出目金は、飛び出ている目が特徴的な種類で、琉金からの突然変異で生まれました。その時生まれた個体は一般的な黒色ではなく、赤色でした。その後作出されたのが、一般的な出目金のイメージでもある黒出目金です。キャリコ(三色)色の個体や、白と黒2色のパンダ出目金と呼ばれる個体もいます。バラエティーに富んだ色をしていますが、飼育法は全種類同じで大丈夫です。
飼育難易度で言うと、琉金と同じくらいでそこまで難しくはないですが、何も考えずに飼育していると意外とすぐに病気にかかってしまい、死んでしまうとかもあるので、この記事では出目金の詳しい飼育法に関して説明していきます。
どこで販売されているの?価格は?
近くにペットショップや熱帯魚ショップがあるなら簡単に見つけることができるでしょう。入手は容易かと思います。
価格も1匹300円~と、お求めやすい価格となっています。
寿命は?
適切な環境で飼育していれば平均寿命は10年くらいです。
出目金の飼育って難しいの?
これに関しては琉金と同じですね。金魚の中では簡単ですが、
大きさ・適切な水槽サイズは?
最大で10㎝程度に成長します。目安としては60㎝規格水槽で3~4匹という感じですね。
金魚用の水槽セットなども販売されていますが、そもそも水槽サイズが小さいのと、ろ過力が心もとない商品が多いので、飼育開始時であっても幅40㎝以上の水槽を用意してあげた方が水質も安定しやすいでしょう。
適切な水温は?野外飼育は可能?
適切な水温は5~28℃くらいです。低温にも耐えられるので基本的に野外飼育も可能ですが、ただ水深が浅すぎるとその水と一緒に金魚も凍ってしまう可能性があるので、最低でも30㎝くらいの水深がある水槽やタライを用意しましょう。
ヒーターを入れてあげると病気の予防にもなりますが、寿命が短くなってしまう可能性がありますし、季節感がなくなり繁殖もしにくくなるので止めた方が無難です。
【参考記事】
餌は何をあげればいいの?大きく育てるには?
金魚用の人工飼料を与えてあげれば特に問題ありません。ただより大きく迫力ある個体に育てたい!という希望があるのであれば人工飼料だけでなく冷凍赤虫などの生餌も一緒に与えてあげましょう。
また、与えたら与えただけ食べてしまうので、こちらで餌の量はセーブしてあげましょう。特に初心者の方は餌の与えすぎに要注意です。
経験上、餌の与えすぎで魚が死んでしまうようなことはほとんどありません。むしろは餌を与えすぎて、水質が悪化して病気になって・・・というパターンの方が圧倒的に多いです。
なので特に初心者の方は(特に大きく育てたいという希望がないのであれば)1日1~2回、3分くらいで食べきれる量の餌を与えましょう。それだけでも十分健康に育てられます。
また浮上性の餌の方が食べ残しなどの管理が楽なので、飼育に慣れるまでは浮上性の餌を与えた方がいいです。
冬の餌やりはどうすればいいの?
これに関しては出目金の餌食いにもよるのですが、普段よりも頻度も量も少なめにした方がいいでしょう。冬場の餌の与えすぎは水質の悪化・消化不良の原因となります。
混泳は可能?
混泳は可能ですが、見た目の通り、泳ぎ下手くそなので混泳相手はしっかりと選ばないといけません。
出目金は、琉金と同じく【丸形】に分類されるので、混泳させるなら同じく丸形の琉金や、ピンポンパールなどがいいかと思います。ただ、ピンポンパールと混泳させる場合は飼育環境はピンポンパールに合わせてあげましょう。
金魚以外と混泳する場合はどじょうが無難かと思います。
おすすめのフィルターは?
これは出目金だけでなく、金魚全般そうなのですが、水を非常に汚しやすいので、実は金魚飼育セットについているようなフィルターは金魚の飼育に向いていない場合はほとんどです。
僕のおすすめは上部フィルターです(多分僕だけでなくほとんどの金魚飼育者は上部フィルターをおすすめすると思います)。またその中でもGEX グランデカスタムはろ過能力が高くおすすめです。ただ音がかなりうるさいので、寝室などに置く場合はその他の普通の上部フィルターを使用しましょう。
また、定期的に砂利の掃除をするマメさがあるのであれば底面フィルターもおすすめです。フィルターは基本的にそのろ過面積が大きければ大きいほどろ過能力が大きいです。底面フィルターの場合はそのろ過できる部分が底全体のなるので必然的にろ過力は大きくなります。ただ、砂利の掃除をこまめに行わないと目詰まりを起こしてしまい、ろ過力の低下につながってしまうので、マメな人限定でおすすめできます。
でも定期的に掃除できるのであれば見た目もすっきりするし、割といいかなと思っています。
僕が飼育しているチャンナプルクラを始めとするスネークヘッド軍団も(3匹しかいないですけど笑)底面フィルターで管理しています。この肉食魚でもいままで水質の問題はなかったので、金魚でもまあ問題ないでしょう。
どんなレイアウトにすればいい?
出目金は眼が飛び出ているので、その目が傷つくのを防ぐために角ばった岩だったりアクセサリーは置かない方がいいです。
目が傷ついてしまうとそこから細菌が入って最悪病気になって死んでしまうこともあるので、アクセサリー類はなにも置かないか、もしくは置いたとしても丸みを帯びた、角ばってないものを置いてあげましょう。
また砂利に関しては入れても入れなくてもいいのですが、入れてあげた方が見た目がいいですし、ごみも舞い上がりづらいので僕は砂利を入れる派です。
水草は入れてあげた方がいいの?
水草に関しても入れても入れなくてもどっちでもいいのですが(笑)、これも見た目の問題で、やはり入れてあげた方が雰囲気がでます。
ただマツモやアナカリス、カボンバといったいわゆる金魚藻に関しては、ほとんどの確率で餌となるので、消耗品だと割り切っていれるか、もしくは葉が硬いアヌビアスナナを流木か何かに活着させて入れてあげるといいと思います。
かかりやすい病気とその対策方法は?
かかりやすい病気は本当にたくさんあるので、全部書くのは難しいのですが、僕がショップで働いていた時によく金魚がかかっていた病気第1位が白点病、第2位が尾ぐされ病(カラムナリス症)、第3位が松かさ病(エロモナス症)、第4位が転覆病です。
対処法を以下に書きます。
白点病
まず、水槽の1/3~1/2の水換えを行い、白点虫を追い出します。
その後、ニューグリーンF、アグデン、グリーンFリキッド、グリーンFクリアーなどを投入して薬浴します。水草が入っていないのであればグリーンFリキッドもいいと思います。
上記に加えて0.5%程度の濃度での塩浴(食塩を水槽に入れること)も効果的です。
尾ぐされ病(カラムナリス症)
飼育水を1/2程度換え、グリーンFゴールドなどの尾ぐされ病治療用の薬を投薬します。
記に加えて0.5%程度の濃度での塩浴(食塩を水槽に入れること)も効果的です。
松かさ病(エロモナス症)
飼育水を1/2程度換え、グリーンFゴールドなどの松カサ病用の治療用の薬を投薬します。
記に加えて0.5%程度の濃度での塩浴(食塩を水槽に入れること)も効果的です。
この病気は進行が進むと治療が困難なので早期発見・早期治療が大切です。
転覆病
原因・治療法がはっきり分かっていない病気です。初期段階であれば大幅な減食・25℃程度の加温・0.5%程度の塩浴で治る可能性があります。
餌の与えすぎによる浮き袋の圧迫により起こるともいわれているので、まずは餌の与えすぎに注意しましょう。
繁殖方法は?
まず雌雄の判別方法ですが、金魚の繁殖時期である3~6月ぐらいになると、オスのエラ蓋に追い星という白い斑点がでてきます。ここで見分けます。
総排泄腔(フンがでてくることろ)を見て見分けるというやり方をありますが、かなり良く見ないと分からないので中~上級者向けの見分け方です。
繁殖期になると、オスがメスを追いかけ始めます。そのタイミングでアナカリス・カボンバ、マツモなど、卵を産み付けられる水草を入れてあげましょう。
卵が産みつつけられているのを確認したら、その水草ごと別水槽に移します。その別水槽にもエアレーションをしてあげるのを忘れないようにしましょう。怠ると卵が白く濁って腐ってしまいます。
稚魚が生まれたら、しばらくは水槽壁面などにくっついて動きませんが、数日たつと動き始めます。そのタイミングで冷凍ベビーブラインシュリンプや、市販の冷凍ブラインシュリンプや、ひかりパピィなど稚魚用の餌を与えましょう。
出目金の飼育法まとめ
いかがだったでしょうか?これである程度出目金の飼育に関する知識は身につけられたかと思います。
ただ、出目金を飼育するのに何が必要なのか分からない、という方もいるかと思います。そういった方はこちらの記事【金魚の飼育にかかる用品とか費用とかまとめました - ABYの熱帯魚図鑑】を読んでいただければ必要な用品やその値段が分かるかと思います。