ウーパールーパーのかかりやすい病気、その症状・原因・治療法・予防策についてまとめました。
ぜひぜひ、ウーパールーパーの病気の治療、予防の参考にしてみてください。
【大前提】観賞魚用の薬は使用しない
ウーパールーパーは魚病薬に対しての反応が、観賞魚と比較すると非常にデリケートなので、原則、観賞魚用の薬は使用しない方がいいかと思います。
規定量の10分の1程度にして使用する方もいますが、それによってより状態を崩すケースもありますので、個人的にはおすすめできません。早めに動物病院に連れて行ったほうがいいかと思います。
ウーパールーパーがかかりやすい病気と治療法まとめ
水カビ病
・症状
白っぽい綿のような菌糸のかたまりが皮膚の表面に付着します。
傷口から菌が繁殖することで、体にカビが生えてしまう病気です。白い綿のようなものが付いている場合に、水カビ病が疑われます。
・原因
スレなどにより傷口ができ、傷口にミズカビ科に属する真菌が繁殖することで発症します。水質が悪化している環境で発生しやすい病気です。重症化すると治療が困難なので、早期発見早期治療が重要です。
・治療法
複数飼育をしている場合は、水カビ病になってしまった個体を別水槽に移します。
・真菌は10~18℃の範囲でよく発育しますが、20℃以上になると発育が抑制されるので、20℃程度まで水温を上げます。
・カビ部分をピンセットで取り除く
・こまめに水換えを行う
・塩分濃度が0.1~0.2%程度になるよう塩浴を行う
上記で治らない場合は、獣医師に相談しましょう。
・予防法
水が清潔な状態であればかかる可能性は極めて低い病気なので、適切なフィルター(ろ過器)を使用した上で1週間に1回、全体の1/3程度の水換えは怠らないようにしましょう。
適切なフィルターがよく分からない場合は、上部フィルターを使用すればまあ間違いないでしょう。ただ、やや水流が強いので、水の排出口を水槽の壁面に向けるなどして対策が必要です。
また、せっかくフィルターを設置していてもろ過槽(ろ過材とかマットとかを入れているところ)が汚れていては意味がないので、こちらも定期的にメンテナンスしてあげましょう。
ぷかぷか病
・症状
その名の通り、中に潜ることができずに水面にぷかぷか浮いてしまう病気です。浮遊病とも呼ばれます。最初はぷかぷか浮いているだけで体は水平に保っていますが、重症化するとその水平が保てなくなり、身体がひっくり返ってしまいます。
そうなるとエサを食べることができなくなり、また身体を戻そうと体力も消耗するため最終的には衰弱して死亡してしまいます。
特に小さい個体はぷかぷか病になりやすく、体力も少なく絶食にも弱いため、身体がひっくり返るまで重症化すると死亡する可能性がかなり高くなってしまいます。
・原因
古い餌の摂取等により、胃や腸内にガスが発生してしまうことが原因で発症します。また、人工飼料の場合、古くなかったとしても、人工飼料のつなぎとして使用されている小麦粉やでんぷん等が発酵し、ガスがたまりやすくなる傾向があります。
・治療法
人工飼料を与えている場合、初期症状であれば、ガスが溜まりにく冷凍赤虫などに餌を切り替えることで改善することがあります。これで改善されない場合はすぐに動物病院まで連れていきましょう。
・予防法
上記の通り、小さい個体の場合、ぷかぷか病になりやすいので、ある程度の大きさになるまでは人工飼料を使用を控えめにし、冷凍赤虫等の生餌をメインに与えたほうがいいでしょう(冷凍赤虫だけだと栄養が偏ってしまうので、ある程度は人工飼料を混ぜた方がいいと思います。)。
腹水病
・症状
お腹に水が溜まってしまい、どんどん体が膨れ上がってしまい、ぷかぷか病とは逆で、水底から浮かんでこなくなる病気です。重症化すると、腹部を中心に体全体が大きく膨れ上がります。
・原因
細菌、ウィルス感染、内臓の異常、代謝疾患などです。臓や腎臓、肝臓などの内臓疾患、体腔内の腫瘍などが挙げられます。
・治療法
家庭での治療は困難なので、すぐに近くの動物病院に連れていきましょう。
・予防法
原因を特定するのが難しいので、予防法のコレ!と断言するのは難しいですが、色々調べると、定期的に水換えを行い、水を清潔に保つことで予防できる可能性は上がりそうです。
尾ぐされ病
・症状
その名の通り尻尾が溶けていく細菌性の感染症です。金魚や熱帯魚がかかる病気というイメージですが、ウーパールーパーも発症する可能性はあります。
・原因
フラボバクテリウム カラムナーレ(カラムナリス菌)とよばれる病原細菌の感染によって尾ぐされ病は起こります。カラムナリス菌は水槽内にいつもいる常在菌であり、すべて駆除することは不可能です。感染する原因としては、水質の悪化、輸送や網によるスレ傷により粘膜液の分泌が低下し、感染することが挙げられます。
・治療法
まずは半分程度水換えを行い、塩分濃度が0.1~0.2%程度(最大0.5%程度)になるよう塩浴を行いましょう。1,2週間様子をみて改善の兆しが見られないようであれば、動物病院に連れていきましょう。
・予防法
水を清潔に保ち、導入時には網によるスレに注意しましょう。
レッドレッグ症候群
・症状
しっぽ全体が赤みを帯びて充血し赤く見えたり、外鰓が短くなったり、急に暴れたりします。発症すると治療が困難であるため、下記の原因、予防法を確認して発症させないことが大切です。
・原因
エロモナス菌が関与している場合が多いですが、他の様々な細菌によっても同様の症状が引き起こされます。水換えをさぼってしまう等して飼育環境が悪化し、ウーパールーパーの免疫力が下がってしまうと発症することがあります。
・治療法
まずは半分程度水換えを行い、塩分濃度が0.1~0.2%程度(最大0.5%程度)になるよう塩浴を行いましょう。1,2週間様子をみて改善の兆しが見られないようであれば、動物病院に連れていきましょう。
・予防法
カラムナリス菌同様に、水槽内にいつもいる常在菌ですが、上記の通り、飼育環境の悪化により、発症してしまうことがあります。野生下ではほどんど報告のない病気らしいので、定期的に水換えを行う、残った餌をこまめに取り除くなどして飼育環境を整えてあげることで予防できる可能性の高い病気です。
まとめ
定期的な水換え、毎日しっかり観察することにより早期発見、早期治療を行うことが大切です。