ブラックアロワナ(学名:Osteoglossum ferreirai、英名:Black arowana)ブラジルのネグロ川、ブランコ川が原産のアロワナの仲間で、その名の通り体に黒いラインが入るのが特徴的な種類です。
その黒のラインも成長とともに消失してしまい、見た目がほぼシルバーアロワナと変わらなくなってしまうのが少し残念な点ですが、、成長とともにヒレが青くなり、オレンジ(イエロー?)に縁どられるので、そのコントラストが美しく人気の種類です。また、シルバーアロワナと比べて目垂れを起こしづらいのでそこら辺んも本種の魅力の一つかもしれません
一方でアロワナの仲間ではデリケートな種類で飼育が難しいとされています。今回はそんはブラックアロワナの飼育法に関して説明します。
ちなみに幼魚↓
18㎝の個体↓
どこで販売されているの?価格は?
シルバーアロワナと違いコンスタントに入荷するわけではないので、いつ行っても手に入るような種類ではないです。
なのである程度の規模のショップに定期的に通う必要があるかもしれません。ただ、charmなどのネット通販を使えばわりとよく見かけるので利用してみてもいいかと思います。
価格に関しては、10㎝以下の個体で5000~7000円くらいです。20㎝以上だと20000円は超えると思った方がいいですね。
寿命は?
10~15年くらいです。
大きさ・適切な水槽サイズは?
自然界では1mを超える個体もいるみたいですが、水槽内ではせいぜい70㎝くらいです。
ですが70㎝に成長することを考えると最低でも120×60×60くらいの規模の水槽は欲しいですね。
盆栽飼育は可能?
盆栽飼育とは、水槽を小さく抑えることで飼育している魚の大きさも小さく抑えることを言います。
確かにシルバーアロワナよりも大きくはならないことから【90㎝水槽でも飼育できる】という意見もありますが、長期飼育は難しいでしょう。おそらく背曲がりや拒食、顎ずれなどの異常がでてくるかと思います。
僕の父親がシルバーアロワナを飼育していたのですが、体が柔らかいぶん、水槽の縦の長さを無視して大きくなります。なので90㎝水槽でも60㎝近くあったんじゃないかな??正直かなり狭そうでした。
そしてブラックアロワナも体が柔らかいのでそうなる可能性が高いです。なので40㎝くらいまでは90㎝水槽でもいいですが、45㎝(90㎝規格水槽の縦幅)を超えてきたら120㎝水槽に移行してあげましょう。
成長速度は?
もちろん餌を与える量にもよりますが、10㎝以下の稚魚でも2年もあれば50㎝くらいに成長する場合がほとんどです。早い個体では1年くらいでしょう。なので1~2年目までは90㎝水槽でもブラックアロワナの成長を楽しめます。いきなり120㎝水槽だとハードルが高い!という人は90㎝水槽から飼育を始めてもいいかと思います。
【おすすめ記事】
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適切な水温・水質は?
水温に関しては25~28℃くらいを保っていれば大丈夫でしょう。稚魚の時は高めに28℃くらいに保ったほうが無難です。
水質に関しては、よく弱酸性が適切、と書いていて、まあ確かにそうなのかもしれませんが、そっちよりも【水質を悪化させない】【水質を急激に変化させない】この2点の方が大切かなという印象です。
自宅で飼育したことは無いのですが、ショップでキープしてる時も、他の人の話を聞いてもPHの調整をそこまで細かくしている人はあまりいませんでした。
それよりも、定期的に水換えをして上記の2点を意識していただいたほうがいいかと思います。それで特に失敗したとかも聞いたことが無いです。
はっきり言って、毎回水換えのたびにPH測って弱酸性に調整して・・・とかやってたらめんどくさくて水換えの頻度が少なくなっちゃいますよ(笑)。そっちのほうが大きな問題です。
餌は?人工飼料には餌付くの?
生餌を与える場合は、幼魚の時は赤虫、アカヒレ、メダカなど、口に入れやすいものを選んであげましょう。大きくなるにつれて赤虫を餌として認識しづらくなるので、その代わりに冷凍エビだったり、ミルワーム、コオロギなどを与えます。またアカヒレ、メダカから金魚に変更しましょう。現地では小魚だけでなく、昆虫なども食べているので、レパートリーに富んだ餌を与えます。
これらのことが面倒くさいということであれば人工飼料に慣れさせるというのもいいかと思います。特に餌付きづらい種類ではないので、なるべく幼魚のうちにまず冷凍赤虫・クリルに餌付ける(反射で食べてくれるようになるまで)⇒そこにカーニバルを混ぜて与える⇒最初は吐き出すがそのうち食べてくれるようになる・・・ということを根気よく続けていけばだいたい餌付きます。
【参考記事】
臆病だけど混泳は可能?
臆病は臆病ですが、混泳は不可能ではないです。ただ幼魚(~20㎝)から飼育する場合は20㎝くらいになるまでは混泳はしない方が無難です。
それ以降の混泳相手に関して、同種同士だと激しく争うので、あまりおすすめできませんが、生活圏が被らないポリプテルスオルナティピンニスやポリプテルスエンドリケリーなどのある程度大きく成長するポリプテルスの仲間や、カラープロキロダスなどの温和な種類との混泳がいいかと思います。
オスカーとの混泳をしてる方もいますが、オスカーは意外と気が荒いのでヒレがボロボロになる可能性があります。
おすすめのフィルターは?【幼魚は水流に気を付けましょう】
基本な上部フィルターでいいかと思います。ただもちろん、可能だったらオーバーフローを用意していあげた方がいいです。難しそうであれば上部フィルターで問題ないでしょう。
ただ強い水流に弱いので、幼魚(~20㎝)を飼育する際は排出エルボを水槽の壁面に向けるなどして水流を弱めてあげるといいです。
【参考記事】
肉食魚の飼育に最適なのは上部フィルター?外部フィルター?それとも・・・
どんなレイアウトにすればいい?
上でも話しましたが、水質の悪化に敏感なので、水質を安定させるためにもメンテナンスのしやすさが大切です。
そう考えると基本はベアタンクでの飼育がいいかと思います。色が抜けるのが嫌であればガーネットサンドなどを薄く引くか、底面が黒に塗ってある水槽を買いましょう。
レイアウトも置いたとしても流木を1つ置く、みたいな極力シンプルなものがいいかと思います。
かかりやすい病気は?
小さい個体は白点病にかかりやすいです。ただ、古代魚には基本的に魚病薬は使えないので、まずは病気にならないように定期的な水替えを行うこと、日々の観察をしっかり行うことが大切です。
もし病気になった場合に関しては、まず水を半分程度取り換えます。その後水温を1日1℃ずつ上げ、28℃にします。餌に関しては今までよりも少し多めに与え、かつ毎日1/4程度の水替えを行います。そうすることで病原菌を水槽外に排出するとともに抵抗力を高め、自然治癒を目指します。なので、重症化しないうちに対処することが大切になります。
あと、ブラックアロワナの場合は白点病のような目見見える病気のほかに、なぜか餌食べなくなったり、ヒレが溶けたりすることがあります。
こういった症状が出た場合、水質が悪化している可能性が高いので、まずは水換えをしてあげましょう。
ヒレが溶けている場合、その水換えを定期的に(週1くらい)行うことで改善されることが多いです。
また、水換えをしても餌食いが改善されない場合は水槽の大きさを確認しましょう。全長が水槽の縦幅を超えていたら一段階大きな水槽に移してあげたら改善するかもしれません。
ブラックアロワナの幼魚の飼育のコツは?
まとめます!
①水質の悪化を防ぐ+水質・水温の急変を防ぐ
⇒定期的な水換えと水換え時にしっかり水温を合わせることで対応可能です
➁水温は28℃
⇒病気の予防です
➂混泳は20㎝を超えてから
⇒臆病なので、ある程度育ってから混泳は行いましょう
④水流は弱めで
⇒排出エルボを水槽壁面に向けて水流を弱めましょう
以上の4点を守るだけでブラックアロワナの幼魚の飼育で失敗する可能性をかなり減らせるでしょう。試してみてください。
ブラックアロワナの飼育法まとめ
いかがだったでしょうか?
確かにけっこうデリケートな種類ですが、コツさえつかんである程度大きくなったらそこまで気にしなくても飼育できるようになります。
シルバーアロワナとはまた違った美しさもありますし、目垂れもほとんど起こさないのでいいな、と思った方はぜひこの記事を参考にしてブラックアロワナを飼育してみてくださいね。
ただ、やはりどうしても120㎝水槽は用意できそうにない・・・という場合はノーザンバラムンディもおすすめです。もちろん本種も120㎝水槽があったほうがいいのですが、最大サイズがブラックアロワナよりも小さいので90㎝水槽でも飼育可能です。