ABYの熱帯魚図鑑

初心者の方でも、初めて熱帯魚を飼育する方でも分かりやすくお伝えできればと思います。よろしくお願いします♪ちなみにABYとはアクアブロガーよしきの略です(´・ω・`)

初めての熱帯魚水槽の立ち上げ方・失敗しないコツを解説します

この記事を読んでいる人は、おそらくこれから熱帯魚飼育を始めようと思っていることかと思います。

熱帯魚って飼育を始める前は難しいというイメージがあるかと思います。職場でも、『へー、熱帯魚飼ってるんだ!いいなー、でもなんか難しそう・・』と言われます。

ただ、ボクはもう17?18?年くらい熱帯魚飼育の経験もありますし、熱帯魚ショップでの勤務経験もありますが、正直そこまで難しくないです。

なのでそんな気を付けなくてもぶっちゃけ大丈夫じゃね?という気もしないでもないですが、まあやっぱりせっかく熱帯魚飼育を始めるのであれば失敗したくないですよね。

なのでこの記事では、熱帯魚水槽の立ち上げ方・失敗しないコツを解説します。

立ち上げに必要な用品や、それにかかる費用に関してはこちらの記事【【初心者向け】熱帯魚水槽の立ち上げに必要なものは?費用はどれくらい?】をご覧ください。

  

 

立ち上げで失敗しないコツ【立ち上げる前に注意すること】

はっきり言ってこの立ち上げる前の事前準備が、立ち上げが成功するかのカギを握っているといっても過言ではありません。

ここで失敗してしまうと、立ち上げ後どんなに頑張っても立て直せない場合が多いです。

なのでしっかりと準備した上で熱帯魚水槽の立ち上げを行いましょう。

2週間、から回しする必要はあるの?

おそらく熱帯魚を飼育したことのない人が書いた、アクセス数稼ぎのための記事の中にはよく『いきなり魚を導入するのは良くない』『最低でも2週間から回しした方がいい』という意見をよく見ます。

この意見の根拠になるのが、【バクテリアが水槽立ち上げ当初はまだ発生していないから】というものになります。

このバクテリアというのは簡単に言うと、水槽の水をきれいにしてくれる菌みたいなものです。

※細かく知りたい方はこちらの記事【水槽内でのバクテリアの役割とは?【バクテリアの種類も解説するよ】】をご参考ください。

まあこう聞くともっともっぽく聞こえますが、魚をいれないとバクテリアなんてほとんど繁殖しませんし、後述する餌の量の調整と水換えの頻度の調整でなんとでもなります。

だいたいみなさん水槽のセットを熱帯魚を一緒に買いますよね?特に近くに熱帯魚ショップが無い場合はcharmなどのネットショップで揃えると思いますが、2回に分けたら余計に送料がかかってしまいます・・・。

よって2週間から回しするというのはあまり現実的ではないし、メリットも薄いわけです。なので別にから回ししちゃダメということはないですけど、する必要は全くないと言えます。 

パイロットフィッシュは必要?

パイロットフィッシュというのは、肉食魚飼育や、比較的デリケートな熱帯魚を飼育する際に用いられます。

メインの魚を導入する前に、水量に合わせて数匹から十数匹の、なんでもいいので丈夫な熱帯魚(←これがパイロットフィッシュ!)を水槽に入れておきます。

2週間くらいするとバクテリアが繁殖してくるので、そのタイミングでメインの魚を導入するというものです。メインで飼育するのが肉食魚の場合、パイロットフィッシュとして入れていた魚はそのまま餌になります。

これを読んで思った方も多いかと思いますが、初めて熱帯魚水槽を立ち上げる場合はそもそも丈夫な熱帯魚を選ぶことが多いかと思うので、基本的にはパイロットフィッシュは必要ないと思ってもらって大丈夫です。

また、肉食魚を飼育する際も別に絶対に入れないといけないということはありません。僕もスネークヘッドを飼育していますが、パイロットフィッシュは入れてなかったです。 

飼育したい熱帯魚の情報を仕入れる

さてここである程度情報を整理した上で次は飼育したい熱帯魚の情報を仕入れましょう。もしまだ飼育したい魚が決まっていなければ、こちら【どんな魚を飼育すべきか迷っている人へ 】ご覧ください。様々なカテゴリーでまとめているので、飼育したい熱帯魚が見つかるはず。

そして飼育したい熱帯魚が決まったら、情報を細かく仕入れましょう。このブログでもいいし、他の人のブログでもいいし、本でも店員さんでもいいです。

ただ注意してほしいのが、情報源を一つにしないこと。いろんなところから情報を仕入れて、その中で共通性の高いものを選択していけば大きく間違うことは無いかと思います。

個人ブログは明らかに間違った内容が載っていたりすることも多いので特に気を付けましょう。僕のブログは大丈夫だとは思いますが笑、それでも必ず他の情報源にもあたってくださいね。

また、情報を仕入れる際に特に気にしてほしいのが

①大きさ(最大サイズ)とそれに伴う必要な水槽サイズ

➁その熱帯魚が好む水温・水質

➂混泳(他の熱帯魚と一緒に飼うこと)は可能か

の3点です。

その中でも①に関しては、必ず確認しましょう。ここでの情報不足は一番致命的になります。

➁に関しては、基本的にほとんどの種類はは普通に水換えをして、ヒーターを26℃前後に設定すれば大丈夫なのですが、例えばサンゴを入れるなどしてアルカリ性に傾けないといけない種類がいたりもするので、飼育する前に確認しておきましょう。

➂も意外と大切です。例えば見た目が可愛淡水フグの仲間も基本的には混泳はできません。 

用品と生体を買いに行く

買いに行く、と書きましたが、近くにショップが無い場合は、charmで揃えましょう。

ネットショップの中では一番用品と生体の品ぞろえのバランスがいいですし、5980円以上であれば送料無料です。そして何より大手ならではの安心感が半端ないです。僕もだいたいネットで買うときはcharmを利用しています。

ただ、近くにショップがある場合は、生体だけはショップで買ったほうがいいです。charmの場合、ほんとの高級魚以外は個体選別ができないというデメリットがあります。

自分で選んだ方が愛着もわきやすいと思うので、生体に関しては特別な事情が無い限りショップで購入することをおすすめします。

生体を選ぶ際の注意点

これは当然ですが、元気に泳ぎまわっていて、色つやのいい個体を選びましょう。逆に、底の方でじっとしている個体や、本来の色味よりも白っぽくなている個体は選ばないようにしましょう。

自分が水槽に顔を近づけたときに寄って来てくれる個体なんかがいいかと思います。

また、もちろんヒレなども切れていない個体がいいのですが、『どうしてもこの色味の個体がいい!でもヒレがぼろぼろ・・・』という場合は、ヒレが根元からなくなっているわけでないのであれば購入しちゃって大丈夫です。

※ただし、他の魚に噛まれてボロボロなのか、病気でボロボロなのかは店員さんに確認しましょう。当然ですが、病気の場合は購入を見送ります。

あと大事なのは購入する際の匹数です。当然ですが水量に対して匹数が多ければ水は汚れやすいですし、少なければ水は汚れにくいです。

これは人によって基準は違いますが、ネオンテトラ1匹に対して2L必要という基準を一つ持っておくといいでしょう。また、ざっくりですが、以下の個人的にはまあ安心だろうという基準を載せておきます。

 

・グッピーなど、最大サイズが5㎝程度の種類⇒ 2Lで1匹

・オスフロ以外のグラミー(最大10~15㎝程度)⇒10Lで1匹

・エンゼルフィッシュ⇒30Lで1匹

・ディスカス⇒40Lで1匹

 

こんな感じですね。また代表的な大きさの各水槽の水量に関してですが以下の通りになります。

 

・30×30×30㎝(30㎝キューブ水槽と呼ばれるサイズ)→約25L

・45×30×30㎝(45㎝規格水槽と呼ばれるサイズ)→約32L

・60×30×36㎝(60㎝規格水槽と呼ばれるサイズ)→約57L

 

これらを一つの目安として飼育する匹数をご検討ください 。

迷ったら少なめで!

用品を選ぶ際の注意点

特に大切なのは水槽フィルターです。ヒーターも大事じゃん!と思われる方もいるかもですが、ヒーターに関しては水槽の水量によって決まるので、こちらで選ぶ余地はないのです。

水槽とフィルターは自由度が高いだけに注意が必要です。水槽に関しては上で話した内容でイメージは付いたと思います。まあ迷ったら大きめの水槽、個人的には60㎝水槽を選ぶのがおすすめです。これは実際に使ったら分かりますが、管理のしやすさがほかの水槽とは段違いです。

次にフィルターに関してお話しします。

やはりフィルターのろ過力に関しても、大きければ大きいだけいいです。

ただ、ろ過力を大きくしようとするとどうしてもフィルター本体も大きくなると思うので、フィルターの見た目とろ過力のバランスを取りたいというのがリアルなところかと思います。

そこで、飼育したい熱帯魚と必要なろ過力に関して考える必要があります。

例えばネオンテトラとかであれば匹数を抑えればそこまでろ過力を必要としないので、投げ込みフィルターだったり外掛けフィルターで十分ですし、肉食魚を飼育しようとしたら、それらのフィルターではろ過力は十分ではなく、よりろ過力が高いフィルターを購入する必要があります。

ちなみに上部フィルター・外部式フィルター・底面フィルターは3種類ともろ過力が高いですが、外部式フィルターと底面フィルターはメンテナンスが面倒です。一方上部フィルターはメンテナンスは楽ですが、見た目はいまいちです。 

めんどくささはなかなか慣れないですが、正直見た目に関しては慣れちゃうので、迷ったら上部フィルターを選べば大きな失敗はないでしょう。肉食魚を飼育する場合はだいたい上部フィルターを使用している人が多いです。

上部フィルターとか底面フィルターとかよく分からない、という場合はこちらの記事【水槽用フィルターのろ過力・性能を徹底比較!それぞれおすすめ機種も紹介します】をご覧ください。

 

熱帯魚水槽の立ち上げ方・立ち上げ後に失敗しないコツ

ここまできたら、正直あとはやることは決まっているので、やりやすいかと思います。そしてここから先はどのブログを読んでも、誰に聞いてもほとんど同じ内容になるはずです(笑)。

立ち上げに必要な用品はざっくり以下の通りになります。

 

・水槽

・水槽台

・フィルター

・ヒーター

・ライト

・水温計

・砂利

・魚をすくう網

・水替え用のホース

・カルキ抜き等の水質調整剤

・飼育する熱帯魚用の餌

 

詳しくはこちらの記事【【初心者向け】熱帯魚水槽の立ち上げに必要なものは?費用はどれくらい?】で解説しているのでよかったらご覧ください。

まずは水槽を設置します

設置する場所ですが、水平な場所でかつ直射日光が当たらないところにしましょう。これに関しても水槽や、水槽台の説明書的なものに詳しく書いてあります。

設置後、ヒーター、フィルターなど必要な用品を設置して水を入れましょう。その際にカルキ抜きなどの水質調整剤を入れると思いますが、カルキを抜くだけでなく、重金属を取り除いたり、粘膜保護をしてくれるようなものを選ぶといいです。

多分他の記事でも腐るほど言ってますが、個人的にはテトラ パーフェクトウォーターがおすすめです。僕もずっと愛用しています。

その後、水温がヒーターの設定温度になるのを待ちます。

水合わせをしましょう

買ってきた熱帯魚をの袋をいきなりあけて、そのまま水槽に入れてしまうと、水質の急変からPHショックを起こしてしまったり、水温の変化で弱ってしまう可能性があります。

そこで、【水合わせ】というものを行う必要があります。

水合わせとは、熱帯魚の水槽導入前に、袋の中と水槽内の水温・水質を合わせてあげる作業のことを言います。この作業をさぼってしまうと、デリケートな種類はそれだけで死んでしまうこともあります。

やり方に関してはそこまで難しくありません。まずは袋をあけずに水槽にぷかぷかと浮かばせて20分くらいかけて水温を合わせます。その後、袋の水をバケツに入れて、そこに水槽の水を少しづつ入れていきます(エアポンプをつなぐチューブなどを使って少しずつ入れてあげるといいです)。この作業も20分くらいかけて行います。

これらの作業で水温、水質が合わせられると思うので、その後、網などを使って魚だけ(バケツの中の水は水槽内に入れない)水槽に入れます。この一連の流れを水合わせと言います。

導入から2週間までのケア

経験上、よほど下手な水合わせをしない限り、導入で失敗することはほとんどありません。

どちらかというと導入後の飼育方法でミスってせっかく買った熱帯魚が死んでしまった・・・・というパターンの方が多いです。なのでそうならないように以下のことはしっかりと守りましょう。

餌の量と頻度はを抑える

熱帯魚用の餌の後ろを見ると【1日2回から3回、数分で食べきれる量を与えてください】とありますが、水槽を立ち上げた当初は1日1回程度で、かつ与える量も少な目に抑えていただいた方が無難です(まだろ過バクテリアが繁殖していないので)。

その基準で2週間くらい様子を見て、徐々に量と頻度を増やしていった方がいいです。

ただ、肉食魚、大型魚に関しては数分で食べられる量を与えてしまうとかなりの量になると思うので、時間で区切るのではなく飼育魚のお腹が少し膨れるくらい、というのを意識してください。

またこれは常に意識はしてほしいのですが、特に導入当初は食べ残しがあった場合はしっかり取り除いてあげましょう。

水換えの頻度も多めに

基本的には週1回、全体の水量の1/3程度を換えます。ただ、水槽の立ち上げ当初はバクテリアが満足に発生していないので、2週間くらいは2日に1回、1/4程度の水換えをお勧めします。

ちなみに、よほど水質が悪化したり、コケが大量発生しない限りは全水換えはしないほうがいいです。せっかく繁殖したろ過バクテリアが全て水槽外に取り除かれてしまいます。

また、「水がきれいだったら、水換えとかしなくてもいいんじゃない?」と思う方もいるかもしれません。でも見た目がきれいだからと言ってそれが魚に取って住みやすい環境かというと、また別だったりします。

 

初めての熱帯魚水槽の立ち上げで失敗しないコツまとめ

立ち上げ方に関しては、上記の通り、ほぼ決まっているので、失敗しないコツをまとめます。

 

①しっかり調べる(特に大きさ・水温・水質・混泳可能か)

➁元気な個体を選ぶ

➂水槽に多く入れすぎない

④水槽は大きい方がいい(迷ったら60㎝水槽)

➄ろ過力は大きい方がいい(迷ったら上部フィルター)

⑥水合わせは慎重に

➆導入後から2週間は餌を控えめに

⑧導入後から2週間は水換えの頻度多めに

 

以上です。

今更ですけど、めんどくさがりの人はこのまとめを読むだけでもいいかもしれません。

また、熱帯魚飼育に関する基礎知識をより深めたいという人は以下の記事をご覧いただくといいかと思います

【初心者向け】熱帯魚水槽の立ち上げに必要なものは?費用はどれくらい?

【知らないとヤバイ】熱帯魚飼育の基礎知識を学ぼう

水槽内でのバクテリアの役割とは?【バクテリアの種類も解説するよ】