ABYの熱帯魚図鑑

初心者の方でも、初めて熱帯魚を飼育する方でも分かりやすくお伝えできればと思います。よろしくお願いします♪ちなみにABYとはアクアブロガーよしきの略です(´・ω・`)

ソウギョの飼育法(最大サイズ・水槽で飼育可能か?・餌・水草との相性など)

ソウギョ(学名Ctenopharyngodon idellus 英名:Grass carp)は、最大で1mを超えるコイ科の淡水魚です。

どちらかというと釣りの対象としての方が有名かもしれませんが、観賞魚としても一定の需要がありそうなので飼育方法を解説してみました!

 

ソウギョってどんな種類?

生息地

元々の生息地は、アジア大陸東部になります。日本へは利根川水系に持ち込まれたものから定着が始まったりました。その後、国内各地へ繁殖したものが池や沼に放流され、東北地方から九州まで幅広く生息が確認されています。

食性

仔魚、稚魚期は、植物プランクトンやユスリカ等を摂餌しており、ある程度成長すると、完全に草食性となり、ヒシ等の抽水植物、藻、ウキクサなどなどを食べています。また、水面に垂れ下がった雑草なども食べます。

ただ、その食欲が旺盛すぎて生態系に深刻な悪影響を与えることが認識されるようになり、現在は生態系被害防止外来種リストにより、「その他の総合対策外来種」に指定されています(ブラックバスやブルーギル等とは違い、飼育は可能です)。

どこで販売されているの?価格は?

ソウギョを探して店舗に行ったことがないので何とも言えませんが(笑)、調べてみるとアルビノソウギョでれば実店舗でも結構お目にかかれるようです。

また、charm等のネット通販では、比較的容易に見つけることができるでしょう。

価格はそのショップにもよりますが、1000円~5000円くらいと、比較的開きがあります。

寿命は?

だいたい平均で7~10年くらいですが20年を超えるような個体もいます。

大きさは?水槽で飼育できる?

自然界では1mを超える大型の淡水魚です。以前紹介した雷魚(カムルチー)よりも大きくなります。

よって水槽もそれなり大きなサイズが必要となってきます。

一般的には最低でもその魚の最大サイズ=水槽の縦幅くらいは必要になってくるので、そこから逆算すると180㎝×100㎝×100㎝くらいの規模の水槽が必要になります。

また、後述しますがある程度大きくなればヒーターも不要なので、無理して水槽で飼育する人は多くなく、池でコイなどと混泳させているケースが多いです。

適切な水温・水質は?

10㎝程度の稚魚は弱く、10℃を下回ると危険なので、金魚用のヒーター等を使用して寒い時期でも10℃を下回らないようにしましょう。10㎝を超えた個体であればそこまで気にしなくていいでしょう。成魚は池でコイと一緒に飼育されてるくらいですから。

あと、稚魚期は高水温による酸欠にも意外と弱いので、エアレーションを強くするなどして対応しましょう。本当は水槽用のクーラーを使えればいいんですけど、高価ですし、水槽用のファンを付けるとなると水槽のふたを開ける必要があり、そうすると飛び出しやすいソウギョにとってはリスクとなるので、エアレーションを強くするというのが現実的な選択肢となるでしょう。

水質については中性付近を保っていれば大きな問題はないでしょう。

寒冷地での野外飼育は大丈夫?

長野県北部の野尻湖(マイナス10℃前後になる)には放流された個体が生息しているので、10㎝超の成魚であればおそらく大丈夫かと思います。保証はできませんが・・・。

餌は?人工飼料には餌付くの?

前述の通り、草食性なので池(水槽)内のコケを食べてくれますが、それだけではもちろん足りないので、スイミー等のコイ用の餌を与えることが多いです。

釣りの餌でほうれん草をゆでたやつとか葦(アシ)を使用することもあるので、これらを与えてもいいですが、めんどくさい場合は、スイミーなどの人工餌を与えれば問題ないでしょう。

アオミドロも食べてくれる?

ソウギョは草食性のため、藻類を食べてくれますが、ソウギョの歯は喉の奥についているので飲み込んでからすりつぶして食べます。つまり噛み千切ることが出来ないので飲み込めるくらい細長いか小さくないと藻類は食べられません。そう考えるとアオミドロのように、塊になっている藻を食べることは難しいかもしれません。

混泳は可能?

温和な種類なので、混泳は比較的容易です。金魚や鯉、フナなどと問題なく混泳できるかと思います。金魚と混泳させる場合は和金型を選んだ方がいいです。それ以外は動きがゆっくりなため、餌を食べられない可能性があります。

『和金型ってなに?』という方は【初心者でも飼育できる金魚は?金魚の種類と特徴の飼育難易度別まとめ 】で解説してるのでご覧ください。

おすすめのフィルターは?

水槽で飼育する場合は、上部フィルターかオーバーフローでしょう。池で飼育する場合は池用のフィルターが必要になります。

また、上記の通り稚魚期は高水温による酸欠にも意外と弱いので、メインのフィルターに加え、水作エイトなどを追加して、エアレーションを強くするなどして対応しましょう。ちなみに池用の水作ジャンボという商品もあります。

 

どんなレイアウトにすればいい?水草との相性は?

水草はとにかく食べられるので相性×です(餌として入れるなら問題ないですが。)。なので入れるとしたら流木とかになるかと思います。また、池でホテイアオイとか入れたいと思っている人も多いかと思いますが、根っこ部分を食べられる可能が高いです。そうすると結果枯れてしまうので、ソウギョと水草全般の相性は良くないです。

かかりやすい病気は?

基本的に丈夫ですが、網によるすれ傷や、水温の低下により水カビ病を発症することがあります。また、食べ残しの餌からカビが発生すると、これも水かび病の原因になります。

もし発症した場合、飼育水を1/2程度換え、グリーンFリキッド、アグデン、ニューグリーンF等を投入します。また、塩分濃度が0.5%程度になるように食塩を入れてあげると回復が早くなります。

詳しくはこちら【熱帯魚がかかりやすい病気まとめ~症状・原因・治療法まで~ 】をご参考ください。

でももちろん病気にはならないほうがいいので、予防法としてこちら【魚の病気の予防法を学ぶ 】も読んでおくといいです。

繁殖方法は?

中国、日本(埼玉県)では養殖されていますが、成魚になると1mを超えるため、個人での繁殖は困難でしょう。

水槽外への飛び出し注意

上での少し書きましたが、飛び出しやすい種類なので、水槽飼育の場合は少しの隙間もないように水槽にふたをしておきましょう。

『え、こんなところから飛び出すの?』ってところからでも平気で飛び出すので注意が必要です。

もちろん池からも飛び出すことがあります。特に導入初期は飛び出しやすいので、網などで対策したほうがいいでしょう。

ソウギョの飼育法まとめ

水槽内での飼育はあまり現実的ではなく、最終的には池での飼育に落ち着くことが大半かと思いますが、仮に水槽内で1mを超えるソウギョを飼育できたらその迫力は相当なものでしょう。

最後まで飼いきれる自信のある猛者はぜひ、飼育を検討してみてください。

ただ、やはり普通の人に終生飼育は難しいと思うので、現実的なところでこんな記事【

60cm水槽で飼育できる日本淡水魚の中型魚の飼い方まとめ】とか、こんな記事【

飼いやすい日本淡水魚10種類まとめ 】を参考にしてみてはいかがでしょうか?

ではでは。