ABYの熱帯魚図鑑

初心者の方でも、初めて熱帯魚を飼育する方でも分かりやすくお伝えできればと思います。よろしくお願いします♪ちなみにABYとはアクアブロガーよしきの略です(´・ω・`)

鉄魚/テツギョの飼育法(餌・大きさ・適切な水槽の大きさなど)

鉄魚(テツギョ)は、フナと琉金との交雑種であると、古くからから言われていたが、1935年の松井圭一による実験によって明らかになりました。また、宮城県の魚取沼の個体は、なんと国の天然記念物にも指定されています。そんな貴重っぽい魚がなんと1000円位で買えるわけですからほんと、素晴らしいですよね(笑)。あと金魚の血が混ざっているというのもあり、尾が長く美しいのも特徴の一つです。

今回はそんな鉄魚の飼育法に関して説明します。 

 

 

どこで販売されているの?値段は?

わりとマニアックな種類なので、日本淡水魚に力を入れている熱帯魚ショップでないとなかなかお目にかかれないかもしれません。もしそういったショップが近くなければcharmなどのネット通販を利用しましょう。4~6㎝の稚魚が1000円くらいで販売されています。

 

寿命は?

10年くらいです。

 

最大サイズ・適切な水槽サイズは?

最大で30~40㎝に成長します。ただ、実際の飼育下では30㎝いかないくらいで成長は止まることが多いです。なので60㎝水槽を用意してあげれば問題ないでしょう。

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餌は?人工飼料には慣れるの?

生餌の場合は冷凍の赤虫を与えることになると思いますが、冷凍赤虫は水を汚しやすいですし、それだけだと栄養バランスが偏るので人工飼料に慣れさせた方がいいです。人工飼料の種類に関してですが、金魚用のものを与えれば問題ないです。人工飼料には慣れやすいので餌付かせるまでそこまで苦労はしないでしょう。

 

適切な水温・水質は?

水温は5~25℃くらいを好みます。夏場の高水温に注意し、30℃を超えないようにしましょう。

水質に関しては中性付近を保っていれば問題ないです。

 

越冬(冬眠)させるにはどうすればいいの?

屋外飼育であれば水温が10℃を下回った段階で餌を徐々に減らしていきます。それくらいの時期から動きが鈍くなり、冬眠状態に入ります。寒さには強いですが、水面が凍るくらいの水温になるとさすがに少し怖いので、凍ってしまった場合でもその影響を受けづらくするために飼育する水槽(容器)はなるべく水量が多く、かつ深いものを使うといいです。また水草を多めに入れるのもいいでしょう。

また、屋内飼育の場合は水温を一定に保つのが難しいので、冬眠はさせない方がいいです。なので冬眠状態にならないように金魚用ヒーターで加温して水温を一定に保つようにしましょう。このヒーターは水温を約18℃前後に保ってくれるものなので、冬眠状態になることはないですし、水温の低下によって引き起こされる白点病や水かび病などを防ぐこともできます。

 

 

おすすめの混泳相手は?

基本的に性格は温和なので、混泳はしやすいですが、あまりに混泳相手が小さいと食べてしまうので気を付けましょう。

金魚との混泳をするのであれば、コメット、朱文金など、和金型の動きが速い種類を選びましょう。

他の日本淡水魚で言うなら、どじょうフナ、ある程度の大きさのタナゴなどがおすすめです。

メダカなどはあまり小さすぎると食べられる可能性があるので、要注意です。

 

おすすめのフィルターは?

大食漢なのでろ過能力は大きめのフィルターがいいかと思います。特に理由が無ければろ過力が大きくて管理も簡単な上部フィルターがおすすめです。ただ強い水流は苦手なので、もし強い水流を嫌がっているようであれば水の排出口を水槽の壁面に向けるなどして弱めてあげましょう。

また、夏場の酸欠には弱いので、メインのフィルターに加えて水作エイトなどの投げ込みフィルターやぶくぶくをいれてエアレーションを強化してあげるといいです。

 

おすすめのレイアウトは?

どんなものでもいいと言えばいいのですが、水を汚しやすいので入り組んだレイアウトを作ると掃除が行き届かない箇所が発生する可能性があるのでおすすめしません。極力シンプルなものにしましょう。見た目をそこまで気にしないのであれば掃除しやすいように砂利も敷かないベアタンクで飼育するのもありです。

水草を入れてもいいのですが、食べられる可能性が大なので、餌と割り切るのであればいいと思います。

 

【レイアウト例】

ちょっと狭そうな気もしますけど、レイアウトするならこれくらいにシンプルにした方がいいです↓

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繁殖方法は?

charmの販売サイトに詳しくまとめられていたので転載します。

フナの仲間は繁殖期になると水草などに産卵し、金魚とほぼ同様の産卵形態を持ちます。本種は4~6月に繁殖期を向かえ10cm程度の個体は産卵可能になります。水槽内の限られたスペースでは繁殖させるのは難しく、池や大型の飼育施設が必要になります。金魚と同様に、水草やシュロ皮などの産卵床に産みつけられた卵は別の水槽に分け、親魚とは別に管理する必要があります。孵化した稚魚は稚魚用の人工飼料を与えると良いでしょう。出展:(淡水魚)鉄魚/テツギョ 宮城県魚取沼系(1匹)

ここには大型の飼育施設が必要と書いてありますが、いろいろなブログを物色していると、おそらく90㎝水槽くらいの水量があれば繁殖可能ではないかと思われます。

特にこちらのブログ【魚取沼鉄ちゃん倶楽部:羽衣舞の鉄魚】では詳しく産卵時の日記が書かれているので、見てみるといいと思います。


オスメスの見分け方は?

◆オス

・産卵口(肛門)が楕円形で小さい

・性的に成熟するとエラ蓋に追い星が見られる

 

◆メス

・産卵口(肛門)が円形で大きい

・性的に成熟するとお腹が大きくなる(多分上から見た方が分かりやすいです)

 

こんなところでしょうか。最初のほうはよく分からないかもしれませんが、慣れるとすぐにわかるようになります

 

鉄魚がかかりやすい病気は?

金魚と同じように、病気のレパートリーは多く、白点病、水カビ病、尾ぐされ病にかかりやすいです。鉄魚が狂ったように暴れているときは、白点病にかかっている可能性が高いです。

以下に原因と対処法をまとめます。

  

白点病・水かび病

・原因

水温の低下が原因で起きることが多いです。また水カビ病に関しては、移動時のスレなどから発症したりもします。

・対処法

飼育水を1/2程度替え、グリーンFリキッドを投入します。(アグデン、ニューグリーンFでも対応できます。)また、塩分濃度が0.5%程度になるように食塩を入れてあげると回復が早くなります。

 

尾ぐされ病

・原因

水質の悪化、輸送や網によるスレ傷により粘膜液の分泌が低下し、感染することが多いです

 

・対処法

飼育水を1/2程度取替え、観パラDorグリーンFゴールドorエルバージュエースを投薬します。薬の強さとしては、こんな感じ↓

グリーンFゴールド < 観パラ <エルバージュエース

でしょうか。病気の進行度に合わせて使ってください。

また、塩分濃度が0.5%程度になるように塩浴させるのも効果的です。

 

鉄魚が動かない!病気??

様々な理由が考えられるので一概には言えませんが、以下のことが原因として考えられれます

 

①本当に病気

⇒体表に変化がないかよく見てあげましょう

 

➁水質の悪化

⇒水質が悪化しても動きが鈍くなります。水質チェックしてみて、亜硝酸などの濃度が高ければすぐに水換えをしましょう

 

➂水温の低下

⇒10℃を下回ると冬眠状態に入ります。屋外の場合は餌を少なめにして基本はそのまま。屋内の場合は金魚用のヒーターを入れてあげるといいです

 

④水流が強すぎる

⇒水の排出口を水槽の壁面に向ける、エアレーションを弱める、水流のコントロールが可能なら弱める、などして対応しましょう

 

⑤混泳相手にいじめられている

⇒隠れ家をつくってあげるか、混泳相手を替える

 

⑥寿命

⇒これはしょうがないですね。飼育開始時の大きさにもよりますが、6~7年飼育していたら寿命の可能性があります


ヒレの伸ばし方は?

鉄魚のヒレの伸ばし方で一般的なのは、餌の量を抑えて飼育する方法です。一般的な金魚と同じように餌をガンガン与えてしまうと体だけ大きくなってヒレが伸びない可能性があります。

あとは、当然ですが広めの水槽で飼育することです。最低でも60㎝水槽はほしいですね。

 

鉄魚の飼育法まとめ

いかがだったでしょうか?長々と書きましたが、基本的には金魚の飼育法と大きく変わりません(笑)。なので病気の予防には細心の注意を払った方がいいです。

地味ですが、大きく伸びるヒレや、その希少性が魅力な鉄魚。この記事を読んで飼育してみたいと思った方はこちらの記事【60㎝水槽で日本淡水魚を飼育するのに必要な用品とその値段は? 】もぜひご参考ください。

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