ABYの熱帯魚図鑑

初心者の方でも、初めて熱帯魚を飼育する方でも分かりやすくお伝えできればと思います。よろしくお願いします♪ちなみにABYとはアクアブロガーよしきの略です(´・ω・`)

夏の熱帯魚飼育で失敗しないコツを解説!(水温管理・旅行対策・ヒーターは必要?等)

最近、温暖化の影響か、夏がすこぶる熱いですよね。もちろんそれは熱帯魚の飼育環境にもさまざまな影響を与えてしまいます。想定以上に水温が上昇してしまったり、エアコンを付けているときと付けていないときの温度差だったり・・・。また、旅行に行くとなったらさらに心配事が増えてしまいますよね。
特に初心者の方にとっては、「ヒーターって夏でも必要なのか?」「旅行中の水槽管理はどうするの?」といった悩みもあるかと思います。

そこで今回は、皆さんが安心して夏をすごせるよう、夏の熱帯魚飼育のコツについて、わかりやすく解説していきます。暑い夏を乗り切るためのコツを知って、大切な熱帯魚たちと快適な夏を過ごしましょう!

 

 

水温を下げるにはどのような管理をすればいいのか?

夏の熱帯魚飼育において、熱帯魚が調子を崩すほとんどの原因が水温の上昇にあります。逆に言えば、水温さえ上がりすぎなければ他の季節と同じように飼育することができます。では、水温を下げるにはどのような方法があるのでしょうか?その方法をざっと挙げていきます。

 

直射日光の当たらないところに水槽を置く

→直射日光の当たるようなところに水槽を置くとコケが発生しやすいですし、水温も変かしやすいので、夏場とか関係なくおすすめしません。

 

水槽用のクーラーor扇風機(ファン)を使う

→水槽用のクーラーは比較的高価(安くても30,000円はする)です。水量が40L以下であればテトラ クールタワーというクーラーが10,000円代で売ってますが、これだと60㎝水槽には対応できないのが痛いです。

また、10,000円代でも高いという人も多いかと思うので、そういった場合は水槽用のファンを使うのがいいかと思います。4,000円~5,000円くらいの予算があれば120㎝水槽レベルにでも対応できるようなファンもありますので、charmなどで探してみるといいと思います。

~60㎝水槽対応ぐらいまでであれば、実店舗でも売っていると思いますが、大きい水槽に対応できるものは売ってないかもしれません。

 

人間用の扇風機を使う

水槽用のファンでも高いという人は、①上部フィルターを使っているのであれば、その蓋をとって直接人間が使っている扇風機を水面に当てたり、➁上部フィルターを使っていなければ水槽の蓋を取って(水槽外に飛びたしちゃう種類がいないのが前提になりますが)、直接人間が使っている扇風機を当てる、などで対応するのもありです。

 

水槽の水量をなるべく多いものにする

→なんとなくイメージできるかと思いますが、水量が多いほど水温は変化しづらいです。これは僕の意見で、僕の言ったとおりにして何かあっても責任はとれませんが、60㎝以上の水槽であれば、夏場の高水温はそこまで気にしなくていいと思ってます。

 

ライトを付けない

今はもうほとんど発熱しないLEDが普及していますし、蛍光灯であっても水温に与える影響はそこまで大きくないので、あまり効果は見込めないですが、まあやらないよりはいいと思います。

ただ、水草がある場合はライトを付けないと水草がダメになる可能性があるので、そこは入れている水草の丈夫さと相談になると思います。

 

部屋のクーラーをつけっぱなしにする。

水槽が少ないのであれば、水槽用のクーラーを使うのが、お金の面を無視すれば一番いいのかと思いますが、もしたくさん水槽があるのであれば、部屋のクーラーをつけっぱなしにするのもアリです(これも電気代があがるのを許せればですが・・・。)。

お金のことを無視すれば、水槽用のクーラーの使用or部屋のクーラーをつけっぱなしが理想ではあります。

 

ちなみに、水を入れて凍らせたペットボトルで水温を下げるのはあり?

結論、無しです。一時的に水温は下がりますが、また氷が溶けたら上がりますし、その水温の上下は熱帯魚にとって良くないです。

 

夏場でもヒーターは必要?

結構人によって変わったりしますが、私は必要だと思いますし、基本的に1年中付けています。

まず、1番の理由は、水温の下がりすぎを防ぐためです。水槽用のクーラーや、性能の高い水槽用のファンは水温を感知する調整機能(サーモスタット)が付いているので、ヒーターの設定温度の+1,2度に設定するといいです。そうすると、例えばヒーターの設定が26℃でクーラー(ファン)の設定が28℃だった場合、28℃まで上がったらクーラー(ファン)が作動し、26℃まで下がったらヒーターが作動するので、水温をある程度一定に保ってくれます。また、そういった機能が付いていないファンや、部屋のクーラーをつけっぱなしのパターンでも、ヒーターを入れることで下がりすぎを防いでくれます。

2つ目の理由は、1つ目と似ているような感じもしますが、水温の急変を防ぐためです。ヒーターを入れておらず、部屋のクーラーをつけると、水温が下がりすぎることがあります。また、その状態でクーラーを消すと、今度は水温が急激に上がってしまいます。また、サーモスタットが無い水槽用のファンを使用しても同じような現象が起こってしまう可能性があります。

3つ目の理由はヒーターを入れなおすタイミングを誤ると致命傷になる可能性があるということです。9月くらいになると気温の上下が激しくなるので、ヒーターが無いとその変化で状態を崩してしまう可能性があります。それこそ8月中に入れなおせば大きな問題はないかとは思いますが、それであれば最初から外す必要はないのでは?と思います。

 

水温上昇対策以外の対策について

上記の水温上昇対策を行っていたとしても、夏以外と同じような水温に保つのは実際のところ難しいと思います(クーラーを使用した場合の除く)。そうなった場合、多少水温が上がったとしても大事に至らないような対策が必要となりますので、以下でこれらを解説したいと思います。

酸欠対策

なんで夏場は酸欠になりやすいの?

そもそもなんで水温が上がると酸欠状態になるかというと、水温が上がると、水中に酸素が溶けにくい状態になるからです。

あったかいところにペットボトルのコーラを置いておくとペットボトルがパンパンになっているのを想像すると分かりやすいかと思います。

あれは、コーラの中に溶けていた二酸化炭素が、コーラの温度の上昇により溶けきれなくなってコーラ内から放出された結果、あんなにパンパンになってるわけです。

そんなこんなで、水温が上昇すると水中の酸素量が夏場はどうしても減ってしまいます。

酸欠になっているサインは?

今自分の水槽が酸欠状態なのかどうかなんてわからないよ!と思ってる人もいるかと思います。

でも、それを一発で見極める方法があります。それは【誰も水槽に寄って行っていないのに、飼育している熱帯魚が水面で口をパクパクしているかどうか】です。

人が寄って行くと、餌をもらえると思って水面で口をパクパクしちゃうと思うので、離れた状態で水槽内を観察しましょう。

その状態でこのような行動をしていれば、それは酸欠状態になってると思っていいです。『いやいや、夏場とか関係なく1年中水面で口をパクパクしてるよー!』という場合は、そもそも水量に対して熱帯魚の数が多すぎます。水槽を大きくしてあげてください。

酸欠状態を改善するためにはどうすればいい?

分かりやすく箇条書きにします!

・エアレーションを強くする

・飼育する匹数を減らす

・水槽を大きくする

・当たり前ですが、水温を下げる(下げ方は後述)

バクテリア対策

そもそもバクテリアってなんぞや?っていう方はこちらの記事【水槽内でのバクテリアの役割とは?【バクテリアの種類も解説するよ】】をご覧ください。

まあかなーりざっくり言うと、バクテリアっていうのは、水をきれいにしてくれる菌のことです。

活動が低下する原因は?

夏になり、水温が上がるとバクテリアの活性も落ちてしまいます。バクテリアは大きく分けると『好気性バクテリア(酸素大好き!)』と『嫌気性バクテリア(酸素嫌い!)』の2種類がいます。

好気性バクテリアは、熱帯魚の糞などから発生する有害なアンモニアを亜硝酸(有害)→硝酸塩(比較的無害)へと分解してくれる役割を果たしてくれます。

また、嫌気性バクテリアは、その発生した硝酸塩(比較的無害)を無害な窒素に分解してくれます(脱窒)。※水槽内で脱窒を再現することはほぼ不可能なので、ここでは無視します。

上記の通り夏場は酸欠状態になりやすいため、酸素が大好きな好気性バクテリアの活動は当然のごとく鈍る、というわけです。

活動を低下させないためには何をすべきか?

酸欠を防ぐ方法とほぼ同じです。

・エアレーションを強くする

・飼育する匹数を減らす

水槽を大きくする

・当たり前ですが、水温を下げる(下げ方は後述)

・ろ過材をむやみに洗わない

→どうしても洗いたいときは飼育水で洗ってください。水道水で洗うとバクテリアが死んでしまいます。

・砂利を取り出して水道水で洗うとかもやらない

→水換えの時に、水作 プロホースとかで砂利の中の汚れを吸い出すだけで十分です。これも同じくせっかく砂利内で繁殖したバクテリアが死んでしまいます。

・よほど環境が悪化していない限り全換水とかやらない

→バクテリアがいなくなってしまいますし、水質も急変するので、特別な事情が無ければしない方がいいです。

 

とかを意識してみてください。下の三つは夏場とか関係なく注意しないといけないところです。

 

残った餌は早めに取り除く

餌が残ると腐ります。夏場は特に腐りやすいので注意しましょう。

また当然ですが、「餌をあげすぎない」「餌が残っていたらすぐに取り除く」を夏場はより意識する必要があります。

 

腐った水草も早めに取り除く

水草も腐りやすくなります。大きな理由としては、水温が上がると酸素と同じように水中の二酸化炭素量が減り、水草の光合成量が減ってしまうためです。

これは水換えを頻繁に行うか、後述の水温を下げる以外に有効な対応策はあまりなかと思います。

あと、これは解決につながるものではないですが、水質の悪化を防ぐために水草の腐った部分は早めに取り除いてあげてくださいね。

 

夏場に旅行に行く場合の対策は?

夏と言えば夏休み、夏休みと言えば旅行ですよね。でもこんなに暑いと出かけるとやっぱり不安ですよね。夏の旅行対策については、詳しくはこちら【夏に旅行に行ったときに金魚の水槽はどうすればいいの?】に書いてます。金魚についての記事ですが、熱帯魚でも同じです。

ざっくり要約すると、

・『旅行行ってるときに餌食べられなくてかわいそうだからいつもよりたくさん餌をあげよう』はやめてください(だいたいの熱帯魚は数日くらいは食べなくても大丈夫です。)

 

・上記の水温を上げないための水温管理を実行

→日々の様子を観察できないので、できれば部屋のクーラーは付けっぱなしor水槽用のクーラーを使用したほうがいい。

 

・2泊3日くらいなら上記の内容を実施してもらえれば多分大丈夫。それを超えるならだれかに世話を頼んだ方が無難。

 

ちなみに私の体験談ですが、1週間くらいまるまる家を空けたことも何度かありますが、60㎝以上の水槽であれば、特に問題なかったです。ただ、30㎝キューブ水槽で飼育していたときはダメでした(バーミーズレッドフィンスネークヘッドはそれで☆になってしまいました・・・)。

 

まとめ

いろいろ書きましたが、個人的には、60cm水槽以上のサイズのもので飼育し、餌を控えめにすれば、普段の管理については問題ないかと思います。