ゴールデンデルモゲニー(学名:Dermogenys pusillus、英名:Wrestling halfbeak)は、タイ、マレーシア原産のサヨリの仲間です。ダツとかサヨリに似た独特な形態を持ち、入手・飼育ともに比較的容易なため、小型水槽の混泳魚として人気の高い種類です。
今回はそんな、ゴールデンデルモゲニーの飼育法に関して説明します。
- どこで販売されているの?価格は?
- 寿命は?
- 大きさ・適切な水槽サイズは?
- 適切な水温・水質は?
- 餌は?人工飼料には餌付くの?
- 混泳は可能?
- おすすめのフィルターは?
- どんなレイアウトにすればいい?
- かかりやすい病気・死因は?
- 繁殖方法は?
- ゴールデンデルモゲニーの飼育法まとめ
どこで販売されているの?価格は?
一般的な熱帯魚ショップでも、charmなどのネット通販でも比較的容易に購入可能です。価格は300円くらいなので、見つけやすいしお求めやすい熱帯魚です。
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寿命は?
わりと短いです。一般的には1~2年、長くても3年くらいでしょう。
大きさ・適切な水槽サイズは?
最大で5㎝くらいです。単独飼育ということは基本的には無いと思うので、その混泳相手、飼育匹数によって適切な水槽サイズは変わってきますが、扱いやすさとか水質の安定とかを考えると45㎝水槽か60㎝水槽がおすすめです。
基本的には2Lに対してネオンテトラ1匹くらいの感覚で飼育できるので、45㎝水槽であれば水量が約40Lなのでゴールデンデルモゲニー含めた小型魚が20匹、60㎝水槽であれば水量が約60Lなので30匹飼育できます。
ちなみにこちらはあくまで余裕をもって飼育をする目安なので、しっかり管理ができるのであればこの倍くらいは飼育可能です。
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適切な水温・水質は?
水温は一般的な熱帯魚と同じように22~28℃くらいを好みます。水質に関しては中性~弱アルカリ性を好みます。なので水質を酸性に傾けてしまうソイルは底床には向きません。
また、普通に飼育していると水質は酸性に傾くので、定期的な水換えは怠らないようにしましょう。酸性とかアルカリ性とか、何それ?おいしいの?という方はこちら、【【初心者向け】熱帯魚飼育方法を簡単にまとめました 】をご覧ください。
基本的には純淡水で飼育を楽しめますが、ショップで多少塩分を含んでいる水で飼育されていた個体は、導入当初は若干塩分を加えた方がいいでしょう。
ただ、普通は純淡水で他の魚と一緒の水槽に入って販売されていることが多いので、下手に塩分を加えると逆状態を崩してしまうことがあります。購入したショップの飼育環境をしっかりヒアリングしておきましょう。
餌は?人工飼料には餌付くの?
基本的に水面にいることが多い種類なので、底に沈むタイプの餌は食べてくれません。ただ、浮いている餌であれば冷凍赤虫のような生餌でも、人工餌でも比較的容易に餌付いてくれます。
混泳は可能?
同種同士ではテリトリーを主張して激しく争います。また、意外と他種に対しても追い回したりもするので、混泳の様子をよく観察する必要があります。
なので同種同士に関してはテリトリーを中途半端に意識できないように、多めに水槽に入れた方がいいです。
また他種との混泳に関しては、たまに追い回したりするものの、大きなトラブルは聞かないので、追い回されている個体が状態を崩さない限りあまり気にしなくても大丈夫です。
そこらへんに関しては水草などを導入して隠れ家や逃げるところをつくってあげることである程度対応できます。
他の注意点としては、このゴールデンデルモゲニーはけっこうとろいのでしっかりと餌を食べられているのかを確認する必要が点です。特にテトラやアカヒレなどは動きが速いので、要注意です。
混泳相手としては、生活域が被らないビーシュリンプ、ミナミヌマエビ、コリドラスだったり、餌がいきわたっているかの観察は必要ですがネオンテトラなどのテトラの仲間との混泳が無難かと思います。変わっている種の混泳を考えてるのであればトランスルーセントグラスキャットやハラハラキャットとの混泳も面白いかもしれません。
また、アベニーパファーはゴールデンデルモゲニーに危害を加えることがあるのでおすすめできません。
おすすめのフィルターは?
とくにこれじゃないとダメ、というのは無いですけど、見た目を気にしないのであればろ過力やメンテナンスのしやすさなどを考えると上部フィルターがいいかと思います。あとは底床の清掃をサボらずに定期的にできるのであれば底面フィルターでもいいと思います。見た目もすっきりしますしね。
また、比較的強い水流にも耐性があるので、上部フィルターや外掛けフィルターなどが作り出す水流くらいであれば気にしなくて大丈夫です。
どんなレイアウトにすればいい?
先ほども少し触れましたが、みなさんが思っているよりも少し気が荒い種類です。特に同種同士では激しく争うので、逃げられるように水草を入れてあげた方がいいです。
ただ、別にそこまで本格的な水草水槽を作る必要はないので、そこらへんがめんどくさければマツモを浮かばせておけばいいです。
また、底床に関しても水質を酸性に傾けてしまうソイルは向いていません。逆にそれ以外であれば特に問題ないです。
かかりやすい病気・死因は?
正直、これといってかかりやすい病気というのはなく、なんとなく弱ってきて、そのまま死んでしまう。。。ということが多い種類です。
その環境に慣れてしまえば強いですが、それまでに落ちてしまうことがけっこうあるので、比較的弱い種類として扱ってあげた方がいいです。
その時の死因ですが、これもまたその時の環境にもよるので何とも言えないですが、可能性として考えられるものとその対処法を下にまとめます
①同種によるいじめ
⇒隔離orマツモなどを入れて隠れ家を作る
➁水合わせを丁寧に行わなかった
⇒丁寧に行いましょう(笑)。もしそうなってしまったらあとは慣れてくれるのを願うだけです
➂水質(理想は中性~弱アルカリ性)が合っていない
⇒ソイルを使っていたり、水換えをサボったりすると酸性に傾いてしまいます。ソイルを使っている場合はすぐに別の底床に変更しましょう。定期的な水換えもさぼらないように
④そもそも弱い個体を購入してしまった
⇒これもまあしょうがないといえばしょうがないですね。実店舗で自分で購入する個体を選べるのであれば、常に上層にいて、大きめの個体を選んであげるといいです。逆に底の方にいる個体は弱っている可能性が高いです。
➄飛び出し
結構飛び出すので、どんな小さな隙間も埋めておきましょう
⑥病気
特にこれがかかりやすい!とかは無いですが、もしかかってしまった場合はこちらの【熱帯魚がかかりやすい病気まとめ~症状・原因・治療法まで~】をご覧ください。
繁殖方法は?
グッピーとか+プラティーと同じように卵胎生の繁殖形態をもち、比較的容易に繁殖可能です。何匹か一緒に買ってたら知らぬ間に稚魚が泳いでた・・なんてことも結構あります。なのでそこまで詳しく知らなくても大丈夫かとは思いますが、一応詳しく書いておきます。
雌雄(オス・メス)判別は?
結論から言うと上の個体がメスで、下の個体はオスなのですが、これらの判別には尻ヒレを見るのが一般的です。メスはメダカのように長方形になっていますが、オスの尻ヒレには段があります。これは、オスは尻ヒレにゴノポディウムという生殖器があるためです。
メスのお腹が大きくなったらどうすればいい?
ここもグッピーと同じように、生まれた稚魚はそのままだと食べられてしまうので、がちで増やしたいのであれば、お腹が大きくなったのを確認した時点で隔離するのがいいでしょう。
ただそうしてしまうと、一般的には増えすぎて困るという事象が起こりやすいので、マツモやアマゾンピッドを入れて稚魚が隠れる場所を作ってあげ、残った数匹を育てる・・・みたいなのが現実的が落としどころかと思います。
生まれた稚魚の育て方は?
ブラインシュリンプを沸かせるか、それがめんどくさければひかりパピィなどの稚魚用人工飼料でも対応可能です。
ゴールデンデルモゲニーの飼育法まとめ
いかがだったでしょうか?飼育環境に慣れさせるまでは少し大変で、その後の水換えもさぼれないということを考えると完全な初心者向けの種類というよりもある程度経験を積んで、かつまめにメンテナンスできる人向けの種類という感じですね。
ただそこらへんに気を付けてもらえれば繁殖も比較的容易に楽しめる種類なので、ぜひこの記事を参考にして飼育してみてくださいね。