熱帯魚の中でも小さくて可愛らしく、しかも飼育も容易なので、人気の高い「コリドラス」。ただ、飼育が簡単なゆえに、水換えをさぼってしまい飼育環境が悪化すると意外といろいろな病気にかかってしまいます。
この記事では、コリドラスがかかりやすい代表的な病気の原因や治療法だけでなく、どうすれば予防できるかまで解説していきます。
コリドラスのかかりやすい病気の症状、原因、治療法について
以下で、コリドラスのかかりやすい病気について解説しますが、大前提として、コリドラス含むナマズの仲間は魚病薬に弱いです。なので明らかに重症でなければ①2,3日かけて水温を2~3℃上げる②塩分濃度が0.5%になる様に塩を入れる③毎日1/5~1/4の水換えをする④いつもよりも多めに餌を与える(食べ残さない程度)、という対応で自然治癒を狙いましょう。
それでも完治しない場合でも、魚病薬は通常の使用量の1/3~1/2程度の濃度で抑えた方が無難かと思います。
白点病
・症状
体表・ヒレ・鰓などに、小さな白い粒(塩粒のような斑点)が現れます。もしそのような粒が見られなかったとしても、コリドラスが底床やレイアウトに体をこすりつけるおような仕草を見せた場合は白点病を疑います。
・原因
白点虫の寄生によって起こります。水温の急激な変化(特に25℃以下になると発病しやすいです)、その他環境の急激な変化によるストレスで抵抗力が弱まることで発症したり、外部から新たな魚を導入した時に、白点虫も一緒に水槽内に持ち込まれることによって発症することが多いです。また、コリドラス特有の習性として、底床を触ひげで探る習性があるため、底床の状態が悪化していたりすると、それが原因としてストレスがかかり、発症の引き金となる可能性があります。
・治療法
まずはこの項目の冒頭で書いた通り、自然治癒を狙いましょう。それがダメだった場合、水槽の1/3~1/2の水換えを行い、白点虫を追い出します。その後、グリーンFリキッド、グリーンFクリアー、アグテン(魚病薬の中でも強い薬なので注意!重症の時だけ!) などを規定量の1/3~1/2投入して薬浴します。
カラムナリス症(尾腐れ病、口腐れ病等)
・症状
初期段階では、尾びれの先や口周りが白く濁り、そこが赤く充血します。また、症状が進行するとヒレ溶ける、口の形が崩れる、などの症状が現れます。
・原因
フラボバクテリウム カラムナーレ(カラムナリス菌)とよばれる病原細菌の感染によっは起こります。それがヒレに感染した場合は尾腐れ病に、口に感染した場合は口腐れ病となります。
カラムナリス菌は水槽内にいつもいる常在菌であり、すべて駆除することは不可能です。感染する原因としては、水質の悪化、輸送や網によるスレ傷により粘膜液の分泌が低下し、感染することが挙げられます。また、すでにカラムナリス菌に感染されている魚が外部から持ち込まれたときにも感染しやすいです。
特にコリドラスはずっと底の方にいるので、底床の環境の悪化によるダメージをダイレクトに受けてまいます。
また、この病気は重症化すると治癒が困難になる場合が多いので、早期発見、早期治療が大切です。
・治療法
まずはこの項目の冒頭で書いた通り、自然治癒を狙いましょう。それがダメだった場合、飼育水を1/2程度取替え、観パラD、グリーンFゴールド 顆粒、エルバージュエース等を規定量の1/3~1/2投入して薬浴します。
ただしエルバージュエースは本当に強いので、基本的に使用しない方向がいいかと思います。薬に弱いコリドラスにとっては、投薬量を間違えるとそれが原因でより衰弱することもありますので使用する際には慎重に。
加えて、規定量でも飼育水10リットル当たりに0.1gときわめて少量ですので、大型水槽以外では非常に使いづらいと思われます。
エロモナス症(松かさ病、穴あき病等)
・症状
松ぼっくりのように鱗が立ったり(松かさ病)、鱗の一部がはがれ落ち、筋肉部分が露出してしまう(穴あき病)という症状が現れます。コリドラスはいつも底の方にいるので、体の裏側や腹びれ付近をよく観察すると症状を見つけやすいです。
・原因
エロモナス ハイドロフィラとよばれる病原細菌の感染によって引き起こされる病気です。カラムナリス菌と同様に、水槽内にいつもいる常在菌であり、すべて駆除することは不可能です。感染する原因としては、水質の悪化、輸送や網によるスレ傷により粘膜液の分泌が低下し、感染することが挙げられます。
重症化すると治癒が困難になる場合が多いので、早期発見、早期治療が大切です。
・治療法
まずはこの項目の冒頭で書いた通り、自然治癒を狙いましょう。それがダメだった場合、飼育水を1/2程度取替え、観パラD、グリーンFゴールドリキッド、エルバージュエース等を規定量の1/3~1/2投入して薬浴します。
ただしエルバージュエースは本当に強いので、基本的に使用しない方向がいいかと思います。薬に弱いコリドラスにとっては、投薬量を間違えるとそれが原因でより衰弱することもありますので使用する際には慎重に。
加えて、規定量でも飼育水10リットル当たりに0.1gときわめて少量ですので、大型水槽以外では非常に使いづらいと思われます。
ポップアイ
・症状
片目または両目が異常に飛び出して見え、白濁や腫れを伴うこともあります。
・原因
水質の悪化、細菌感染(上記、エロモナス菌等)、物理的な衝突等によるスレ、ガス過飽和(鰓を通して血液中に入り込んだ酸素、や窒素等気泡として体内に蓄積されること)による眼球周辺での気泡の蓄積、免疫低下等、複数の要因が考えられますので、原因を一つに特定するのは難しいです。
・治療法
とりあえず尖った石・粗い砂利等を使用している場合は取り除き、エアレーションが強すぎる用であれば少し弱めつつ冒頭に書いた内容で自然治癒を狙います。
それがダメだった場合は上記エロモナス症の治療法を試してみます。飼育水を1/2程度取替え、観パラD、グリーンFゴールドリキッド、エルバージュエース等を規定量の1/3~1/2投入して薬浴してください。
病気の予防法について
病気の予防法について重要なことは非常にシンプルです。まずはコリドラスに合う環境を整備し、毎日観察し、定期的な水換えを行うこと、それだけです。
環境整備について、青コリ、赤コリ、白コリについて書いた記事がありますので、こちらご参考ください(これら以外のコリドラスにそのまま適用できない場合もあるので、飼育方法については必ず種類別に自分でも確認してくださいね。)。
青コリ(コリドラス・パレアタス)の飼育方法を解説します(餌、水質、水温等) - ABYの熱帯魚図鑑
白コリ(コリドラス・アエネウスアルビノ)の飼育方法を解説します(餌、水質、水温等) - ABYの熱帯魚図鑑
赤コリ(コリドラス・アエネウス)の飼育方法を解説します(餌、水質、水温等) - ABYの熱帯魚図鑑
また、コリドラスに限らず、一般的な病気の予防法については、魚の病気の予防法を学ぶ で詳しく書いているので、こちらもご参考ください。
