アカザ(学名:Liobagrus reini、英名:Torrent catfish)は、環境省のレッドリストで絶滅危惧II類 (VU)に指定されているナマズの仲間です。日本では1属1種となっており、秋田県、宮城県以南の本州、四国、九州に分布しており、水がきれいな河川の上流域や中流域にしています。
この魚は日本でも飼育可能です。ただ、毒があったり高水温に弱いなど、若干の癖がある種類です。
今回はそんな、アカザの飼育法に関して説明していきます。
- どこで販売されているの?価格は?
- アカザの特徴は?
- 寿命は?
- 餌は?人工飼料には餌付くの?
- 適切な水温・水質は?
- 最大サイズ・適切な水槽の大きさは?
- おすすめのフィルターは?
- 混泳は可能?
- どんなレイアウトにしてあげればいいの?
- かかりやすい病気は?
- アカザの繁殖方法は?
- アカザの飼育法まとめ
どこで販売されているの?価格は?
ある程度日本淡水魚に力を入れているところであればたまに見かけることもありますが、そんなに頻繁に入荷される魚ではないので、かなり珍しい種類だと言えるでしょう。もしショップにいなければcharmなどのネット通販を利用するといいかと思います。価格は安く、500円前後で販売されています。
あとは、それとは別に川で捕獲するという方法があります。
アカザの捕獲方法とは?
いろいろありますが、一番私たちが実行しやすいのは、単純に岩の下とか砂利の下とかを網でガサガサするという方法です。
川底でじっとしていることが多いので、そこにアカザがいれば比較的簡単に捕獲可能です。実際に僕もカジカ卒論の研究の時に網でガサガサやりましたが、アカザがたくさん取れた記憶があります。
下の動画で実践しているのでご参考ください(僕じゃないですよ笑)↓
アカザの特徴は?
ギギやギバチと似ていますが、ヒレの感じがあきからにどじょう寄りという特徴を持っているので、そこで簡単に判別できるかと思います。
また、この種の一番特徴的なところとしては、背びれと胸びれに毒をもっているところでしょうか。なので素手で触らないように注意しましょう。
もし毒針に刺されてしまったら?
刺された瞬間は激痛が走りますが、そこまで強力な毒ではないので、よく洗って、消毒してしまえばほぼ問題ないでしょう。通常であれば1時間程度あれば痛みも治まりますが、あまりに腫れがひどくなったり、なかなか治らない場合は病院にいきましょう。
寿命は?
おそらく5~10年程度だと考えられます。
餌は?人工飼料には餌付くの?
冷凍赤虫には比較的簡単に餌付きますが、それだけだと栄養バランスがいまいちですし、冷凍赤虫は飼育水を汚しやすいので人工飼料に餌付かせた方がいいです。与える人工飼料は、しっかり沈んでくれるひかりクレスト キャットがおすすめです。底生肉食魚を飼育している人はだいたいキャットを与えているのではないでしょうか。
そこまで人工飼料に餌付かせるのに苦労はしないと思いますが、なかなか餌付かない場合は、冷凍赤虫のにおいが付いたキャットを、冷凍赤虫と一緒に与えるようにしましょう。すると反射で食べてくれたりします。最初は吐き出したりもしますが、徐々に食べてくれるようになります。
【参考記事↓】
適切な水温・水質は?
この水温がアカザを飼育する上での一番のネックになってくるところかなと思います。なにせ高水温に弱いです。水温が25℃を超えると弱ってしまうことが多いです。一期的に25℃を超えるとかであれば大きな問題はないと思いますが、それが長期間続いてしまうと厳しいです。なので飼育するためには水槽用のクーラーが必要になってきます。
逆に低水温にはそこまで弱くはないので、室内であればヒーターなしで大丈夫です。
また水質の悪化にも弱いので、週1回、1/3程度の水替えは怠らないようにしましょう。
最大サイズ・適切な水槽の大きさは?
最大サイズは10~15㎝くらいです。なので45㎝や60㎝水槽で終生飼育可能です。
【おすすめ記事】
おすすめのフィルターは?
ろ過能力は大きめのフィルターがいいかと思います。特に理由が無ければろ過力が大きくて管理も簡単な上部フィルターがおすすめです。
また、夏場の酸欠には弱いので、メインのフィルターに加えて水作エイトなどの投げ込みフィルターやぶくぶくをいれてエアレーションを強化してあげるといいです。
混泳は可能?
基本的に大人しい種類なので、口に入る大きさでなければ混泳可能です。なので、大きめのタナゴやどじょうなどとも混泳可能です。また、ムギツクも最大サイズが同じくらいなのでいいので上手くいきやすいのではないでしょうか。
どんなレイアウトにしてあげればいいの?
普段が岩の下とかにじっとしていることが多いので、土管でもなんでもいいのですが、隠れられる場所を作ってあげると落ち着きます。
また底砂に関してですが、基本的に本種は底の方にいることが多いので粒が角ばっているようなものは避けましょう。 田砂 (たずな)を使うとそれだけで日淡水槽!という雰囲気を作れるのでおすすめです。また無難に 大磯砂でもいいでしょう。ちなみに、田砂+流木or岩+水草(なんでもいいけど活着できて抜かれないアヌビアスナナとかミクロソリウムがおすすめ)で、いい雰囲気の水槽レイアウトが作成できます。
レイアウト例↓
かかりやすい病気は?
導入当初のスレや、水温の低下などから水カビ病を発症しやすいので、網目が細かい網を使ったり、なるべく室内で飼育するなどして予防しましょう。また移動時には粘膜保護剤を含んだ水質調整剤を入れてあげるといいです。
もしそれでもかかってしまった場合は半分程度の水替えをして、グリーンF ゴールドで、薬浴しましょう。
詳しくはこちら【熱帯魚がかかりやすい病気まとめ~症状・原因・治療法まで~】をご参考ください。
でももちろん病気にはならないほうがいいので、予防法としてこちら【魚の病気の予防法を学ぶ 】も読んでおくといいです。
アカザの繁殖方法は?
こちらに関しては、現状、水槽内での手法は確立しておらず、繁殖したとしてもそれは偶発的なものであって狙ってモノではないのでなんとも言えないのが正直なところですね。
ただ、神奈川県の水面試験場では成功されているようなので、よかったらご参考ください↓
水面試験場では、希少淡水魚の保護増殖に取り組んでいますが、平成9年7月アカザを水槽で産卵させることに成功し、ふ化仔魚が誕生しました。
分布調査で採集したアカザを飼育して親魚として養成し、ホルモン注射によって産卵を促進させる手法により、増殖試験に取り組んでいました。
試験の方法は、ガラス水槽(60cm)にアカザの親魚を雌雄1尾ずつ入れ、水温を約20℃に維持し、水槽内に産卵礁を入れて自然産卵させます。 試験を行っていた3尾の雌のうちの1尾が産卵しました。卵の大きさは約3-4mmで、産卵数は約50粒です。1週間後には17尾がふ化しました。
また、本種は卵を護る習性があると言われていましたが、その行動の一部も確認することができました。
アカザの飼育法まとめ
いかがだったでしょうか?
いろいろ書きましたが、水温の面さえクリアすれば温和ですし、そこまで飼育しづらい種類ではないです。
ただ、そこまで水温に気を使いたくないけど、肉食の日本淡水魚が飼育したい、という方はこちら【肉食魚の日本淡水魚7種の飼い方(飼育法)まとめ 】をご参考ください。また特に肉食魚にこだわりはないという方にはこちらの記事【飼いやすい日本淡水魚10種類まとめ】がおすすめです。