ABYの熱帯魚図鑑

初心者の方でも、初めて熱帯魚を飼育する方でも分かりやすくお伝えできればと思います。よろしくお願いします♪ちなみにABYとはアクアブロガーよしきの略です(´・ω・`)

ポリプテルスセネガルスの飼育法(混泳・餌・寿命・水槽サイズなど)

ちょっと変わった種類を飼ってみたいけど、古代魚ってちょっとハードルが高い気がする・・・。大きい水槽が必要なんでしょ?・・・と思っている方にぜひおすすめなのがこのポリプテルスセネガルスです。60㎝水槽があれば飼育可能ですし、その恐竜のような見た目に加えて、時々あくびをしたりする可愛らしさも備えている種類です。

今回はそんなポリプテルスセネガルスについて説明していきます。

   

ポリプテルスセネガルスってどんな種類がいるの?

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出展:https://woriver.com/1778

一口にポリプテルスセネガルスと言っても種類は様々です。以下でざっくり説明していきます。

ちなみに最大サイズや飼育法はどの個体も同じで問題ありません。ただアルビノ個体の飼育に関しては少し注意しないといけません。他種と同じように目があまりよくないので、しっかりと餌を食べられているか確認してあげましょう。

アルビノ・ゴールデン・プラチナ個体

これは体色の違いによって分けられています。

アルビノの個体は他種と同じように目が赤く、体が白っぽくなります。ゴールデンの個体は、目が赤くないアルビノ個体という感じです。プラチナ個体は、まさしくくプラチナという感じで、体全体が銀色っぽく輝きます。

ロングフィン・ショートボディー個体

こちらた体型が普通の種類と異なる個体です。ロングフィン個体は、そのなの通りヒレが長くなります。ちょっと優雅な感じになりますね。ショートボディー個体は、いわゆる寸詰まり個体です。背中が普通の個体よりも盛り上がるので迫力ある個体になりますが、セネガルスの可愛さとあまりマッチしていない印象なので個人的にはセネガルスのショートボディー個体はあまり好きでなないですね。

どこで販売されているの?値段は?

普通の個体であればどこでも販売されています。アルビノ個体もよく見ますね。それ以外のタイプに関してはあまり見ないので、古代魚に力を入れているショップに行くか、ネットショップで根気よく探す必要があります。

値段に関してですが、稚魚・幼魚で通常の個体が1000円前後、アルビノが1200~1500円、ゴールデンが3000~4000円、プラチナだと値段がぐっと上がって10000円以上、ロングフィンが2000~4000円、ショートボディーで2000~4000円くらいです。

もちろん購入するショップや大きさによって変わってくるので、通常個体とアルビノ個体が同じくらい、プラチナ個体が飛びぬけて高い、あとは同じくらい、と思っておけばいいでしょう。

寿命は?

約10~15年です。 

最適な水質(PH)と水温は?

水質は弱酸性~中性(PH6.6~7くらい)を好みますが、かなり丈夫な種類なので、極端に酸性やアルカリ性に傾かなければ問題ありません。なので定期的な水換え(週1回、全水量の1/3程度)を行っていればまあ状態よく飼育できるでしょう。

水温に関しては22~27℃程度です。もし大きくしたいのであれば幼魚・稚魚のうちは28~30℃くらいに高めるといいです。  

最大サイズは?

最大サイズは、水槽内だと20~25cm程度です。ポリプテルスデルヘッジより少し小さいイメージですかね。

成長速度はどれくらい?

十分餌を与えれば幼魚や稚魚から育てても1年程度で成魚になり、大きさでいうと20㎝近くまでは成長します。

そこからゆっくり少しずつ大きくなっていき25cmに達するというイメージですね。

なかなか大きく成長しないんですけど・・・

大きくしたいのであれば水温を28~30℃くらいに上げ、メダカ漬け(常にメダカがいて餌が切れない状態)にして、頻繁に水を換えるといいです。

すると新陳代謝が活発になりより大きく成長しやすくなりますし、スピードも速くなります。

水槽の大きさを大きくするのも、もちろん有効です。同じ60㎝水槽でも60×45×45㎝という水槽も存在し、奥行きと高さが変わるだけでも結構最大サイズが変わったりします。

あと後述しますがドジョウも栄養価が高くおすすめです。小赤を食べられるくらいの大きさになってきたら与えてみましょう。

飼育に必要な水槽の大きさは?

なので単独飼育であれば45㎝水槽があれば飼育できるでしょう。それより小さい30㎝水槽とかだとさすがに盆栽飼育になってしまうので止めましょう。

ただセネガルスの単独飼育はあまり聞いたことがないですし、たぶん結構寂しいと思うのでやはり混泳させた方がいいでしょう。混泳させる場合は60㎝以上の水槽を用意してあげます。

60㎝水槽だったら何匹くらい飼育できる?

同じくらいの大きさの個体であればの3匹くらいに抑えるのが理想でしょう。

まあでも5匹くらいまでの混泳であれば水質の急激な悪化に気を付ければ60㎝規格水槽(横×縦×高さ=60㎝×30㎝×36㎝)で十分でしょう。

最近は60㎝スリム水槽といって横幅は60㎝なのですが奥行きや高さが小さく設定されている水槽もありますが、それだけでも全体の水量がかなり少なくなるのでおすすめできません。

なので混泳させるのであれば最低でも60㎝規格水槽を用意しましょう。

ただ6匹以上での混泳を考えているのであれば、ろ過能力的にも90㎝以上の水槽を選んだ方がいいです。  

 

餌は?人工餌には慣れるの?

生餌の場合は、大きさに合わせて冷凍赤虫→メダカ・赤ヒレ・グッピー→小赤(小さめの金魚)・ミナミヌマエビ、ヤマトヌマエビなどに替えていってあげるといいでしょう。

栄養バランスを考えて多様な餌を与えるといいかと思います。またササミやコオロギ、ミルワームを与える人もいますが、コオロギ、ミルワームは消化が悪く、ミルワームに関しては脂肪も多いのでおすすめできません。ササミに関しても自然界で食べる機会ななく、こちらも消化不良を起こす可能性があるのでおすすめできません。やはり、自然界で食べているような餌をメインに与えましょう。

ただ、生き餌のストックがめんどくさかったり、コストがかかって大変、という人は人工飼料に慣れさせるのがいいかなと思います。栄養バランスにも優れていますし、病気の持ち込みの心配もありません。

与える人工餌に関してですが、基本的にはキャットを与える場合が多いです。また、水面近くに寄ってきてくれる個体であればカーニバルでもいいでしょう。

人工餌に餌付かせたい場合は、まず冷凍赤虫やクリルに慣らせる⇒そのにおいを付けたキャットを与える⇒この流れで餌付ければほとんどの個体が餌付きます。

ただやはり個体差があるのと、比較的大きな個体(15㎝以上)で、ずっと生餌しか与えられていなかった場合は餌付けに時間がかかる場合もあります。販売されている個体は6~7cmくらいであることが多いので、そういった個体は比較的餌付けしやすいと思います。

また、なかなか餌付かないからといってクリル単食は絶対にやめましょう。栄養が偏って背中が曲がったり、突然死する場合があります。

太く育てたい場合はどうすればいいの?

ポリプテルスセネガルスを太くかっこよく育てたいという人も多いかと思います。

そういった方におすすめなのがドジョウです。手に入れずらいのが若干難点ですが、栄養価も高いので太く、大きく育てたいという方は与えている場合が多いです。

ただやはりそれなりに大きいので、小赤を問題なく食べられるような大きさになった時点で与えるようにしましょう。 

性格は?混泳はできるの?

性格は比較的温和なので、混泳させやすい種類ではあるのですが、逆に言うと気が強いナマズなどとの混泳は向きません。また泳ぎもそこまで早くないので、混泳相手には注意が必要です。

混泳が上手くいきやすいのは、セネガルス同士の複数飼育や、ポリプテルスデルヘッジなどの小型のポリプテルスとの混泳です。大きさに差が無ければバタフライフィッシュ(パントドンとかとの混泳も上手くいきやすいでしょう。

また、生活スペースが被らないエンゼルフィッシュやグラミー(両種とも口に入らない大きさがあるという前提)と混泳させている人もいます。 

混泳に向かない種類でいうと、代表的なのはプレコ類ですね。気が強い種類が多いですし、セネガルスの体を舐めて弱らせてしまう可能性が高いです。

あとは気が強いスネークヘッド全般、ブラックゴースト、オスカーなどとの混泳もあまりおすすめできません。

逆にコリドラスまでいくと、今度はセネガルスの餌になってしまいます。

※混泳に絶対はありません。 

 

おすすめのフィルター(濾過装置)は?

 肉食魚で水を汚しやすいので、ろ過力が高くメンテナンスも楽な上部フィルターをおすすめします。

まめに底砂の掃除をできるのであればろ過力が高く、見た目もすっきりする底面フィルターでもいいかもですが、ボクは途中で心が折れました(笑)。 ポリプテルスセネガルスは寿命も長いので、長い期間メンテナンスを継続しないといけないと考えるとやはり上部フィルターがいいのかなと思います。

また、ずっと底にいる種類なので、水流に関して気にする人もいるかもしれませんが、これに関しては強くても弱くても特に問題ありません。

また、混泳させている場合は上部フィルターだけだと濾過を賄えない場合があるので、そういった方はフィッシュレット(フンや食べ残しを集めてくれる投げ込み式フィルター)や水作エイトなどのサブフィルターを入れることをおすすめします。

【参考記事】

 肉食魚の飼育に最適なのは上部フィルター?外部フィルター?それとも・・・

上部フィルターのメリット・デメリットとおすすめ5選! 

コケ対策は何をすればいい?

これはポリプテルスセネガルスの飼育というか、肉食魚全般を飼育するときには避けては通れない問題ですね。

オトシンや、ヤマトヌマエビなどのコケ対策の生物を入れても食べられて終わるので、他で対策するしかないです。

個人的に一番簡単だと思う対策は【ライトを照射しない】ですね。光が全く入ってこないような部屋でなければカーテンを開けておけば昼夜の差はつけられます。

餌の量を減らすとかもありますが、効果としては微妙です。

あとはアルジガードなどのコケ抑制剤を使うかですね。実際使ってみて思った以上に効果が出てびっくりした記憶があります。ただ、必要量が結構多いのでコストがかかります。それを気にしないのであればおすすめですね。

底砂を敷く?ベアタンク?どんなレイアウトがおすすめ?

まず、底砂を敷くかどうかですが、個人的には敷いたほういいかなと思います。ベアタンク(砂利も何も敷かない飼育スタイル)の方が確かに管理は楽ですが、敷いた方が色飛びもなく、きれいに発色するのでおすすめです。

敷く際なのですが、中途半端に大きい砂利を敷くと、誤飲してしまう可能性があるので、、ガーネットスドー ボトムサンドなど、ある程度細かいものを敷くといいでしょう。

また常に底にいるので、角ばった底砂を敷いてしまうとお腹が傷ついてしまい、そこから雑菌が入ってしまう可能性があるので、丸みを帯びた底砂を敷くようにしましょう。一般的にはガーネットサンドを敷く人が多いです。 

流木とか土管とか水草は入れた方がいい?

混泳させるのであれば、いじめられた個体が逃げられるような流木、土管は入れてあげた方がいいでしょう。水草に関してはどっちでもいいです。見た目の問題ですね。もし入れるならアヌビアスナナなどの丈夫な水草がいいでしょう。

緑変させたい(させたくない)んだけど・・・

緑変とは何かというと、まあその名の通り体色が緑っぽくなることを指します。 緑変させたい場合ですが、まず緑変するポテンシャルを持っている個体とそうでない個体がいるということを理解しないといけません。そしてそれは見た目じゃ全く分からないです。なので飼育してみないと分からないわけですね。 ただ緑化させやすい環境をつくることは可能です。

よく言われているのが【大磯がいいいよ】ということです。ガーネットもいいようです。なのでこれらの底砂を敷いてみるといいのではないでしょうか。

あとは落ち着いた環境でセネガルスを飼育してあげることも大切です。驚かせたりとか、頻繁に移動をさせたりしないことが大切です。

させたくない場合はちょっと難しいですね。ベアタンクでしいくしたり、白っぽい底砂を敷いたりして色を色をぼかすしかないのではないでしょうか。

繁殖させることは可能?

まずはオスメスを見分けましょう。一般に尻ビレがオスでは幅広く、メスでは細長い点で判別可能です。

飼育下でも十分に性成熟すれば、繁殖可能と言われています。成熟した個体はオスがメスを追うようになり、オスの尻ビレを使って産卵、受精を行い受精した卵は親魚にバラ撒かれます。稚魚はヨークサックが無くなり次第ブラインを与え、成長に合わせてイトミミズ、アカムシを十分に与えるようにします。

卵の受精率、孵化率が低く、稚魚同士でエラを齧ったり、共食いをするため、一度にたくさんの稚魚を成長させるのは難しいです。

参考:チャーム - ペット用品の専門店 ネット通販

病気になった際の対応に関して

古代魚には基本的に魚病薬は使えないので、まずは病気にならないように定期的な水替えを行うこと、日々の観察をしっかり行うことが大切です。 

白点病になった場合

もし白点病になった場合に関しては、まず水を半分程度取り換えます。その後水温を1日1℃ずつ上げ、30℃にします。

餌に関しては今までよりも少し多めに与え、かつ毎日1/4程度の水替えを行います。そうすることで病原菌を水槽外に排出するとともに抵抗力を高め、自然治癒を目指します。なので、重症化しないうちに対処することが大切になります。 

0.5%程度の塩浴も効果的です。

水面にぷかぷか浮いている

これ自体はさほど大きな問題ではありません。実際にずっとぷかぷか浮いていて健康な個体もいます。

ただ、これが沈もうと思っても沈めないようであれば問題です。おそらく消化不良などによりお腹にガスが溜まってしまっている状態なので、しばらく絶食させましょう。

こちらに関しても塩浴が有効です。また、餌のやりすぎや不適切な餌(鶏肉とか哺乳類の肉など)を与えることによって引きおこされることが多いので、餌の種類や量の見直しを行うといいです。

じっとして動かない

これもこれ自体は問題ではありません。なのでまずは『体表に変化はないか』『餌食いは良好か』『混泳相手にいじめられていないか』などを確認しましょう。

そこに異常があるようであれば、いったん水槽を移動させる、水換えをするなどして様子を見ます。

症状が改善されるまではいろいろ試してみるしかないですね。

急に暴れだす

白点病の初期症状である可能性が高いです、上記、白点病の対策と同じように対応してみてください。

寄生虫が付いてしまっている

魚病薬は極力使いたくないので、ピンセットで直接取り除くしかないです。 

ポリプテルスセネガルスの水槽の立ち上げ方は?

これに関しては詳しく書くとめっちゃ長くなるので、とりあえずここではざっくり書きます。詳しく知りたい方は【60cm水槽で古代魚・肉食魚・中型魚を飼育するのに必要な値段はいくら?】と【熱帯魚の導入方法は?(水合わせ~導入後の飼育方法まで) 】をご覧ください。

まず必要なものは以下の通りになります。

・水槽

・水槽台

・フィルター

・ヒーター

・ライト

・水温計

・砂利

・魚をすくう網

・水替え用のホース

・カルキ抜き等の水質調整剤

・飼育する熱帯魚用の餌

 

これらを用意したら、水槽に水を入れカルキ抜きなどの水質調整剤を入れ、フィルターを回しましょう。

必要であればパイロットフィッシュを入れて2週間くらい飼育すると自然とバクテリアなども繁殖してくるのでおすすめです。

※パイロットフィッシュを入れる?→目的の種類を飼育する前に、アカヒレなどを先に水槽に入れて飼育環境を整える方法。肉食魚を飼育する場合、そのパイロットフィッシュはそのまま餌になることが多いです。

その後、水合わせをしてからセネガルスを導入します。

水合わせの方法ですが、まずは袋をあけずに水槽にぷかぷかと浮かばせて20分くらいかけて水温を合わせます。その後、袋の水をバケツに入れて、そこに水槽の水を少しづつ入れていきます(エアポンプをつなぐチューブなどを使って少しずつ入れてあげるといいです)。この作業も20分くらいかけて行います。

これらの作業で水温、水質が合わせられると思うので、その後、網などを使って魚だけ(バケツの中の水は水槽内に入れない)水槽に入れます。この一連の流れを水合わせと言います。

そして導入後2週間くらいは餌の量を抑えめにします。そこを乗り切れば後は水換えをしっかりしていればかなり丈夫で飼育しやすい種類なので多分大丈夫だと思います。