タナゴと言えば、近くに池などがある人は一度は目にしたことがあると思います。なので身近と言えば身近なのですが、タナゴと一口に言っても実は日本には多くのタナゴの仲間が住んでいます。また、繁殖の仕方がほかの魚と違ってユニークだったりします。今回はそんな、実は奥が深そうなタナゴの飼育法に関して説明します。
- 日本に生息している種類は?
- 販売は?値段は?
- 寿命は?
- タナゴの飼育に必要な餌は?
- 大きさ(最大全長)は?
- 適切な水温は?
- おすすめの底砂は?
- 冬はどうやって飼育すべき?
- 混泳相手はどんな魚が適切?
- 繁殖方法は?
- かかりやすい病気の種類は?
- タナゴの飼育水槽の立ち上げに必要な用品は?
- タナゴの飼育法まとめ
日本に生息している種類は?
日本には、ニッポンバラタナゴ、タイリクバラタナゴ、カゼトゲタナゴ、カネヒラ、アブラボテ、ヤリタナゴ、マタナゴなど様々な種類が生息しています。一般的にタナゴと言えば、ニッポンバラタナゴやタイリクバラタナゴを指している場合が多いです。
種類によって飼育法って違うの?
最大サイズが若干異なるので、適切な混泳相手などは異なりますが、飼育方法は基本的には同じで問題ありません。
販売は?値段は?
一般的な熱帯魚ショップであれば、販売されている可能性は高いです。もし近くに熱帯魚ショップがない場合でも、チャームなどのネット通販を利用すれば比較的容易に手に入ります。
ざっくりですが以下にまとめます
◆ニッポンバラタナゴ・・・300~500円
◆タイリクバラタナゴ・・・300~500円
◆カゼトゲタナゴ・・・500~700円
◆カネヒラ・・・1500~1700円
◆アブラボテ・・・500~800円
◆ヤリタナゴ・・・200~300円
◆マタナゴ・・・800~1000円
こんな感じです。どうでしょうか?思ったより高くないですか?笑
僕はタナゴは捕まえるイメージだったので、正直少し高いなーと思いました。まあでも近くに池がない場合は買うしかないので、タナゴを飼育してみたいという場合はネットショップなどで検索してみてください。
寿命は?
3~5年程度です。
タナゴの飼育に必要な餌は?
川魚用の人工飼料で問題なく飼育できます。また、栄養バランスの考えて、乾燥イトミミズ、乾燥赤虫なども与えるといいでしょう。
大きさ(最大全長)は?
ざっくりですが以下にまとめます
◆ニッポンバラタナゴ・・・8㎝
◆タイリクバラタナゴ・・・8㎝
◆カゼトゲタナゴ・・・8㎝
◆カネヒラ・・・12㎝
◆アブラボテ・・・10㎝
◆ヤリタナゴ・・・10㎝
◆マタナゴ・・・10㎝
そこまで大きな差はないので、水槽サイズなどを個体によって変える必要はないですが、混泳相手などは注意しましょう(タナゴが食べられないサイズの魚を混泳相手にしましょう)。
適切な水温は?
5~30℃くらいを好みます。ただ、そこまで神経質にならなくても大丈夫です。
おすすめの底砂は?
PHに多くな影響を与えず、かつ扱いやすいものがいいと思うので、大磯や田砂などがいいのではないでしょうか。個人的には田砂のほうが見た目的にいいと思います。
冬はどうやって飼育すべき?
特に加温は必要ありません。ただ、冬場は餌の食いが悪くなるので、少な目に与えるか、頻度を減らしましょう。
また野外飼育(外飼い)も可能です。実家が新潟だったのですが、水面が凍るくらいの低温にも耐えていました。ただその場合は冬場の室内飼育以上に餌の量を減らしていました。
混泳相手はどんな魚が適切?
基本的に大きさがあまり変わらず、温和な種類であれば問題なく飼育できます。例えば、どじょうやカマツカ、ヨシノボリ、モロコなどとであれば上手くいくことが多いでしょう。ただ、フナと混泳させる場合はサイズに気を付けましょう。
金魚との混泳は?
金魚との混泳は、フナと同じようにサイズにさえ気を付ければ基本的には可能ですが、琉金、ピンポンパールなど、いわゆる丸形と呼ばれる種類とは避けたほうが無難です。タナゴにとっては問題ないのですが、これら丸形の金魚は泳ぎが遅く、タナゴにすべて餌を食べられてしまう可能性があります。
ヤマト・ミナトヌマエビとの混泳は?
こちらも基本的には可能ですが、生まれたてのミナトヌマエビの稚エビは食べられてしまう可能性があります。ある程度大人に成長した個体であれば問題ありません。
熱帯魚との混泳は?
サイズの差をなくし、飼育環境を熱帯魚に合わせてあげるのであれば可能です。なのでグッピー、ネオンテトラ、プラティなどの熱帯魚とであれば上手くいきやすいでしょう。
繁殖方法は?
タナゴは、ほかの魚と違い、2枚貝に産卵するという特殊な産卵形態をもちます。なのでメダカなどと比べると少し大変です。それではさっそく雄雌の判別方法からみていきましょう。
雄雌(オスメス)の判別方法は?
どの種類も、繁殖期になるとオスは美しい婚姻色を呈し、メスはお腹から産卵管を出します。これが各種共通で、かつ分かりやすい判別方法になります。それ以外では、タイリクバラタナゴ、ニッポンバラタナゴの場合はメスは背びれに黒い斑点模様を持つので、そこで判別できます。そのほかの種類は、繁殖期以外にこれといった判別方法はないのですが、だいたいオスのほうが体高があり、きれいです。
もし不安な場合はショップでペアとして購入することも可能なので、プロに任せてしまってもいいかもしれません。
【例】タイリクバラタナゴの雄(オス)↓
出展:http://www5e.biglobe.ne.jp/~uzubeki/page034.html
【例】タイリクバラタナゴの雌(メス)↓
出展:http://www5e.biglobe.ne.jp/~uzubeki/page034.html
産卵の時期は?
春型と秋型によって異なります。今回紹介した種類でいうと、春型はニッポンバラタナゴ、タイリクバラタナゴ、カゼトゲタナゴ、アブラボテ、マタナゴで、秋型はカネヒラ、ゼニタナゴとなります。
春型は産卵期が4~8月で、秋型は8~11月となります。ただ春型、秋型の中でもかなり時期がずれるので、オスが婚姻色を示し、メスがお腹から産卵管を出した頃にピンポイントで二枚貝を水槽に投入したほうがいいです。なぜなら、後から説明しますが、2枚貝は水槽内では長期飼育が難しいからです。なのでいかに繁殖期にピンポイントで導入できるかがポイントになります。
産卵に利用できる二枚貝ってどんな種類?
ネットで【タナゴ 2枚貝】で調べるとたくさん出てくると思いますが、ドブ貝、イシ貝、カタハ貝などを使用される方が多いです。
まずはオスの婚姻色、メスの産卵管を確認しましょう
オスの婚姻色、メスの産卵管が確認できた時点で二枚貝を投入します。するとオスがその二枚貝の周辺でテリトリーを形成し、近寄ってくるオスを威嚇します。産卵がうまくいけば、そういった様子が見られてから1か月ほどで稚魚が水槽内で見られ始めるでしょう。生まれた稚魚に対しては稚魚用の人工飼料を与えれば問題ありません。
かかりやすい病気の種類は?
白点病、水かび病、カラムナリス症(口腐れ病、尾腐れ病)、エロモナス症(松カサ病)になりやすいです、以下に対処法をまとめます。
◆白点病・水かび病
飼育水を1/2程度替え、グリーンFリキッドを投入します。(アグデン、ニューグリーンFでも対応できます。)また、塩分濃度が0.5%程度になるように食塩を入れてあげると回復が早くなります。
◆カラムナリス症(口腐れ病、尾腐れ病)
飼育水を1/2程度取替え、観パラDorグリーンFゴールドorエルバージュエースを投薬します。薬の強さとしては、こんな感じ↓
グリーンFゴールド < 観パラ <エルバージュエース
でしょうか。病気の進行度に合わせて使ってください。
また、塩分濃度が0.5%程度になるように塩浴させるのも効果的です。
◆エロモナス症(松カサ病)
まず、塩分濃度が0.5%程度になるように食塩を加えます。その後、観パラD、グリーンFゴールド、エルバージュエースで薬浴します。
重症化すると完治が難しい病気なので、早期発見、早期治療が重要です。
また、薬の強さに関してだったり、水かび病を併発してる場合に関しては、尾ぐされ病の項目を参照してください。
ざっくりまとめましたが、詳しくは【熱帯魚がかかりやすい病気まとめ】で解説しています。また、予防法については【魚の病気の予防法を学ぶ】で解説しています。
タナゴの飼育水槽の立ち上げに必要な用品は?
ざっくりまとめるとこんな感じです↓
・水槽
→目安:10匹程度で40㎝水槽、20匹程度で45㎝水槽、30匹程度で60㎝水槽
・水槽台
→保障はしないですが、45㎝水槽程度であればがっしりした家具の上でも大丈夫だと思います。
・フィルター
・ライト
・水温計
→なくてもいいかも・・・・笑
・砂利
・魚をすくう網
・水替え用のホース
・カルキ抜き等の水質調整剤
・餌
タナゴの飼育法まとめ
いかがだったでしょうか?意外と奥が深かったかと思います。ただ、基本的に飼育は容易で、しかも繁殖期は美しい婚姻色を見せてくれるので、ぜひこの記事を参考にして飼育してみてくださいね。