ヨシノボリと言っても、ある特定の1種を指しているわけではなく、ハゼ亜目ハゼ科ヨシノボリ属に分類される魚の総称です。
日本全国の河川に生息しており、捕まえて飼育される方も多いかと思いますが、意外と長生きさせるのは難しかったりします。
ただ、ポイントを抑えれば長生きさせることは可能なので、そのポイントを抑えつつ、ヨシノボリの飼育法に関して説明していきます。
また、捕まえたヨシノボリを飼育するのは、ショップで買ったヨシノボリを飼育するのとはまた違ったコツが必要です。そこら辺はこちらの記事【川や池で捕まえた魚を持ち帰って飼育してみよう! 】で解説してるのでよかったらご覧ください。
- 日本にはどんな種類がいるの?
- どこで販売されているの?価格は?
- 寿命は?
- 大きさ・適切な水槽サイズは?
- 適切な水温・水質は?
- 餌は?人工飼料には餌付くの?
- ヨシノボリの性格は?混泳は可能?
- おすすめのフィルターは?
- 水流はあったほうがいい?
- どんなレイアウトにすればいい?
- かかりやすい病気は?
- 結局、ヨシノボリの飼育って難しいの?
- まとめ
日本にはどんな種類がいるの?
日本には代表的なところで言うとクロヨシノボリ、シマヨシノボリ、トウヨシノボリ、
オオヨシノボリ、カワヨシノボリ、ルリヨシノボリなど・・・14種類が確認されています。
カワヨシノボリのように一生を河川で過ごす種類もいれば、仔魚の時は海で過ごしてその後河川に遡上する種類もいます(こちらの方が多いです)。
ただショップなどで売られているヨシノボリはある程度育った個体なので、塩分などは気にしなくても大丈夫です。
どこで販売されているの?価格は?
一般的なペットショップや熱帯魚ショップではあまり見られないかもしれません。淡水魚に力を入れているショップか、もしくはcharmなどのネットショップを利用するのがいいかと思います。
またそれでも結構根気強く探さないとなかなか巡り合えません。
ただ価格自体は割と安く、高くても1000円前後で販売されています。
寿命は?
飼育環境にもよりますが3~4年くらいです。
大きさ・適切な水槽サイズは?
代表的な種類をまとめます
・オオヨシノボリ・・・10~12㎝
・カワヨシノボリ・・・4~6㎝
・トウヨシノボリ・・・5~7㎝
・シマヨシノボリ・・・5~8㎝
・ルリヨシノボリ・・・10㎝
参考:https://aqua.stardust31.com/kt-namae.shtml
こちらを見ても分かるように、大きくても10㎝程度なので、単独飼育であれば30㎝キューブ水槽でも飼育可能ですし、他の魚と混泳する場合であってもその混泳相手にもよりますが45㎝水槽や60㎝水槽があれば問題ないでしょう。
【おすすめ】
適切な水温・水質は?
河川の中~上流に住んでいるので、やはり高水温は好みません。25℃くらいを上限とするのが理想的ですが、夏場はあまり現実ではないでしょう。
そので使用するのが【水槽用のクーラー】か【水槽用のファン】になりますが、水槽用のクーラーはかなり高価です。まともなものを購入するとなったら30000円は覚悟しないといけません。
まあ価値観にもよりますが、これを聞くとそんなにお金がかかるなら飼育しなくていいや、となる人が大半かと思います。
なので現実的には【水槽用のファン】を使用することになるでしょう。このファンの冷却の仕組みは単純で、飼育水に風をあて、水が蒸発する際の気化熱を利用して水温を下げるというものです。
ただ、ここでも注意してほしいのが、このルリヨシノボリは水槽をよく飛び出すということです。なので、水槽のふたを全開にして、そこにファンを当てる、ということはできません。
ではどうするかと言うと、ろ過槽のふたを開けてそこを通っている水にファンを当てるのです。そうすることによって飛び出しを防止しつつ、水温を下げられます。しかも安価で(笑)。
また水質に関しては、PHに特別うるさいとかはないですけど、水質の悪化には比較弱いです。なので週1回、全水量の1/3程度の定期的な水換えは欠かさないようにしましょう。
餌は?人工飼料には餌付くの?
これは種類にもよりますし、捕まえてきた個体かショップで購入した個体かによっても変わりますが、人工飼料に慣れやすい種類ではないと思っておいた方がいいです。
まずは冷凍赤虫に慣らせる⇒その赤虫のにおいを付けたクリルを沈めて与える⇒そのクリルのにおいを付けたキャットや金魚の餌を与える。この流れで早ければ1~2週間くらいで人工飼料に餌付きます。
また、キャットは【肉食魚】用の人工飼料になります。ヨシノボリは自然界では雑食性なので、金魚の餌に慣れさせた方がいいかと思います。
それでもなかなか食べてくれないという場合はこちらの記事【肉食魚・古代魚・大型魚への人工飼料の餌付け方法まとめ 】をご参考ください。
なかなか餌を食べない場合はどうすればいい?
これに関しては、人工飼料を食べないというだけてあれば上記の方法を試してもらえればいいのですが、赤虫すら食べないということだと少し厄介です。
まだその水槽に慣れていなかったり、混泳魚にいじめられていたり、水質の悪化しているなどの原因が考えられます。まずは定期的な水換えを行いつつ根気よく赤虫を与えてみましょう。
水換えしたり、隔離してあげたり、なるべく音を立てないようにしてみたり、あるいはアカヒレなどの生き餌を与えてみたり。。。いろいろと試してみましょう。
ある日突然食べるようになったりします。
ヨシノボリの性格は?混泳は可能?
ヨシノボリというか、ハゼの仲間は全体的に気が荒いので、混泳に向いているとは言えません。
とはいえヨシノボリの単独飼育はさすがに寂しいと思うので、もし混泳するのであればヨシノボリの餌にならず、温和で、ヨシノボリより大きい魚を選ぶといいかと思います。
ちなみにいろんなところで質問を見かけるヤマトヌマエビとかドンコとの混泳は基本NGです。
エビは餌になる可能性が高いですし、ドンコの場合は逆にヨシノボリが食べられてしまう可能性があります。
おすすめのフィルターは?
おすすめは上部フィルターです。理由は4点あります。
①ろ過力が大きい
➁メンテナンスが楽
➂ろ過槽のふたを開けてそこにファンを当てられる
④飛び出し対策が楽
特に➂と④は見逃しがちですが、結構重要です。③は水温のところでお話しした通りです。
④に関しては水槽上部の半分を上部フィルターで覆うことができ、あとの半分はガラスフタでカバーすればいいので飛び出し対策が楽なのです。
例えば外掛けフィルターとかだと➂の条件は満たしますが、④の飛び出し対策が結構大変です。まあこれは設置してみれば分かりますが、変な細かい隙間が大量にできてそれをカバーするのがすこぶる大変なんです。
また底面フィルターの場合は①④の条件は満たしますが、➁と➂の条件を満たせません。とかとかいろいろ考えると上部フィルターが適切かなと思います。
エアレーションは必要?
必要ですね。特に夏場の酸欠を防ぐためは必須です。
出来ればエアポンプに水作エイトなどをつなげられればろ過もできるので理想的ですが、ぶくぶくだけでもしてあげたほうがいいです。
水流はあったほうがいい?
基本的には河川に住んでいるケースが多いので水流はあった方がいいです。ただ、こちらに関しても上部フィルターを使用していれば自然と水流が発生するのでそれで十分かと思います。
どんなレイアウトにすればいい?
また底砂に関してですが、基本的に本種は底の方にいることが多いので粒が角ばっているようなものは避けましょう。田砂を使うとそれだけで日淡水槽!という雰囲気を作れるのでおすすめです。無難に 大磯砂でもいいでしょう。
また、混泳をさせるのであれば、必ず土管など、隠れられる場所を多めにつくってあげましょう。いじめられた個体の逃げ場所になります。
水草は何を入れればいいの?
まず、水草に関しては入れても入れなくてもどっちでもいいです。
ただ入れた方が見た目が良くなりますし、いじめられた個体の逃げ場所にもなったりするので、あまり手間がかからない水草を入れてあげるのが正解かと思います。
例えばマツモであればかなり丈夫ですし、しかも水槽にぷかぷか浮かべておくだけで大丈夫なのでおすすめです。
また、より水草について詳しく知りたいという方はこちらの記事【日本淡水魚飼育におすすめの水草8種まとめ 】をご覧ください。
かかりやすい病気は?
ここら辺は一般的な日本淡水魚とあまり変わりません。
適切な環境で飼育していればめったにかかりませんが、かかるとすると白点病、水カビ病、尾ぐされ病などにかかりやすいです。
白点病
体全体に白い斑点が付く病気です。
まず、水槽の1/3~1/2の水換えを行い、白点虫を追い出します
その後、ニューグリーンF、アグデン、グリーンFリキッド、グリーンFクリアーなどを投入して薬浴します。水草が入っていないのであればグリーンFリキッドもいいと思います。
上記に加えて0.5%程度の濃度での塩浴(食塩を水槽に入れること)も効果的です。
尾ぐされ病
初期段階では、尾びれの先端が白く濁り、そこが赤く充血します。また、症状が進行するとヒレがとけ始め、重症化すると鰭条部分だけになってしまいます。
飼育水を1/2程度換え、グリーンFゴールドなどの尾ぐされ病治療用の薬を投薬します。
上記に加えて0.5%程度の濃度での塩浴(食塩を水槽に入れること)も効果的です。
水カビ病
体表にカビのようなものが付着します。重症化するとカビの部分が拡大していき、周辺部分がが赤く充血することもあります
飼育水を1/2程度替え、グリーンFリキッドを投入します。(アグデン、ニューグリーンFでも対応できます。
また、塩分濃度が0.5%程度になるように食塩を入れてあげると回復が早くなります。
結局、ヨシノボリの飼育って難しいの?
最初にも言いましたが、そこまで難しくはありません。ポイントを抑えれば他の魚と同じように飼育できるかと思います。
その抑えるべきポイントはずばり
①水温
➁飛び出し
➂混泳
です。
①の水温に関しては、水槽用のファンを使用して夏場でも30℃を超えないようにすること。
➁の飛び出しに関しては、どんなに小さな隙間でもふさいでおくこと
➂の混泳に関して、とくにヨシノボリ同士を一緒に飼育する場合は注意が必要で、先ほど書いた、土管などのシェルターが必須になるかと思います。またあまりに激しく争うようであれば隔離することも考えなくてはいけません。
まとめ
ヨシノボリの記事って意外と文字数が多くなりがちということが分かりました。