アクアリウムが癒し効果を持っていたり、ストレスを解消させる効果があるらしいという話はテレビなどで聞いたことがあるかもしれません。
でも、それってどんな実験が基になっているのか、そもそも実験とかしているのか?という疑問を持っている方もいると思います。
なのでこの記事では、どういった実験で、どのような効果があったのかを具体的にまとめました。怪しい実験もちらほらあったので、それらは除いて、しっかりとアクアリウムのポジティブ効果を示せるような実験をピックアップして載せました。
この記事を読むことで、下記のようなアクアリウムによるポジティブな効果についてより詳しく知ることができます。
・癒し効果
・疲労減少効果
・脳の活性化
また、実際にこれらを生かすためにどのように現場に導入されているかも書いています。
アクアリウムって癒す効果はあるの?
2つの実験を紹介します。脳内の変化と唾液アミラーゼ活性を調べる研究なので、信ぴょう性は高いと思います。
脳内のδ波長の変化を観察する実験
アクアリウムを見ることで脳内にどのような変化があるのかを調べるために
①目を閉じていた人
②ホワイトボードを眺めていた人
③ただ水槽を眺めてもらた人
この3パターンに分かれてもらって、脳内の変化を測定した実験があります。
結果、③⇒②⇒①の順で、前頭葉からδ波が強く現れているということが示されました。
δ波が現れているということはリラックスしている≒癒されている、ということを示しているので、アクアリムによって人間は癒しを感じるということが示唆されました。
ストレス度合いを示す唾液アミラーゼの計測を行う実験
被験者にパソコンで英文のタイピング作業を行ってもらい、そのごアクアリウムがある空間にいた群と、アクアリウムがない空間にいた群とで唾液アミラーゼ量の比較をを行った実験があります。
結果、アクアリウムがある空間にいた群の方が優位に唾液アミラーゼ活性が低くなったという結果が出ました。
つまり、アクアリウムによってストレス値が下がるということが明らかになりました。
例えば会社や学校などでも、ストレスがかかった作業の後にアクアリウムを眺めることで癒し効果を得られることが示唆されました。
アクアリウムの疲労減少効果について
アンケートによる実験なので、その被験者の感想になってしまいますが、アクアリウムの有無について結果に大きな差が出ていたので、紹介します。
アクアリウムがある環境とない環境で爽快感と疲労感の調査を30名の学生に行ったという実験です。
爽快感に関しては、アクアリウムがある環境にいた人たちの方が、約1.5倍高い数値を示しました。
また、疲労感に関しては、なんと、アクアリウムがある環境にいた人たちの方が、約3.7倍疲労感の減少を感じたそうです。
たしかに単なる感想ではありますが、【爽快感】とか【疲労感】って本人たちがどう感じるかが一番大切ですよね(笑)
そういった意味で大きな差が出たので、これもアクアリウムの一つのポジティブな効果と言えそうです。
脳の活性化にもつながる
2つの実験を紹介します。1つは脳内ヘモグロビンの変化を調べる実験で、しっかりと変化も確認できたので信ぴょう性はあると思いますが、もう一つの方が観察実験で、若干こじつけた感もありますが、まあそこは読者の判断におまかせします。
脳内ヘモグロビン量の変化を調べる実験
アクアリウムを見ることで脳にどのような変化が起こるかについて調べるための実験です。
意見者に以下のような行動をとってもらいました。
①ただアクアリウムを見てもらう
②アクアリウムを見ながら、魚の口の開閉の回数を係数するなど、魚のある行動を記録してもらう
③さらにその記録を報告してもらう
という3パターンに分けて脳内の様子を調べました。
結果、③⇒②⇒①の順で脳の活性化を示す脳内ヘモグロビンの量が増加したそうです。
つまり、魚の行動を深く観察すると脳は活性化するし、それを報告するとより活性化するということが分かりました。
高齢者施設での観察実験
高齢者施設で、本物の水槽とモニターに映した疑似水槽を交互に設置し、その間 の施設利用者の行動をビデオにより観察した実験です。
結果、疑似水槽を設置した期間の対象者に比べ、実際の水槽を設置した期間の対象者の方が約3倍も水槽を見る時間が多くなることが判明しました。
つまり、実際の水槽を見ることでより好奇心が高まるということが示唆されました。また、高齢者の趣味・生きがいとしてのアクアリウムが役立つということも言えるかもしれません。
また、これは僕の考察ですが、水槽を見る時間が増えることで、無意識的に魚の行動(口の開閉)などを観察することになり、脳内ヘモグロビンの値が上昇し、より脳の活性化につながるのではないかなと思います。
アクアリウムの導入例
以上のことから、アクアリウムを実際の生活に導入することで、さまざまなメリットがあることが分かりました。
これらを基にしたアクアリウムの導入例に関して考えたいと思います。
高齢者施設
これはアクアリウムのは脳内の活性化につながると示唆されているため、認知症の予防などにも期待できます。
また、趣味・生きがいとしてのアクアリウムという立ち位置もあるでしょう。
実際海外の高齢者施設では積極的にアクアリウムが導入されているようです。
学校の保健室
これに関しては実際に水槽を設置している高校にインタビューしている事例があったので紹介します。
あくまでインタビューなので、しっかりとした研究とは少し違うのですが、心理状態が不安定なときにアクアリウムを眺めることで癒されて、気分が落ち着くと答えてくれたそうです。
また、これは養護教諭側からの意見ですが、あまりコミュニケーションを取りづらい生徒さんとの会話の導入としてアクアリウムを用いるとスムーズに会話ができるのでとても助かっているとのことです。
アクアリウムのポジティブ効果まとめ
まとめると、アクアリウムを導入することによって
・癒し効果
・疲労減少効果
・脳の活性化
だけでなく、高齢者にとってはそのまま生きがいになったり、またコミュニケーションの潤滑油としてもアクアリウムは役立ちそうです。
・・・とまあいろいろ書きましたが、アクアリウムに関する研究を調べていて、正直、個人的には「まだまだ研究は進んでいないなあ」という感想です。
本格的な実験はまだまだ少なく、また「アクアリウム=癒し効果がある」をいう事を言いたいがために、実験の結論を無理やり癒しに結び付けてるという印象のものが多かったです。
今回の記事ではその中でもしっかりとしたデータがあるものをピックアップして載せさせていただきました。
また、今回の記事を書くにあたって、【月刊アクアライフ 2019年 02 月号 [雑誌]】と
【熱帯魚 観賞魚 アクアリウム用品 癒しの効果 観賞魚で癒されよう】を参考にさせていただきました。
これを読んでアクアリウムに興味を持ち、自分の部屋に導入してみたい、と思った方は、ぜひこちら【【初心者向け】熱帯魚飼育に必要なものは? 】とこちら【熱帯魚飼育に関する基礎知識まとめ 】を読んでいただければと思います。