ABYの熱帯魚図鑑

初心者の方でも、初めて熱帯魚を飼育する方でも分かりやすくお伝えできればと思います。よろしくお願いします♪ちなみにABYとはアクアブロガーよしきの略です(´・ω・`)

ブラックゴーストの飼育法(餌・最大サイズ・寿命・隠れ家は必要?など)

熱帯魚ショップに行くと、面白い体型をしていてお化けのような変な動きをしているブラックゴーストを見て飼育してみたい、と思う人も多いかと思います。

ただ、そこまで難しくはないのですが飼育方法に若干の癖があるので、すぐに購入するではなく、まずはこちらの記事で予備知識を付けてから飼育を始めてみましょう。

※変な見た目をしていますが純淡水で飼育可能なのでご安心ください

ブラックゴースト

charm

ブラックゴーストの生態は?

ベネズエラやペルーに生息している、デンキウナギ目・アプテロノートゥス科に属している古代魚の仲間です。

電気を発していますが、極めて微弱なので相手を電気で失神させる、とかはできません。あくまでレーダーとしての機能という感じですね。

砂利のある比較的流れのはやい小川に生息していて、主に水生昆虫を食しています。 

電気を発するの?

ブラックゴーストは夜行性で、エサや障害物の探知にレーダーとして微弱な電気を発することが知られています。ただこれは人間が感知できるほど強いものではないので、電気に関しては電気ナマズのようには注意しなくても大丈夫です。 

 

どこで販売されているの?価格は?

一般的な熱帯魚ショップで見かけることが多い種類です。また、もし近くにショップがない場合でもcharmなどのネット通販を使えば比較的簡単に見つけることができるかと思います。5~7㎝くらいの稚魚が1000円位の価格で販売されています。 

平均寿命は?

古代魚の仲間ということもあり、平均寿命は5~10年と比較的長めです。 

餌は?キャット等の人工餌に慣れるの?

現地では水生昆虫やその幼虫をメインに食べているので、生き餌としてメダカを与えてもいいのですが、それだけでなく冷凍赤虫を与えたり、栄養バランスにすぐれた人工飼料も与えたほうがいいです。

人工飼料に餌付けたい場合は、冷凍赤虫にまぜて、冷凍赤虫のにおいを付けたキャットを与えると餌付きやすいです。それが難しい場合は冷凍赤虫⇒乾燥赤虫⇒キャットの順で慣らしていくといいと思います。

上記の方法を試してもなかなか餌付かない場合はこちらの記事【肉食魚・大型魚への人工飼料の餌付け方法まとめ 】をご参考ください。

稚魚の場合、なかなか餌を食べないからといって絶食させるのは危険なので、2日以上餌をあげない日をつくるのは避けましょう。 

餌やりの頻度と量は?

基本的には1日2~3回、数分で食べきれる量を与えましょう・・・というのが大体の餌には書いてありますが、それだとあまりよく分からないと思うので、量に関してはよく観察して【お腹が少し膨れるのが目で確認できるくらい】がいいかなと思います。

頻度は基本通り1日2~3回でいいかなと思います。

なかなか餌を食べない・・・

そもそも夜行性なので、慣れるまでは日中はなかなか食べてくれないかもしれません。そういった場合は夜餌を与えて、朝ブラックゴーストのお腹がしっかりと膨れているかを確認してみましょう。

またそれでも餌を食べている様子がないのであれば水質・混泳相手に問題がある可能性があるので、水換え+いじめられていないかの確認をしましょう。 

適切な水温・水質は?

水温は22〜26℃くらいが適温です。ただ、白点病にかかりやすいので、25℃以上をキープした方がいいでしょう。

水質に関しては弱酸性から中性程度を好みますが、極端に酸性もしくはアルカリ性に傾かなければそこまで気にしなくても大丈夫です。 

成魚の最大サイズは?巨大化する?

自然界では最大で50cmを変えますが、水槽内ではそこまで大きくはならず、成魚でも大きくて40㎝、だいたいは30cm程度で止まることが多いです。

なので巨大化とまでは言えないかもしれないですが、小さい幼魚を見ていると『あ、こんなでかくなるんだ笑』となると思うので、しっかりと最大サイズを確認してから飼育を開始しましょう。

成長速度(スピード)は?

5cm~7cm程度の稚魚で、十分な広さの水槽で餌も通常通りあげていれば1年でだいたい10~15cm程度に成長します。その後年1~5cm程度の成長速度となります。

もちろん環境によりきりですが、割とゆっくりかなと思います。

なかなか大きくならないんだけど・・・ 

個体差もあると思いますが、十分な餌、水槽の大きさを用意してあげれば30㎝くらいには成長してくれるはずなので、なかなか大きくならないということであればここら辺を見直すといいかもです。

ただ、ショップで長期間狭い水槽で飼育されていた個体は稀に大きくならずに成長が止まることもあるので、その場合はあきらめるしかないですね・・・。

適切な水槽サイズは?

個体によっては40cm近くにまで成長するので、単独飼育であっても90cmの水槽を用意するのが理想です。

どうしても導入が難しいということであれば、60cm水槽でも飼育可能ですが、けっこう狭いと思います。参考に60㎝水槽で飼育している動画を載せておきます。

www.youtube.com

まあ確かにいきなり90㎝水槽を用意できる人はあまりいないかもしれないので、最初は30㎝とか45㎝水槽を用意して徐々にステップアップしてもいいと思います。

ただそれだとやはりコストがかさむので、個人的には最初から60㎝水槽→25cmくらいになったら90㎝水槽に移動、というのをおすすめします。

【おすすめ記事】

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ポリプテルスなどとの混泳は可能?

ブラックゴーストは微弱な電波を発しているので、それを他の魚が感じてストレスになるという情報もあれば、常に他の魚がレーダーにひっかかるので、ブラックゴースト自身にストレスがかかるという情報もあります。

そこらへんに関してははっきり言ってよく分からないので、基本は単独飼育がいいと思います。

もしどうしても混泳したいという場合ですが、いったん電波の情報を取り外して考えると

①ブラックゴーストの餌にならない種類

➁温和な種類

➂同種以外(同種同士は激しく争います)

④サイズが同じくらいの種類、の条件を満たす種類がいいかと思います。

そう考えると、まずヤマトヌマエビやミナミヌマエビなどのエビ、グッピー、ネオンテトラ、グッピーなどの小型魚は完全に餌になるので混泳不可です。コリドラスもブラックゴーストが大きくなったら餌になる可能性があります。

上手くいきそうな種類は以下の通りです

オスカー

クラウンローチ

バタフライフィッシュ(パントドン)

中型プレコ

ポリプテルスセネガルスポリプテルスデルヘッジなどの小型のポリプテルス

などがいいかと思います。

スネークヘッドに関しては、気が荒いのであまりおすすめできません。また、金魚やテトラ、グラミー、トランスルーセントグラスキャットなどの魚と混泳している場合もありますが、なぜかそういった魚の目を食べるという例が頻繁に確認されているので、注意が必要です。

ただ、こちらのブログ【ブラックゴーストの混泳 - 60WOF水槽】ではエンゼルなどのいろいろな熱帯魚と混泳していて上手くいっているので、まあ結局相性なのかなと思います。ただ、混泳させる場合は、必ず失敗しても大丈夫なように別水槽を用意してあげましょう。

また、2匹とか中途半端な混泳だとテリトリー争いをしてしまうことがあるので、混泳するのであれば思い切って5匹以上で混泳させた方がいいです。

 

おすすめのろ過器(フィルター)は?

肉食魚で水を汚しやすいので、ろ過力が高くないぶくぶくだったり、投げ込みフィルターだったり、外掛け式のフィルターはあまりお勧めできません。ろ過力の高い上部フィルターだったり、外部式フィルターをお勧めします。

強い水流は苦手?

ブラックゴーストは強い水流は好まないと言われていますが、現地では水流が強い川に生息しているので実際はどうなのかな?とも思っています。

まあとはいえ、水流に負けて泳ぎづらそうにしているのであれば水の排出口を水槽の壁面に向けてあげましょう。

エアレーションはした方がいい?

エアレーションはした方がいいです。これはどの熱帯魚でも共通ですが、単純にブラックゴーストに対しての酸素供給と、水槽内の好気バクテリアへの酸素供給の両方での意味で大切です。ただし、強すぎるエアレーションは嫌うので、通常の強さのエアレーションにしてあげましょう。 

水槽レイアウトはどんな感じにした方がいい?

ブラックゴーストは基本的に臆病で、物静かな落ち着いた環境を好みます。そういったことを前提にお話しします。

照明はどんな感じのがいい?

比較的暗い環境を好むので、逆に少し安めのあまり明るさが強くないLEDライトを買ってあげた方がいいです。また、ライトによっては色だったり明るさを変更できるものがあるので、そこで明るさを調整してあげるといいかと思います。例えば、GEX クリアLEDの【赤×青】の色味は暗すぎず、ブラックゴーストにとってちょうどいいかなと感じます。 

土管などの隠れ家は入れた方がいいの?

ブラックゴーストを落ち着かせる効果があるので、入れた方がいいです。隠れられればいいので、べつに土管でもいいのですが、見た目もこだわりたいということであれば、スドーのオークトンネルなどがオススメです。

スドー かくれ流木M オークトンネル

水草は入れても大丈夫?

水草に関しても、あった方が落ち着けると思います。もし導入するなら、低光量でも育つアヌビアスナナや、ミクロソリウムがいいかなと思います。

バリスネリアやアマゾンソードなどもいいのですが、個体によっては底床を掘り返したりするので、流木などに活着させられる種類の方が無難です。

砂利は入れた方がいい?ベアタンクのほうがいいの?

あったほうがストレスの緩和につながりますし、見た目もキレイなのですが、その場合は底床の掃除を定期的に行わないといけません。その自信がある人はいろいろとメリットがあるので導入してもいいでしょう。また、薄めに敷いた方が掃除も楽なので、厚みは2~3cm程度に抑えて方がいいです。ただ、定期的に掃除をする自信がないのであれば何も敷かないベアタンクで飼育する方がいいでしょう。 

水換えの頻度はどれくらいがベスト?

これは他の熱帯魚と同じように週1回、全水量の1/3の水換えをおすすめします。

ただ、混泳している熱帯魚の匹数によってもう少し頻度・量を増やしてもいいかもです。

寝てる?横になってるだけ?

寝てるというより横になって休んでるという感じですかね?

ブラックゴーストを飼育していると、横たわっていて焦ることがあるかと思います。元々、元気であっても横になるという性質はあるのですが、弱っているのか死んでしまっているのか見分けが付きにくいです。そういった場合は、①体から粘膜が大量に分泌されていないか➁白い点などが付いていないか(白点病にかかってないか)➂呼吸が荒くないか、などを確認しましょう。それらが確認できなければ元気である可能性が高いです。また、死んでいないかに関してはえらが動いているかどうかで確認できます。   

病気に注意

古代魚の仲間ですし、鱗も無いので他の魚より魚病薬には弱いです。なので、白点病などの初期症状であれば

①2、3日かけて水温を2~3℃上げる

②塩分濃度が0.5%になる様に塩浴させる

③毎日1/3の水換えをする、という対応で自然治癒を狙いましょう。

ただ、症状が進んでしまっている場合は、投薬しないほうがまずいので、魚病薬を規定量の半分を投入して治癒をねらいます。 

ブラックゴーストが動かない!元気がない!

考えられる理由を挙げていくので、当てはまってそうなものを1つずつ取り除いてあげましょう

①病気

⇒体表に異変がないかよく確認しましょう。もし見受けられなければ水替えをして様子を見ます

➁怯えている

⇒シェルター、水草の設置、ライトを暗くするなどして対応しましょう

➂いじめられている

⇒普段からよく観察して、必要であれば別水槽に隔離しましょう

④過密状態

⇒水槽を分けましょう

➄寿命

⇒5年以上生きている個体は寿命の可能性があります。これはしょうがないですね・・・  

ブラックゴーストってなつくの?

人工飼料に餌付けることができれば、「飼い主=餌をくれる人」と認識してくれるので、水槽前に近づくと餌くれダンスを見せてくれるでしょう。熱帯魚の場合は ”なつく”というより、飼い主に”慣れる”と言った方が正確かもしれませんが、まあどっちにしても可愛いので細かいことは気にしなくていいでしょう。

突然死を防ぐために

ブラックゴーストを飼育していた人から【突然死した】【急に死んでしまった】という話をよく聞きます。

ただ、結局よく聞いてみると原因は割とはっきりしていてだいたい

①水換えをさぼって水質が悪化した

→特に複数飼育しているとあっという間に水質が悪化するので、1回のサボりが命取りになったりします。

➁混泳相手にいじめられているor餌を取られていて餌を食べられていない

→よく観察しましょう。必要であれば隔離しましょう。

まあこんなところです。日々の観察&メンテナンスをサボらなければ突然死はかなりの確率で防げます(もちろん原因不明の突然死もありますが・・・)。

あと考えられることとしては、本来は水生昆虫を食べているにも関わらずメダカなどの小魚ばかり与えていて本来取るべき栄養素が取れてない可能性です。

これを防ぐためにも冷凍赤虫・人工飼料を与えるなど、レパートリーに富んだ餌を与えるといいです。

【結論】ブラックゴーストの飼育って難しいの?

結論から言うと別にそこまで難しい種類ではないですね。上記の突然死を防ぐ方法をサボらずに実行したり、最初の水合わせでミスらない限り基本的には上部です。

ただ飼育してた人からの話とか、実際ショップでっ働いていた時にキープしてた印象でいういとポリプテルスほど丈夫ではないかな、という感じです。

なので丈夫だけどさぼるとダメだよ、と思ってもらえればいいかなと思います。

ブラックゴーストの飼育法まとめ

いかがだったでしょうか?遊ぶし、寝るし、飼い主にもなつくし、いわゆるペットフィッシュとして十分に飼育していて楽しい種類かと思います。意外と大きくなるのと、混泳相手を選ぶので、そこだけは注意して飼育してみてくださいね♬