもしれないですけど、目に見えて効果が出ることはないと思った方がいいです。
繁殖は可能?
現状水槽内での繁殖方法は確立されていないです。
飛び出しに注意
本当に狭いところからでも飛び出すので、油断せずにどんな小さな隙間もうめるようにしましょう。そういった意味でも、水槽上部の半分を埋めてくれる上部フィルターはおすすめです。
サカサナマズの飼育法まとめ
いかがだったでしょうか?
温和で混泳しやすく、しかも水槽の環境に慣れさえすれば丈夫で、面白い習性をもつ種類なので、小型魚メインの水槽のアクセントに入れるのにおすすめの種類です。
ぜひこの記事を参考に飼育してみてくださいね。
ただ、もし何を揃えればよくて値段がいくらかかるのかが分からない方はこちら【45cm水槽で古代魚・肉食魚・中型魚を飼育するのに必要な値段はいくら?】の記事をご覧ください。