タイガーシャベルノーズキャット南米アマゾン川、オリノコ川流域に広く生息するナマズの仲間です。
体にとらのような模様が入ることから、こういった名前で呼ばれています。大型ナマズの仲間としてレッドテールキャットとともに昔から親しまれているナマズです。
比較的安価で売られていて、しかも見かけることも多いので『簡単に飼育できるかも?』と思ってしまいそうですが、えげつないくらい大きくなるのでそこら辺もしっかり押さえた上で飼育しないといけません。
今回はそんなタイガーシャベルノーズキャットの飼育法に関して説明します。
- カラパリとの違いは?
- どこで販売されているの?価格は?
- 寿命は?
- 大きさ・適切な水槽サイズは?
- 適切な水温・水質は?
- 餌は?人工飼料には餌付くの?
- 混泳は可能?
- おすすめのフィルターは?
- どんなレイアウトにすればいい?
- かかりやすい病気は?
- タイガーシャベルノーズキャットの飼育法まとめ
カラパリとの違いは?
カラパリとタイガーシャベルノーズキャットの違いですが、カラパリの学名はPseudoplatystoma tigrinumで、タイガーシャベルノーズキャットの学名はPseudoplatystoma fasciatumとなっているので、別種ということになります(2020年5月4日時点で、charmをみるとカラパリPseudoplatystoma fasciatumとなっているのですが、これどっちが正しいんだろう・・・・)。
違いに関してですが、タイガーシャベルノーズキャットの方は、単純にトラのような縞模様が入りますが、カラパリの場合はより複雑な唐草模様が入ります。
ただ、これらの違いはある程度成長しないとなかなか判別は難しく、幼魚のうちはほとんど分かりません。また、飼育法に関しては同じなのでまとめて説明しちゃいます。
ちなみに違いはこんな感じです↓
◆タイガーシャベルノーズキャット
◆カラパリ
どこで販売されているの?価格は?
タイガーシャベルノーズキャットに関しては、ある程度の規模の店舗であれば見つけられるでしょう。一方カラパリはあまり見かけることはありません。上でも少し触れましたが、2020年4月4日時点であればcharmにいるので、カラパリを飼育したい場合はこのようにネットショップを探した方が早いかもしれません。
価格に関してですが、タイガーシャベルノーズキャットは10㎝前後の個体で1000~1500円くらい、カラパリは同じ大きさの個体で7000~8000円くらいです。
カラパリのほうが高いですね。
寿命は?
10年は軽く生きます。個体によっては20年生きるので、しっかりと覚悟をもって飼育しましょう。
大きさ・適切な水槽サイズは?
自然界では最大で1mを超える個体が確認されていますが、もっと大きくなるのではないかという話もあります。
また水槽内でも70~80㎝くらいにはなるので、やはり最低でも180×90×60㎝くらいの規模の水槽を必要とします。
適切な水温・水質は?
水温はだいたい22~28℃くらいを好み、水質は弱酸性~中性付近を好みます。水温に関しては、幼魚のうちは病気予防のために26℃以上に設定した方がいいかもしれません。また水質に関しては極端に酸性・アルカリ性に傾かなければそこまで気にしなくてもいいです。
餌は?人工飼料には餌付くの?
生餌を与える場合は、個体の大きさに合わせて冷凍赤虫、メダカ、小赤などを与えます。生き餌のストックが大変ということであれば、魚の切り身などを与えるのもアリですが、牛ハツ、鶏肉などは上手く消化できない可能性もあるのでやめておいた方が無難です。
また栄養バランスやコスト面を考えると人工飼料に餌付けるのもありです。早い段階であれば比較的容易に餌付きます。人工飼料に餌付ける場合はキャット等の肉食魚用の沈下性の餌を与えるのが一般的です。冷凍赤虫に混ぜて与えてみましょう。最初はなかなか食べてくれないかもですが、だんだん食べてくれるようになります。
それでも全然食べてくれないという場合はこちらの記事【肉食魚・古代魚・大型魚への人工飼料の餌付け方法まとめ 】をご覧ください。
混泳は可能?
レッドテールキャットと違い比較的温和なので、本種の口に入らないサイズの魚であれば混泳可能です。メガロドラスやアロワナ、ガーパイクなどの混泳している人が多いです。あとはシャベルノーズキャットなども大きさに差が無ければ可能です。
おすすめのフィルターは?
基本的に肉食魚の飼育には上部フィルターを薦めているわけですが、本種に関しても90㎝水槽くらいまでであれば上部フィルターでもいいかなと思います。
ただそれ以上の水槽が必要になった場合、特に180㎝以上の水槽で飼育する場合はオーバーフローを使用している人が多いですね。
どんなレイアウトにすればいい?
まず底床に関してですが、中途半端な粒の大きさのものだと餌を食べる際に一緒に飲みこんでしまう可能性があるので、いっそ敷かないか(まあ大型魚飼育の場合は敷かない方が一般的ですかね)、敷くとしてもガーネットサンドをうすーく敷くくらいでいいかなと思います。
また流木などのレイアウトアイテムですが、置いたとしてもシンプルに流木1つくらいにした方がメンテナンスも楽ですし、体をぶつけて怪我をしてしまう・・・という事故も防ぐことができます。
かかりやすい病気は?
基本的には丈夫ですが、病気になるとしたら白点病になることが多いです。他の魚より魚病薬には弱いので、白点病の初期症状であれば
①2、3日かけて水温を2~3℃上げる
②塩分濃度が0.5%になる様に塩を入れる
③毎日1/3の水換えをする
という対応で自然治癒を狙いましょう。 ただ、症状が進んでしまっている場合は、投薬しないほうがまずいので、また飼育水を1/2程度換え、グリーンFリキッドを投入します。(アグデン、ニューグリーンFでも対応できます。)また、塩分濃度が0.5%程度になるように食塩を入れてあげると回復が早くなります。
タイガーシャベルノーズキャットの飼育法まとめ
レッドテールキャットもそうですが、しっかりと最後まで飼育することを考えたら1トンクラスの水槽が必要になりますし、長生きの個体は20年くらい生きるので、しっかりと覚悟をもって飼育を始めましょう。
ただ、これだけの設備を用意できる人はごく少数だと思うので、個人的には同じナマズっていうことで60㎝水槽で飼育可能なバトラクスキャット、90㎝水槽で飼育可能なシャベルノーズキャットやオレンジキャットなどで手を打つのが現実的かと思います。