ABYの熱帯魚図鑑

初心者の方でも、初めて熱帯魚を飼育する方でも分かりやすくお伝えできればと思います。よろしくお願いします♪ちなみにABYとはアクアブロガーよしきの略です(´・ω・`)

ポリプテルスデルヘッジの飼育方法(餌・水温・最大サイズ・レイアウトなど)

ポリプテルスデルヘッジは、小型のポリプテルスの一種で、ポリプテルスセネガルスとならんで、古代魚の入門種的な存在です。

そこまで大きくならないですし、しかもかっこいいのでポリプテルスエンドリケリーはちょっとハードルが高いかな・・・・という方におすすめです。

バンドの種類も豊富でコレクション性も兼ね備えているので、かっこいい魚を気軽に飼育したいという方にはぜひおすすめしたい種類です。

今回はそんなポリプテルスデルヘッジに関して説明していきます。 

ポリプテルスデルヘッジは種類が豊富

f:id:apy1526:20181220135743j:plain

出展:http://www.asahi-net.or.jp/~hs8y-ondr/P50911471.jpg

ポリプテルスデルヘッジと言ってもその姿形は様々です。寸詰まりな体形のショートボディー個体や、アルビノ個体、プラチナ個体も存在します。

アルビノとプラチナの違いですが、まずプラチナ個体の方は眼が赤くなりません。またプラチナ個体のほうがなんとなく輝いている感じがします。

またショートボディー個体に関してはその中でもショート、セミショート、ウルトラショートなど様々な種類が存在しています。あんまり寸詰まりすぎるとかっこよくないので個人的にはちょっと背中が盛り上がってるかな?くらいのセミショート個体がおすすめです。

バンドの種類も豊富

また、体の形や色だけでなく、バンドの入り方によっても名前が分かれています。 

ロイヤルバンド

通常のデルヘッジが写真のような個体だとすると、ロイヤルバンドとは上記の写真よりバンドが乱れるような個体を指します。

タイガーバンド

ロイヤルバンドと比べると、よりまだらにバントが入ります。かなりかっこいいですすが、高価でしかもなかなか見かけません・・・。

バンドレス

バンドレスと言って、バンドが全く入らない個体も存在します。

普通のデルヘッジに混ざって売られていることもあります。うちの弟も飼育していたのですが、それは普通のデルヘッジとして売られていた個体です。『大きくなったらバンドも出てくるでしょう』と軽く考えていたみたいですが、大きくなってもそのままっだのでかなり残念がっていました(笑)。

個人的にはなんでバンドが魅力のデルヘッジのバンドがないバージョンをわざわざ買わないといけないのか分からないですが(笑)、そういった個体も販売されています。

寿命は?

約10~15年です。 

最適な水質(PH)と水温は?

水質は弱酸性~中性(PH6.6~7くらい)を好みますが、かなり丈夫な種類なので、極端に酸性やアルカリ性に傾かなければ問題ありません。

水温に関しては22~27℃程度です。 

外鰓(エラ)に関して

これはデルヘッジだけでなくポリプテルスに特有のもので、幼魚や稚魚に見られるものです。成長とともに消失したり、他の魚につつかれたりして徐々に消失していきます。そして消失した外鰓は復活しません。

ただ、これが無くても問題なく飼育できるのでそこまで心配しなくても大丈夫でしょう。

最大サイズと必要な水槽の大きさについて

最大サイズは成魚で25~30cm程度です。まれに40㎝近くまで成長する個体もいますが、だいたいは30㎝いかないくらいで成長が止まります。

単独飼育、もしくは3匹くらいまでの混泳であれば60㎝規格水槽で十分でしょう。ただそれ以上の匹数を考えているのであれば、ろ過能力的にも90㎝以上の水槽を選んだ方がいいです。また、3匹程度だと変にテリトリー意識をもって喧嘩する恐れがあるので、結局混泳するのであれば60cm水槽はおすすめできません。5匹程度であれば、60×45×45㎝の水槽を選ぶのも手です。

ちなみに45㎝水槽でもある程度の期間は飼育可能ですが、終生飼育は難しいと考えた方がいいでしょう。最低でも60㎝水槽は用意した方がいいです。

成長速度は?

餌やりの量と頻度次第ですが、成長速度はそこまで早くないです。

10㎝前後の個体を購入したとして、まあ普通に餌を与えた場合(1日2回、2~3分くらいで食べきれる量を与えた場合)、だいたい1年くらいでその個体の最大全長の7~8割くらいに成長します。なので最大30㎝まで成長するポテンシャルの個体だったら20~25㎝くらいですかね。あくまで一般的な目安ですが。

なかなか大きくならない場合は何をすべき?

水温を28~30℃くらいと、比較的高めに設定する。メダカ漬けにする。水換えを頻繁に行う、などで新陳代謝が高まりより早く大きくなります。

また、大きくしたい場合は幼魚、稚魚の時に餌を十分に与える必要があるので、餌が切れるのを防ぐ必要があります。

ただ一方でやはりコスト面で負担がかかってしまいますし、栄養バランスも偏るので、グッピーを繁殖させたり、人工飼料、冷凍赤虫なども与えたほうがコスト的にも栄養バランス的にもよいでしょう。

 

餌は?人工餌には慣れるの?

生き餌の場合は、メダカ、小赤などがメインになると思います。後は栄養バランスの偏りを防ぐために生餌として冷凍赤虫も与えてもいいでしょう。

ただやはりお金もかかりますし、病気の持ち込みなども考えられるので、これらが不安な場合は人工餌に慣らせた方がいいです。

人工餌に餌付かせたい場合は、まず冷凍赤虫やクリルに慣らせる⇒そのにおいを付けたキャットを与える⇒この流れで餌付ければほとんどの個体が餌付きます。

ただやはり個体差があるのと、比較的大きな個体(15㎝以上)で、ずっと生餌しか与えられていなかった場合は餌付けに時間がかかる場合もあります。でもなかなか餌付かないからといってクリル単食は絶対にやめましょう。栄養が偏って背中が曲がったり、突然死する場合があります。

また、牛ハツを与えるという方もいらっしゃいますが、自然界で牛ハツを食べることはまずありませんし、消化不良を起こしてしまう可能性があるのであまりおすすめはできないです。

餌を食べない場合の対応

餌を食べなくなる理由は様々ですが、メダカ漬けの個体はけっこう餌を食べなくなりやすいです。

飽きるというのもありますが、常に餌がある状態なのでそこまで必死に餌を食べなくてもいいとなってしまうからです。これが理由で餌食いが落ちるということがあります。

後は水質だったり混泳相手が理由ということもあります。理由は様々で一概にこれ、とは言えないので詳しくはこちらの記事【スネークヘッド・大型魚・古代魚の拒食症を防ぐ】をご覧ください。 

アロワナとかと混泳はできるの?

泳ぎが速い種類ではなく、また温和なので大型ナマズなどの気が強い種類との混泳は向きません。また、そこまで大きくなる個体ではないので大きくなるアロワナなどとの混泳もあまりおすすめできません。プレコにも体表を舐められてしまう危険性があるので、おすすめしません。 

サイズにあまり差がないポリプテルス同士、例えばポリプテルスセネガルス

ポリプテルスパルマスポーリーなどとの混泳であれば上手くいく可能性が高いです。ただ、同種同士を混泳させる場合は、2,3匹だと変にテリトリー意識を持ってしまうので、5匹以上の混泳をお勧めします。その場合は90㎝水槽以上の大きさが必要になります。

また、生活スペースが被らないエンゼルフィッシュやグラミー(両種とも口に入らない大きさがあるという前提)と混泳させている人もいます。

ちなみに僕はレインボースネークヘッドと混泳させていましたが、とくに問題なく飼育できていました。

おすすめのフィルター(濾過器)は?

肉食魚で水を汚しやすいのでろ過力が高くメンテナンスも楽な上部フィルターをおすすめします。

まめに底砂の掃除をできるのであればろ過力が高く、見た目もすっきりする底面フィルターでもいいかもですが、ボクは途中で心が折れました(笑)。

ポリプテルスデルヘッジは寿命も長いので、長い期間メンテナンスを継続しないといけないと考えるとやはり上部フィルターがいいのかなと思います。

【参考記事】

www.yoshiki-diary.com 

どんなレイアウトにすればいい?

まず、ポリプテルスデルヘッジの魅力であるバンドを最大限に生かしたいなら底砂は敷いた方がいいです。

底砂の色に関してですが、なるべく濃い方がいいでしょう。魚の体色というのはその周りの環境の色にかなり影響されます。なので濃いバンドを目指すのであれば暗めの底砂を敷いてあげましょう。

また常に底にいるので、角ばった底砂を敷いてしまうとお腹が傷ついてしまい、そこから雑菌が入ってしまう可能性があるので、丸みを帯びた底砂を敷くようにしましょう。一般的にはガーネットサンドを敷く人が多いです。

状態よく飼育したいだけならベアタンクでも飼育できますが、色がぼやけてしまうのであまりおすすめできません。

流木とか土管とか水草は入れた方がいい?

混泳させるのであれば、いじめられた個体が逃げられるような流木、土管は入れてあげた方がいいでしょう。水草に関してはどっちでもいいです。見た目の問題ですね。もし入れるならアヌビアスナナなどの丈夫な水草がいいでしょう。

水換えの頻度はどれくらいがベスト?

基本は1週間に1回、1/2~1/3を換えるのがベストです。ただまあポリプテルスデルヘッジは上部なので2週間に1回くらいでもいいかもしれません。そこらへんは状態をみて判断しましょう。よく分からなければ1週間に1回、1/2~1/3の水換えをおすすめします。

緑化させたい(させたくない)んだけど・・・

緑化とは何かというと、まあその名の通り体色が緑っぽくなることを指します。

緑化させたい場合ですが、まず緑化するポテンシャルを持っている個体とそうでない個体がいるということを理解しないといけません。そしてそれは見た目じゃ全く分からないです。なので飼育してみないと分からないわけですね。

ただ緑化させやすい環境をつくることは可能です。よく言われているのが【大磯がいいいよ】ということです。ガーネットもいいようです。なのでこれらの底砂を敷いてみるといいのではないでしょうか。

させたくない場合はその逆でベアタンクにしたり、明るめの底床を敷けばいいと思いますが、そするとバンドも薄くなるわけで・・・・まああとは任せます(笑)。

ただそこまで緑化しやすい種類ではないので、させたくない人はそこまで気にしなくてもいいかなと思います。 

【重要】病気になった際の対応に関して

 古代魚には基本的に魚病薬は使えないので、まずは病気にならないように定期的な水換えを行うこと、日々の観察をしっかり行うことが大切です。

もし病気になった場合に関しては、まず水を半分程度取り換えます。その後水温を1日1℃ずつ上げ、28℃にします。餌に関しては今までよりも少し多めに与え、かつ毎日1/4程度の水替えを行います。そうすることで病原菌を水槽外に排出するとともに抵抗力を高め、自然治癒を目指します。なので、重症化しないうちに対処することが大切になります。

ただ、イカリムシや、ウオジラミが付いた場合はピンセットで直接取り除くしかないです。

ぜんぜん動かないんだけど・・・

原因はいろいろ考えられます。

水質が合っていない(悪化している)、いじめられてる、病気、寿命、そもそもあまり動かない個体・・・などなど。ひとつずつつぶしていくしかないですね。 

ポリプテルスデルヘッジの飼育方法まとめ

たいへん丈夫な種類なので、基本を守って飼育していれば特にトラブルなく飼育できると思います。ただ、その丈夫さ故、「まあ、ちょっとくらい水換えをさぼっても大丈夫でしょう」と思って水換えを怠ってしまうとある日コロッと☆になってしまうこともしばしば・・・。

エンドリのようなバンドあってカッコいい、コレクション性もある、飼育しやすい、水槽も単独飼育であれば60cm水槽で終生飼育可能・・・とたくさん魅力的な点がある種類ですので、日々の管理も怠ることなく長ーく付き合っていきましょう。寿命も長いですしね☆

ちなみに、この記事をよんでポリプテルスデルヘッジを飼育してみたいと思ってくれた方、ぜひこちらの記事【60cm水槽で古代魚・肉食魚・中型魚を飼育するのに必要な値段はいくら?】をあわせてご覧ください。本種の飼育に何が必要でいくらかかるのかが分かります。