60㎝水槽で飼育できる匹数って、なんかサイトごとに書かれている数が違いません?
まあ相手が生き物なのではっきりとした指標が無くて当然なのですが、それだと「結局何匹飼えるんだよ?」というところがはっきりしてこないと思います。
なので、本記事では、余裕をもって60㎝水槽で飼育できる匹数と60㎝水槽で飼育できるぎりぎりの匹数を両方算出しています。
本記事を読むと
◆余裕をもって60㎝水槽で飼育できる匹数と60㎝水槽で飼育できるぎりぎりの匹数
◆過密状態のサイン
◆過密状態になった場合の対応
などがわかります。
60㎝水槽で飼育できる匹数は?
【60㎝水槽のサイズ・水量・重さ・必要なフィルター・ヒーター等】でもご説明させていただきましたが、目安としては、2Lに対してネオンテトラ1匹という感じです。
上記を基準にほかの魚についても考えていきます。考え方としては、ネオンテトラを基準に考えて餌をどれくらい食べるか、です。
代表的なところでいうと・・・
・グッピーなど、最大サイズが5㎝程度の種類⇒ 2Lで1匹
・オスフロ以外のグラミー⇒10Lで1匹
・金魚(琉金など、最大サイズが10㎝前後の金魚)⇒20Lで1匹
・エンゼルフィッシュ⇒30Lで1匹
・ディスカス⇒40Lで1匹
ですね。これを基にお話していきます。
余裕をもって60㎝水槽で飼育できる匹数
・ネオンテトラ⇒約30匹
・グッピー⇒約30匹
・オスフロ以外のグラミー⇒約6匹
・金魚(琉金など、最大サイズが10㎝前後の金魚)⇒約3匹
・エンゼルフィッシュ⇒約2匹
・ディスカス⇒約1匹(ただ、終生飼育は無理なので、最終的には90㎝水槽に移行する必要があります)
上記はあくまである程度余裕をもって飼育できる匹数を表しているので、上部フィルターなど、ろ過力の大きいフィルターを使用し、管理を上手く行えば、1.5~2倍くらいの匹数は飼育できます。
詳しくは以下に書きます。
60㎝水槽で飼育できるぎりぎりの匹数
・ネオンテトラ⇒約60匹
・グッピー⇒約60匹
・オスフロ以外のグラミー⇒約12匹
・・金魚(琉金など、最大サイズが10㎝前後の金魚)⇒約5~6匹
・エンゼルフィッシュ⇒約3~4匹
・ディスカス⇒約2匹(ただ、終生飼育は無理なので、最終的には90㎝水槽に移行する必要があります)
ただ、初心者の方は上記の数よりも少ない匹数で飼育を開始することをおすすめします。1匹1匹に目が届きやすくなりますし、なにより水質が悪化しにくくなります。
また、ぎりぎりの匹数で飼育していて、かつ管理が上手くいっていないと過密状態を表すサインが出てくることがあります。
過密状態のサインとは?
・飼育している魚が水面でいつも口をパクパクしている
⇒酸欠状態の可能性があります
・水が常に白く濁っている
⇒白濁りは分解されない有機物(フンや残餌)が原因。つまりろ過バクテリアの分解が追い付いていない状態です。
・なんか変なにおいがする
⇒白濁りと同じ理由です。ろ過バクテリアの分解が追い付いていない状態です。
過密状態のサインが出てしまった場合の対応は?
一番簡単なのは、一番最初に書いた、2Lに対してネオンテトラ1匹という目安のルールを守って飼育することです。水槽を増やすなり、引き取ってもらうなりして匹数を減らしましょう。これを守っていただければ、よほど水替えやろ材交換をさぼらない限り上記のような過密状態のサインは出ないでしょう。
それでも、たくさん熱帯魚がいたほうが綺麗だし、いろいろな種類を飼いたいし、そもそも水槽増やせないし・・・というのが本音かと思います。
なので、過密状態のサインが出てしまったけど現状の匹数は替えたくない!でも状態よく飼いたい、という方は以下の事をしてみてください。
ろ過力の大きいフィルターに変える
例えば今使っているフィルターが60㎝水槽用の外掛けフィルターだったとします。それを一段階大きい75㎝水槽用の外掛けフィルターに変えたり、ろ過力の大きい上部or外部式フィルターに替えるだけでも違いが出てくると思います。白濁りが出る、嫌なに匂いがする、という状態だったとしても【現状よりは】改善されるはずです。
フィルターをプラスする
今使っているフィルターに加えて投げ込み式のフィルターなどをプラスで入れることでトータルでのろ過力が上がるので、上記と同じように。白濁りが出る、嫌なに匂いがする、という状態だったとしても【現状よりは】改善されるはずです。
吸着系のろ材を多めに入れ、化学ろ過に頼る
外掛けフィルター、投げ込み式フィルターの場合、そもそもメインが活性炭などの吸着系のろ材なので、これは上部or外部式フィルターを使用している人向けのアドバイスです。
上部フィルターなどのろ過力が大きいフィルターを使っていても白濁りが出たり嫌な臭いがするということは、おそらく生物ろ過では追い付かない状態かと思われます。
なので、生物ろ過はいったん諦めて、化学ろ過におまかせしましょう。具体的には活性炭、ゼオライト等の吸着系のろ材を多めに入れて、アンモニア、亜硝酸などを直接吸着してもらうかたちになります。
また、吸着系のろ材の場合、だいたい2~3週間が交換の目安になるので、それもきっちり守りましょう。
生物ろ過とか化学ろ過って何?という方はこちら【熱帯魚飼育に関する基礎知識まとめ 】で詳しく説明しているので、よかったらご一読ください。
エアレーションを行う
エアレーションを行うことで、ろ過バクテリアの繁殖と酸欠防止が期待できます。ただ、先ほども書きましたが、ろ過バクテリアによる生物ろ過では追い付かない可能性があるので、あくまで酸欠防止がメインになってきます。
水草を入れる
余分な栄養素を吸収してくれますし、また光合成も行うので酸素も出してくれます。なので水質対策と酸欠対策をいっぺんにやってのける優れものです。
ただ、環境を劇的に変えるような力はないので、あくまでサブ的なものとして利用しましょう。
またもし入れるのであれば成長速度が速いものがいいです。【成長速度が速い=たくさんの栄養分を吸収してくれる】からです。
参考までに二酸化炭素の添加が不要でかつ成長が速い水草を載せときますね↓
◆マツモ・・・成長が早くかつ丈夫。ただどうしても金魚水槽っぽいイメージになるのが若干ネック
◆アナカリス・・・マツモと同じ感じ。ただ、こちらのほうが若干デリケートな印象。
◆アマゾンソード・・・一度根付けばかなり丈夫。移動には弱いのでそこだけ注意
◆スクリューバリスネリア・・・丈夫ですが、光が弱いと、この種の魅力であるスクリューが若干弱くなってしまいます
餌やりの頻度や量を減らす
これは、そもそものアンモニアや、亜硝酸の発生する量を減らすという方法です。ただ、ネオンテトラなどは餌切れに弱かったりするので、よくお腹の状態を確認しつつ調整しましょう。
水替えの頻度を多くする
発生したアンモニア、亜硝酸を水槽外に排出するやり方です。シンプルですが一番効くと思います。現状1週間に1回1/3の水替えで白濁りが発生しているのであれば、それを週2回に増やしてみましょう。またそのときの量を1/3⇒1/2にしてもいいでしょう。
全て試して改善されなかったら・・・
現在の匹数での飼育はあきらめましょう。引き取ってもらうか、水槽を増やして分散しましょう。もしくは水槽を大きくするのも手です。
60㎝水槽で飼育できる匹数は?まとめ
いかがだったでしょうか?いま過密状態の方も、これから熱帯魚を飼育しようとしている方にも役立つ記事になっていたらうれしいです。
また、60㎝水槽で飼育できる熱帯魚として何種類かあげましたが、これ以外にも60㎝水槽だと肉食魚・古代魚も飼育可能な種類に入ってきます。
60㎝水槽で肉食魚・古代魚を飼育したいという方はこちら参考にしてください。