ライオンヘッド【らんちゅう】という名前から、らんちゅうから作出されたと思いますが、実は別系統の金魚です。
エラ蓋も含めて大きく肉瘤が成長することから、水槽で飼育すると非常に可愛らしい表情を見せてくれます。
意外とショップでは見かけることが少ないですが、飼育自体はそこまで難しくないので、【少し変わった金魚】を飼育したいというかたにおすすめです。
今回はそんなライオンヘッドらんちゅう(以下ライオンヘッド)の飼育法に関して説明します。
- ライオンヘッドの特徴とらんちゅうとの違いは?
- どこで販売されているの?価格は?
- 寿命は?
- 上見と横見どっちがいいの?
- 大きさ・適切な水槽サイズは?
- 適切な水温は?ヒーターは必要?
- 餌は何をあげればいいの?
- 混泳は可能?
- おすすめのフィルターは?
- どんなレイアウトにすればいい?
- かかりやすい病気は?
- ライオンヘッドらんちゅうの飼育に必要な用品は?
ライオンヘッドの特徴とらんちゅうとの違いは?
ライオンヘッドの特徴は大きく2点あります。1点目は肉瘤がエラ蓋も含めて大きく盛り上がり顔全体が丸くなることで、2点目は背中が弓なりで、体型がやや寸詰まり(ショートボディー)になるところです。
そしてそれがそのままらんちゅうとの違いになります。ライオンヘッドの場合、肉瘤がエラ蓋も含めて大きく盛り上がるのが普通ですが、らんちゅうの場合そのような個体はほぼ見ることがありません。
また体型に関してもらんちゅうの場合は背中が弓なりではなく直線的になります。
なのでまとめるとライオンヘッドは普通のらんちゅうと比べると頭の肉瘤も含めて全体的に丸っこく可愛らしくなると思ってもらえればいいかと思います。
普通のらんちゅうも気になるという方はこちら→らんちゅうの飼育は難しい?らんちゅう飼育のコツを解説します
どこで販売されているの?価格は?
意外とショップではあまり見かけない種類です。ある程度の規模のショップだったり、金魚に力を入れているところでないと見つけるのは難しいかもしれません。
ただネットショップではそこまで苦労せず見つけられると思うので、そこらへんはcharmなどをうまく利用するといいかと思います。
寿命は?
10~15年くらいですが、実際は病気などで5~7年くらいで死んでしまうことが多いです。日々の観察や、定期的な水換えを怠らずに長生きさせてあげましょう。
上見と横見どっちがいいの?
これは好みの問題もあるのでもちろん一概には言えないですけど、基本的には【ふつうのらんちゅうは上見】【ライオンヘッドは横見】がいいと思います。
なぜなら、ライオンヘッドの特徴であるその丸っこい愛くるしさみたいなものは、横見でこそ発揮されるものだと思うからです。
なので最終的には好みですが、一般的には普通の水槽で横見で楽しむ金魚です。
僕は飼育はしたことは無いのですが、ショップで仕入れて販売してたことがあり、その時はガラス水槽に入れられているのを横から見ていたのですが、かなりかわいかったなーっと記憶しているので、そういったことから個人的にも横見をおすすめします。
大きさ・適切な水槽サイズは?
大きさは10~15㎝くらいです。なので単独飼育であれば45㎝水槽でも十分ですが、複数飼育(3~4匹)をしたいのであれば60㎝以上の水槽をおすすめします。
適切な水温は?ヒーターは必要?
ある程度の低水温であれば耐えられるということですが、中国原産ということもあり、やはり10℃を下回ると状態を崩すことが多いのでヒーターを入れてあげたほうが無難かと思います。
ショップで働いていた時もヒーターで加温していました。入れるヒーターは金魚用のヒーターでも、熱帯魚用のヒーターでもどちらでもいいかと思います。
【参考記事】
餌は何をあげればいいの?
こちらに関しては普通の金魚用の餌を与えれば問題ありません。迷ったら、キョーリン ランチュウベビーゴールドというらんちゅう専用の餌が販売されており、一応肉瘤を大きくする作用もある(結構遺伝による要素が大きいので気休め程度ですが)ようなのでこちらを与えるといいでしょう。
混泳は可能?
ライオンヘッド同士だったり、ふつうのらんちゅうとの混泳であれば大丈夫です。ただ泳ぎが下手なので泳ぎが速い和金などとの混泳は避けましょう。ライオンヘッドが餌を食べられない可能性があります。
また、ふつうのらんちゅうだけでなく、江戸錦なども形はらんちゅうと同じなので混泳は上手くいきやすいかと思います。
金魚以外の魚と飼育したいという場合はどじょうとかがいいかなと思います。超温和ですし、残った餌とかも食べてくれます。
おすすめのフィルターは?
金魚全般に言えることですが、大食感で水をよく汚すので、【肉食の熱帯魚】のイメージで飼育するといいと思います。
そう考えるとやはりろ過力も大きくてメンテナンスも容易な上部フィルターをおすすめします。
詳しくはこちらの記事【肉食魚の飼育に最適なのは上部フィルター?外部フィルター?それとも・・・ 】で書いているのでよかったらご参考ください。
どんなレイアウトにすればいい?
まず砂利に関して。特に見た目にこだわらないというのであれば敷かない方が管理は楽になります。
ただやはり敷いた方が水槽全体の雰囲気も良くなりますし、ライオンヘッドの体色もよくなるので、まあせっかく飼育するのであれば見た目にもこだわった方がいいのかなと思います。なので個人的には敷いた方がいいかなと思ってます。
また岩や流木などの水槽内アクセサリですが、これも見た目の問題です。入れたら見た目は綺麗になりますが、掃除がめんどくさくなります。どっちを取るかです。ただ、流木に関しては水の色が黄色くなる可能性があるので、アク抜き済みのものを購入した方が無難かと思います。
あと入れすぎるとほんとに掃除が面倒になるので、入れるとしてもシンプルに数点のみにした方がいいです。
また、水草に関してですが、水草に関しても入れても入れなくてもどっちでもいいのですが、これも見た目の問題で、やはり入れてあげた方が雰囲気がでます。 ただマツモやアナカリス、カボンバといったいわゆる金魚藻に関しては、ほとんどの確率で餌となるので、消耗品だと割り切っていれるか、もしくは葉が硬いアヌビアスナナを流木か何かに活着させて入れてあげるといいと思います。
かかりやすい病気は?
かかりやすい病気は本当にたくさんあるので、全部書くのは難しいのですが、僕がショップで働いていた時によく金魚がかかっていた病気第1位が白点病、第2位が尾ぐされ病(カラムナリス症)、第3位が松かさ病(エロモナス症)、第4位が転覆病です。 対処法を以下に書きます。
白点病
まず、水槽の1/3~1/2の水換えを行い、白点虫を追い出します。 その後、ニューグリーンF、アグデン、グリーンFリキッド、グリーンFクリアーなどを投入して薬浴します。水草が入っていないのであればグリーンFリキッドもいいと思います。 上記に加えて0.5%程度の濃度での塩浴(食塩を水槽に入れること)も効果的です。
尾ぐされ病(カラムナリス症)
飼育水を1/2程度換え、グリーンFゴールドなどの尾ぐされ病治療用の薬を投薬します。 上記に加えて0.5%程度の濃度での塩浴(食塩を水槽に入れること)も効果的です。 松かさ病(エロモナス症) 飼育水を1/2程度換え、グリーンFゴールドなどの松カサ病用の治療用の薬を投薬します。 上記に加えて0.5%程度の濃度での塩浴(食塩を水槽に入れること)も効果的です。 この病気は進行が進むと治療が困難なので早期発見・早期治療が大切です。
転覆病
原因・治療法がはっきり分かっていない病気です。初期段階であれば大幅な減食・25℃程度の加温・0.5%程度の塩浴で治る可能性があります。 餌の与えすぎによる浮き袋の圧迫により起こるともいわれているので、まずは餌の与えすぎに注意しましょう。
ライオンヘッドらんちゅうの飼育に必要な用品は?
ここまで記事を読んでみて、ライオンヘッドを飼育したい!でも何を用意すればいいのかよくわからない、と思った方も多いかもしれません。そこで最後にライオンヘッドを飼育するのに必要な用品をまとめます。 ざっくり以下のものが必要になります。
・水槽
・水槽台
・ろ過器
・ライト
・水温計
・砂利
・餌
・アミ
・水換え用のホース
・カルキ抜き等の水質調整剤
・(必要なら)水草
・ヒーター
また上の商品について【金魚の飼育にかかる用品とか費用とかまとめました】で費用も含めてより詳しく解説しているのでよかったらご参考ください。