ウーパールーパーを飼育していると、ヒレや尻尾、エラが「溶けている」ように見えることがあります。いきなりそんな光景を見てしまったら焦りますよね。
今回は、ウーパールーパーのヒレやエラが溶ける原因とその対策について、わかりやすく解説します。
ウーパールーパーのヒレや尻尾、エラが溶ける(小さくなる)原因
もし、飼育しているウーパールーパーのヒレや尻尾、エラが溶けている、もしくは小さくなっているとしたら、原因は主に水質の悪化、スレ(水槽内に設置している岩、土管などのアクセサリーにぶつかるなどしてヒレや尻尾が切れてしまうこと。)、混泳している魚(ウーパールーパー同士で混泳している場合も含)から噛まれたことによるものです。水質の悪化により溶けてしまっている場合は、ウーパールーパーがかかりやすい病気と治療法まとめ で書いた、尾ぐされ病やレッドレッグ症の症状が出ているものと思われます。
ちなみに、これは長く飼育しているとなんとなく分かってきますが、ヒレや尻尾について、噛まれた傷やスレは(これもなんとなくで恐縮ですが・・)直線的であることが多いように感じます。対して溶けてしまった場合は、なんとなく曲線で、その曲線もきれいな曲線ではなく歪んでいてかつ血がにじんでいるような感じになります。またエラについては溶けている場合は全体的に縮んでしまったようなかたちとなります。
とはいえ、はっきりとした原因の究明は難しいですし、 スレや噛まれた傷の場合であっても、水質が悪化している場合はそこから菌が入り無こともあり得ますので、どの道まずは下記の通りに水質の改善を実施することが大切です。
ヒレや尻尾、エラが溶けた(小さくなった)場合の対策
水換の実施とフィルターの掃除
上記の通り、溶けている場合であっても、スレや嚙まれたことによるキズであっても、水質の悪化を改善もしくは防ぐということが必要となります。
そのため、まずは半分程度水換えを行い、塩分濃度が0.1~0.2%程度(最大0.5%程度)になるよう塩浴を行いましょう。スレや嚙まれたことによるキズでは無いと確信がある場合、ウーパールーパーは薬には弱いのでおすすめはできませんが、メチレンブルーや、グリーンFゴールドリキッドを規定量の1/3程度の量で使用する方法もあります。
また、一般的にはろ過バクテリアが死んでしまうのでタブーとされていますがが、ろ過槽やろ過材にもヒレ等が溶けた原因となる菌が潜んでいるので、フィルターはきれいに洗って、ろ過材は新品のものに替えるか水道水できれいに洗いましょう。
ろ過バクテリアがほぼゼロの状態になっているので、毎日、全体の1/4程度の水換えを行いましょう。
飼育環境の見直し
混泳をしている場合はよく観察して混泳相手がウーパールーパーに対してちょっかいを出したりしていないかを確認しましょう。もしそういったしぐさが見られるようであれば隔離を検討しますが、混泳をしていて相手を噛むとかはよくあることですので、多少ヒレなどが噛まれても、致命的にならないようであればそのまま無視するという選択肢もありでしょう。
また、体を傷つけやすいようなアクセサリー(ごつごつした岩とか)がある場合は取り除くか、別のアクセサリーに変更することをおすすめします。ヒレくらいで済めばいいですが、ある程度大きな個体が暴れてそのアクセサリーにぶつかったりすると結構重症になったりします。
また、ヒーターにカバーがされていない場合はやけどの危険もありますので、必ずカバーをするようにしましょう。
予防策について
適切な大きさの水槽で、適切なろ過力のフィルターを使い、適度に餌を与え(目安:1日1・2回、お腹が少し膨れる程度。)、定期的な水換え(目安:1週間に1回、全水量の1/3程度)を行い、かつ毎日観察することが大切です。
適切な大きさの水槽というのが、その個体の大きさにより変わるので少し難しいですが、パッと見てちょっと寂しいくらいがちょうどいいかと思います。ただ、最後まで飼育しようとしたら最低でも45cm水槽は欲しいところです。
また、適切なろ過力についてですが、単独飼育であれば外掛けフィルターや投げ込み・水中フィルター等、比較的簡易的なもので問題ないと思いますが、複数飼育する場合は上部フィルター・外部式フィルターなど、ろ過力の高いものを選んだ方がいいです。まあ外部式フィルターは手入れがめんどくさいので個人的には上部フィルターがおすすめです。各フィルターの特性を詳しく知りたい方はこちら→水槽用フィルターのろ過力・性能を徹底比較!それぞれおすすめ機種も紹介します をご参照ください。
上記を徹底した上で、もちろん毎日観察することも大切です。毎日観察していれば、仮に発症したとしても重症化を防ぐことができます。凡事徹底が大切です。