らんちゅうと言うと、その見た目から【飼育するの難しそう・・・】とか【特別な設備が必要なんでしょ?】と思われる方も多いかもしれません。
確かに初心者の方に一番におすすめできる種類ではないですが、コツさえつかめばそこまで飼育が難しい種類ではないです。
なので今回はらんちゅうを飼育する上でのコツだったり必要な設備などを解説していきたいと思います。
それでもやっぱり初心者向きの金魚を飼育したいという場合は【初心者でも飼育できる金魚は?金魚の種類と特徴の飼育難易度別まとめ 】から初心者向きの金魚を選んでいただければと思います。
- どこで販売されているの?
- 飼育は難しいの?
- 寿命は?
- 大きさはどれくらい?
- 適切な飼育容器は水槽?タライ?トロ舟?睡蓮鉢?
- 適切な飼育数は?
- 野外飼育は可能?ヒーターは必要?
- 餌はなにをあげればいいの?
- 混泳は可能?
- おすすめのフィルターは?
- どんなレイアウトにすればいい?
- 肉瘤を大きくするためにはどうすればいいの?
- かかりやすい病気は?
- らんちゅうを飼育するのに必要な設備は?
どこで販売されているの?
ホームセンターのペットコーナーみたいな、売り場面積が小さいようなところではもしかしたら販売されてないかもですが、ある程度の大きさのペットショップの魚コーナーや、熱帯魚ショップではほぼ間違いなく販売されていると思います。
もし近くにそういったショップが無くてもcharmなどのネットショップを使えば容易に入手可能です。
価格は、産地などにこだわらなければ1匹1000円前後~販売されています。
飼育は難しいの?
さきほども少し触れたように、初心者向きと言える種類ではないですが、そこまで難しくはないです。金魚の中の飼育難易度で言うと【普通】くらいです。雑に飼育しても大丈夫!とは言えないですが、適切な設備で、正しく定期的なメンテナンスができれば問題なく飼育できるレベルです。
普通に飼育するぶんには特別な設備は必要なく、普通の金魚と同じ設備で飼育可能です。
寿命は?
適切な環境で飼育していれば5年以上は生きます。
大きさはどれくらい?
15~20㎝くらいに成長します。手のひらサイズくらいには成長します。
適切な飼育容器は水槽?タライ?トロ舟?睡蓮鉢?
これが適切!というのは特にないです。最終的には好みになると思いますが、簡単に言うと【上から見たいのか】【横から見たいのか】によって使用する飼育容器が異なります。
一般的にはらんちゅうは上から見たときに綺麗に見えるように作られているので、普通のガラスの水槽ではなく上から見られるような容器で飼育される方が多いです。
ただ最近では普通の水槽で飼育されているかたも増えてきているので両方のパターンで解説します。
上から観賞したい方は?
特にらんちゅう好きな方はFRP水槽といって、簡単に言うと超大きなタライのような水槽で飼育される方が多いです。FRP水槽↓
ただ、こちらは値段も張りますし、かなり広い飼育スペースを必要をするので初めてらんちゅうを飼育する方にとっては現実的ではないかもしれません。
【でもやっぱりらんちゅうは上から見たい!】という方は、外で飼育することが前提になりますが、トロ舟とかタライがいいかと思います。
違いとしては、トロ舟の方が水深が浅くタライのほうが水深は深いです。よって同じ水量であればトロ船の方がより広いスペースを必要とします。また冬場は、地域によっては水深が浅いトロ舟だと水槽の水全体が凍ってしまうリスクがあります。強度はトロ舟>タライです。また、価格はトロ舟の方が高いです。
なので難しいところですが、そこまで寒くない地域で、気軽にらんちゅう飼育を始めたいという方は最初はタライから始めてみてもいいのではないでしょうか。
ちなみに睡蓮鉢は水量が圧倒的に少ないのでおすすめできません。
横から見たい方は?
横から見たい方は当然ですが一般的なガラス水槽をおすすめします。60㎝規格水槽で3~4匹、多くても5匹くらいに抑えたほうが余裕をもって飼育できます。
また、らんちゅう水槽という浅めに作られている水槽も売られていますが、普通の熱帯魚を飼育するような水槽の方が水量が多いのでおすすめです。
なぜらんちゅう水槽の水深が浅いのかというと、水深を浅くすることで水圧がかかりづらし、らんちゅう特有の肉瘤を発達させやすくするということが挙げられます。ただ、肉瘤を本気で大きくしたいの出ればFRP水槽を使用して飼育すべきだし、そもそも品評会に出そう!と思っている方でなければそこまで気にする必要もないと思うので、であれば水量が多く水質も安定しやすい規格水槽を使用することをおすすめします。
上からでも横からでもどっちでもいい方は?
どっちでもいいという方はガラス水槽の方がいろいろと扱いやすいので、特にこだわりが無いのであればガラス水槽を選ぶ方がいいでしょう。
使用できるろ過器のバリエーションも豊富です。
適切な飼育数は?
らんちゅうだけでなく、金魚はだいたいよく食べよく水を汚すので、15Lに対して1匹の割合くらいで飼育すると余裕をもって飼育できると思います。なのでもし飼育する容器の水量が60Lだったら60÷15=4で4匹くらいが目安になります。
※あくまで目安なので、実際の飼育の様子などを見て必要であれば飼育容器を大きくするなどして対応しましょう。
野外飼育は可能?ヒーターは必要?
低温にも耐えられるので基本的に野外飼育の越冬も可能ですが、ただ水深が浅すぎるとその水と一緒に金魚も凍ってしまう可能性があります。
なので野外飼育をする場合は最低でも30㎝くらいの水深がある水槽・トロ舟・タライを用意しましょう。
また冬場は水温の低下により活性が下がり餌の量の調整が難しかったり、病気にかかりやすくなったりするので、初心者の方は金魚元気 オートヒーターなどで水温を一定に保つのもありかもしれません。
ちなみに30㎝水槽であれば80~100w、45㎝水槽であれば100~150w、60㎝水槽であれば150~200wが目安になります。詳しくは商品説明欄をご覧ください。
ただ、飼育はしやすくなる一方で寿命が短くなったり、季節感がなくなり繁殖ができなくなる可能性があるので、そこらへんは十分考慮に入れた上で判断してもらえればと思います。
【参考記事】
餌はなにをあげればいいの?
こちらに関しては普通の金魚用の餌を与えれば問題ありません。迷ったら、キョーリン ランチュウベビーゴールドというらんちゅう専用の餌が販売されており、一応肉瘤を大きくする作用もある(結構遺伝による要素が大きいので気休め程度ですが)ようなのでこちらを与えるといいでしょう。
混泳は可能?
らんちゅうは動きが遅いので、基本的にはらんちゅう同士のみの混泳が望ましいです。もしくは江戸錦など、らんちゅう型の金魚との混泳であれば大丈夫です。
おすすめのフィルターは?
フィルターに関しては、使用する飼育容器によって変える必要があります。また強い水流を嫌うので、水流が強いフィルターはその水の排出口を水槽の壁面に向けるなどして水流を弱める必要があります。
◆タライ、トロ舟の場合
⇒水作エイトなどの投げ込み式のフィルターを入れるのが基本
◆ガラス水槽の場合
⇒上部フィルター、外部式フィルター、底面フィルター等、選択肢は様々
タライ、トロ舟の場合は投げ込みフィルターを入れることが多いですが、総じてそこまでろ過力がそこまで高くないので水換えでその低いろ過力をカバーするしかないでしょう。
上記のように、ガラス水槽の方が使用できるフィルターのレパートリーが多いです。
上部フィルターはろ過能力が大きく、メンテナンスも楽なのでおすすめです。
外部式フィルター、底面フィルターはろ過能力は高く、見た目もすっきりしますが、メンテナンスがめんどくさいので初心者の方には向かないです。
なので結論、迷ったら【ガラス水槽】で【上部フィルター】を使用するのがおすすめです。
どんなレイアウトにすればいい?
まず砂利に関してですが、単純に飼育することが目的であれば入れなくても大丈夫です。
ただ、入れてあげた方が水槽全体の見た目がいいですし、何よりらんちゅうの体色よりはっきりでます。また水槽内のごみも舞い上がりづらいので僕は砂利を入れる派です。
入れる砂利は何でもいいですが、初心者の方は砂のような粒が細かいものではなく、比較的粒が大きめの砂利を選んだ方が管理がしやすいです。金魚の砂利のような金魚用の砂利も売られているので、そこら辺を購入すれば問題ないでしょう。
また岩・流木なども入れても入れなくても大丈夫です。入れたら見た目は綺麗になりますが、掃除がめんどくさくなります。どっちを取るかです。ただ、流木に関しては水の色が黄色くなる可能性があるので、アク抜き済みのものを購入した方が無難かと思います。
水草に関しても入れても入れなくてもどっちでもいいのですが、これも見た目の問題で、やはり入れてあげた方が雰囲気がでます。
ただマツモやアナカリス、カボンバといったいわゆる金魚藻に関しては、ほとんどの確率で餌となるので、消耗品だと割り切っていれるか、もしくは葉が硬いアヌビアスナナを流木か何かに活着させて入れてあげるといいと思います。
肉瘤を大きくするためにはどうすればいいの?
これに関してはほぼ遺伝です。人間のIQと同じようなもので、後天的に鍛えるのは難しいとされています。
ただこれは効果があるんじゃないの?というのは一応あるので下記に乗せておきます
・水深を浅くする
⇒水深を浅くすることで水圧がかかりづらし、肉瘤が発達しやすくなります
・肉瘤を発達させるらんちゅう用の餌を与える
⇒たんぱく質が豊富に含まれていることが多いので、それによって肉瘤を発達させます。また冷凍赤虫など栄養価が高い餌を与えるのも効果的です
・広い水槽で飼育する
⇒飼育容器の壁面に肉瘤をぶつけることが少なくなる
かかりやすい病気は?
僕がショップで働いていた時によく金魚がかかっていた病気第1位が白点病、第2位が尾ぐされ病(カラムナリス症)、第3位が松かさ病(エロモナス症)、第4位が転覆病です。 対処法を以下に書きます。
白点病
まず、水槽の1/3~1/2の水換えを行い、白点虫を追い出します。 その後、ニューグリーンF、アグデン、グリーンFリキッド、グリーンFクリアーなどを投入して薬浴します。水草が入っていないのであればグリーンFリキッドもいいと思います。 上記に加えて0.5%程度の濃度での塩浴(食塩を水槽に入れること)も効果的です。
尾ぐされ病(カラムナリス症)
飼育水を1/2程度換え、グリーンFゴールドなどの尾ぐされ病治療用の薬を投薬します。 記に加えて0.5%程度の濃度での塩浴(食塩を水槽に入れること)も効果的です。
松かさ病(エロモナス症)
飼育水を1/2程度換え、グリーンFゴールドなどの松カサ病用の治療用の薬を投薬します。 記に加えて0.5%程度の濃度での塩浴(食塩を水槽に入れること)も効果的です。 この病気は進行が進むと治療が困難なので早期発見・早期治療が大切です。
転覆病
原因・治療法がはっきり分かっていない病気です。初期段階であれば大幅な減食・25℃程度の加温・0.5%程度の塩浴で治る可能性があります。 餌の与えすぎによる浮き袋の圧迫により起こるともいわれているので、まずは餌の与えすぎに注意しましょう。
らんちゅうを飼育するのに必要な設備は?
ここまで記事を読んでみて、らんちゅうを飼育したい!でも何を用意すればいいのかよくわからない、と思った方も多いかもしれません。そこで最後にらんちゅうを飼育するのに必要な用品をまとめます(ガラス水槽を使用する場合を想定してます)。
ざっくり以下のものが必要になります。
・水槽
・水槽台
・ろ過器
・ライト
・水温計
・砂利
・餌
・アミ
・水替え用のホース
・カルキ抜き等の水質調整剤
・(必要なら)水草
・(必要なら)ヒーター
また上の商品について【金魚の飼育にかかる用品とか費用とかまとめました 】で、値段も含めてより詳しく解説しているのでよかったらご参考ください。