金魚の夏場の飼育方法ってそれ以外の季節と一緒でいいのかなー?
違うとしたら夏場はどうやって飼育すればいいのかなー?
その際の注意点ってなにかなー?
と思っている人、多いかもしれません。
結論から言うと他の季節と基本的には同じで問題ないですが、多少注意しないといけない点が何点かあるという感じです。
夏場なので当たり前といえば当たり前なのですが、夏場は水槽内の水温が上昇します。結局、夏場で調子を崩すときは暑さに起因する場合が多いです(もちろん他の理由で崩す場合もあるかと思いますが、それは別に夏特有のものではないので割愛します。)
水温が上昇すると、金魚飼育に際し様々な弊害がでてくるので、それらに対する対応策を解説します。
あと、夏場の不調はだいたい水温上昇が原因なので、水温上昇を防ぐ方法も併せて解説します。
夏場の金魚飼育での注意点
まずは夏場の金魚飼育での注意点とそれに対する対応策を解説します。
酸欠状態になりやすいので注意
なんで夏場は酸欠になりやすいの?
そもそもなんで水温が上がると酸欠状態になるかというと、水温が上がると、水中に酸素が溶けにくい状態になるからです。
あったかいところにペットボトルのコーラを置いておくとペットボトルがパンパンになっているのを想像すると分かりやすいかと思います。
あれは、コーラの中に溶けていた二酸化炭素が、コーラの温度の上昇により溶けきれなくなってコーラ内から放出された結果、あんなにパンパンになってるわけです。
そんなこんなで、水温が上昇すると水中の酸素量が夏場はどうしても減ってしまいます。
酸欠になっているサインは?
今自分の水槽が酸欠状態なのかどうかなんてわからないよ!と思ってる人もいるかと思います。
でも、それを一発で見極める方法があります。それは【誰も水槽に寄って行っていないのに、金魚が水面で口をパクパクしているかどうか】です。
人が寄って行くと、餌をもらえると思って水面で口をパクパクしちゃうと思うので、離れた状態で水槽内を観察しましょう。
その状態でこのような行動をしていれば、それは酸欠状態になってると思っていいです。『いやいや、夏場とか関係なく1年中水面で口をパクパクしてるよー!』という場合は、そもそも水量に対して金魚の数が多すぎます。水槽を大きくしてあげてください。
酸欠状態を改善するために
分かりやすく箇条書きにします!
・エアレーションを強くする
・飼育する匹数を減らす(逃がすとかじゃなくて、水槽を増やして匹数を分散させるってことね
・水槽を大きくする
・当たり前ですが、水温を下げる(下げ方は後述)
バクテリアの活動が低下するので注意
そもそもバクテリアってなんぞや?っていう方はこちらの記事【水槽内でのバクテリアの役割とは?【バクテリアの種類も解説するよ】】をご覧ください。
まあかなーりざっくり言うと、バクテリアっていうのは、水をきれいにしてくれる菌のことです。
活動が低下する原因は?
バクテリアは大きく分けると『好気性バクテリア(酸素大好き!)』と『嫌気性バクテリア(酸素嫌い!)』の2種類がいます。
好気性バクテリアは、金魚の糞などから発生する有害なアンモニアを亜硝酸(有害)→硝酸塩(比較的無害)へと分解してくれる役割を果たしてくれます。
また、嫌気性バクテリアは、その発生した硝酸塩(比較的無害)を無害な窒素に分解してくれます(脱窒)。※水槽内で脱窒を再現することはほぼ不可能なので、ここでは無視します。
上記の通り夏場は酸欠状態になりやすいため、酸素が大好きな好気性バクテリアの活動は当然のごとく鈍る、というわけです。
活動を低下させないためには何をすべきか?
酸欠を防ぐ方法とほぼ同じです。
・エアレーションを強くする
・飼育する匹数を減らす(逃がすとかじゃなくて、水槽を増やして匹数を分散させるってことね)
・水槽を大きくする
・当たり前ですが、水温を下げる(下げ方は後述)
あと、せっかく増えたバクテリアを殺さないように、
・ろ過材をむやみに洗わない
→どうしても洗いたいときは飼育水で洗ってください。水道水で洗うとバクテリアが死んでしまいます。
・砂利を取り出して水道水で洗うとかもやらない
→水換えの時に、水作 プロホースとかで砂利の中の汚れを吸い出すだけで十分です。これも同じくせっかく砂利内で繁殖したバクテリアが死んでしまいます。
・よほど環境が悪化していない限り全換水とかやらない
→バクテリアがいなくなってしまいますし、水質も急変するので、特別な事情が無ければしない方がいいです。
とかを意識してみてください。ちなみにこの三つは夏場とか関係なく注意しないといけないところです。
エサが腐りやすいので注意
餌が残ると腐ります。夏場は特に腐りやすいので注意しましょう。
また当然ですが、「餌をあげすぎない」「餌が残っていたらすぐに取り除く」を夏場はより意識する必要があります。
水草が腐りやすいので注意
水草も腐りやすくなります。大きな理由としては、水温が上がると酸素と同じように水中の二酸化炭素量が減り、水草の光合成量が減ってしまうためです。
これは水換えを頻繁に行うか、後述の水温を下げる以外に有効な対応策はあまりなかと思います。
あと、これは解決につながるものではないですが、水質の悪化を防ぐために水草の腐った部分は早めに取り除いてあげてくださいね。
水温を下げるには?
では水温を下げるにはどのような方法があるのでしょうか?水温を下げてしまえば、夏場に引き起こされる問題の根本解決につながりますので、その方法をざっと挙げていきます。
・直射日光の当たらないところに水槽を置く
→直射日光の当たるようなところに水槽を置くとコケが発生しやすいですし、水温も変かしやすいので、夏場とか関係なくおすすめしません。
・水槽用のクーラーor扇風機(ファン)を使う
→水槽用のクーラーは比較的高価(安くても30,000円はする)です。水量が40L以下であればテトラ クールタワーというクーラーが10,000円代で売ってますが、これだと60㎝水槽には対応できないのが痛いです。
また、10,000円代でも高いという人も多いかと思うので、そういった場合は水槽用のファンを使うのがいいかと思います。4,000円~5,000円くらいの予算があれば120㎝水槽レベルにでも対応できるようなファンもありますので、charmなどで探してみるといいと思います。
~60㎝水槽対応ぐらいまでであれば、実店舗でも売っていると思いますが、大きい水槽に対応できるものは売ってないかもしれません。
・人間用の扇風機を使う
水槽用のファンでも高いという人は、①上部フィルターを使っているのであれば、その蓋をとって直接人間が使っている扇風機を水面に当てたり、➁上部フィルターを使っていなければ水槽の蓋を取って(水槽外に飛びたしちゃう種類がいないのが前提になりますが)、直接人間が使っている扇風機を当てる、などで対応するのもありです。
※金魚と一緒に飼育されることの多いどじょうも結構飛び出しやすいので注意です。
・水槽の水量をなるべく多いものにする
→なんとなくイメージできるかと思いますが、水量が多いほど水温は変化しづらいです。これは僕の意見で、僕の言ったとおりにして何かあっても責任はとれませんが、60㎝以上の水槽であれば、夏場の高水温はそこまで気にしなくていいと思ってます。
・ライトを付けない
今はもうほとんど発熱しないLEDが普及していますし、蛍光灯であっても水温に与える影響はそこまで大きくないので、あまり効果は見込めないですが、まあやらないよりはいいと思います。
ただ、水草がある場合はライトを付けないと水草がダメになる可能性があるので、そこは入れている水草の丈夫さと相談になると思います(マツモとかアナカリスとかであれば多少光が入れば大丈夫でしょう)。
マツモとかアナカリスって何?というかたはこちら【日本淡水魚飼育におすすめの水草8種まとめ 】
夏場の野外飼育は大丈夫なの?
あまりおすすめしないですが、最低でも30Lは水量があって、匹数を抑えて、ちゃんと日陰に置いて、餌は控えめで、水換えも週に1回以上はやって・・・みたいなことを徹底できればギリギリありかなーと思います。
でもやっぱり池レベルの水量がないと不安ですね。
夏場に旅行に行っても大丈夫?
1週間くらいまるまる家を空けたことも何度かありますが、60㎝以上の水槽であれば、特に問題なかったです(30㎝キューブ水槽で飼育していたバーミーズレッドフィンスネークヘッドは★になってしまいました。でもこの時は2日くらいしか空けてなかったと思います・・・涙)。
また、これもあくまで僕の経験談で、『60㎝以上の水槽なら夏場に1週間空けても大丈夫!!』と保証するわけではないので悪しからず。
その他夏場の注意点
・氷とか入れないでね
→一時的に水温は下がりますが、また氷が溶けたら上がりますし、その水温の上下は金魚にとって良くないです。
・死んだら早く取り除いてね
→夏場は特に腐りやすいので、早めに取り除いて土に埋めてあげてください。
まとめ
まあ色々と書きましたが、個人的には【60㎝以上の水槽】で、【餌を控えめにしてあげれ】ば、特段問題ないと思います。ではでは。