アブラハヤは、日本固有の淡水魚で、鱗が小さく、体表のぬめりが強いこいう特徴があることから『アブラ』と名付けられています。
主に本州と北海道の一部に分布しており、川で捕まえた魚を調べたらアブラハヤだった!という人も多いかもしれません。
飼育難易度自体はそんなに高くはないですが、水温には若干気を付けないといけなかったり、あと水槽も比較的大きめの水槽が必要になったり、意外と面倒なことが多い種類でもあります。
今回はそんなアブラハヤの飼育方法について解説します。
- アブラハヤの生態は?
- どこで販売されているの?
- 価格は?
- 寿命は?
- 大きさ・適切な水槽サイズは?
- 適切な水温と夏場の飼育の注意点は?
- 野外飼育は可能?
- 餌は?人工飼料には餌付くの?
- 混泳は可能?
- おすすめのフィルターは?
- どんなレイアウトにすればいい?
- かかりやすい病気は?
- 繁殖は可能?
- 飛び出し注意!
- アブラハヤの飼育法まとめ
アブラハヤの生態は?
アブラハヤは主に山地の湖沼や河川支流の中上流域の淵や淀みに生息しており、比較低水温の環境を好みます。
雑食性で底生生物や、岩などに付着したコケなどを食します。
よく河川に住んでいる、との記述を見ますが、普通に上記の通り、湖とか沼にも生息しています。私のに新発田城というお城がありましたが、その周りのお堀にも普通にいました。
どこで販売されているの?
見ての通り、特にこれ!といった特徴が無く、したがってそこまで人気も高いわけではないので、実店舗だと淡水魚に力を入れているショップでないとあまり見かけないかもしれません。
実際、どちらかというと捕まえて飼育する人の方が多いような気がします。しかもアブラハヤを捕まえよう!ではなく、適当にガサガサしてたらアブラハヤが捕まった、みたいなパターンが多いのではないでしょうか。
でももしどうしてもアブラハヤを飼育したくて、かつ近くにアブラハヤを売っている店舗が無ければcharmなどのネット通販を上手く利用して購入するしかないですね。
価格は?
1匹300~400円位です。ネットだと数匹まとめて売られていることもあります。
寿命は?
3~5年くらいです。
大きさ・適切な水槽サイズは?
最大サイズは意外と大きく、15㎝くらいにまで成長します。
遊泳力があるので、最低でも60㎝水槽くらいは用意してあげたいですね。ただ、最大サイズのアブラハヤが5匹超えるようなら90㎝水槽に移してあげてもいいかもしれません。そっちの方が川魚らしくよく泳ぐアブラハヤの姿も見られますし。
【関連記事】
適切な水温と夏場の飼育の注意点は?
基本的に丈夫な種類ですが、水温上昇にはやや弱いです。
水温は最大でも20℃くらいまでが理想ですが、そうなるとおそらく水槽用のクーラーを買わないといけなくなり、費用もだいぶかさんでしまいますので、個人的には水槽用のファンでいいんじゃ?と思っています。さすがに20℃まではいきませんが、25℃前後くらいには下げてくれるはずです(30℃は超えないようにしましょう)。
また、水槽用のファンを使用する場合、水槽の蓋を開けてファンを水面に直接当てると飛び出す可能性があるので、上部フィルターの蓋を開けてそこに当てるというやり方がいいと思います。
あと夏場の飼育の注意点としては、やはり夏場は水中の酸素量が減ってしまうということです。溶存酸素量を増やすためにエアレーションを強くしましょう。その他注意点だたり、対策についてはこちら【夏の金魚飼育で気を付けることは?野外飼育は大丈夫?】をご覧ください。『金魚』となっていますが、もちろんアブラハヤにも応用できます。
野外飼育は可能?
上記の通り水温上昇に弱いのであまりおすすめしないですが、最低でも30Lは水量があって、匹数を抑えて、ちゃんと日陰に置いて、餌は控えめで、水換えも週に1回以上はやって・・・みたいなことを徹底できればギリギリありかなーと思います。
でもやっぱり池レベルの水量がないと不安ですね。
餌は?人工飼料には餌付くの?
ショップで購入した個体であれば川魚用の人工餌でも問題なく食べるかと思います。
ただ一方で野外採集した個体の場合は最初は食べないかもしれません。その場合、最初は冷凍赤虫とか冷凍イトメとか嗜好性の高い餌を与えてあげて、それを食べるようになったら徐々に人工餌に切り替えていきませよう。
冷凍餌ばかりだとエサ代がかさみますし、栄養バランスが偏りますし、水も汚しやすいので、なるべく人工餌に切り替えたほうがいいと思います。
もちろん、完全に人工餌オンリーに切り換えないで、人工餌とミックスして与えるのは全然OKです。でも完全冷凍餌オンリーというのはおすすめできません。
混泳は可能?
基本的には温和な種類なので、本種を攻撃するような種類でなければ混泳は問題なしです。
バラタナゴ・ドジョウ共に温和な生き物なので混泳は全然OKです。タナゴとかどじょうとかカマツカとか、温和な種類との混泳であれば問題ないでしょう。
オイカワと川魚同士の混泳をさせても面白いかもしれません。
おすすめのフィルターは?
ろ過力が高いに越したことないので、上部フィルターか底面フィルターか外部式フィルターがいいかと思います。その中でも特におすすめなのは上部フィルターです。ろ過力が高いのはもちろんですが、メンテナンスも簡単ですし、ある程度の水流も作れます。
水流って必要?
河川だけでなく湖とか沼にも沼にも生息しているので、そこまで気にしなくていいかとは思いますが、どうしても心配になったり、あとは川の流れを表現したいとかであれカミハタ リオプロップなどを使えば水槽内に十分な水流を作れるかと思います。
どんなレイアウトにすればいい?
川っぽいレイアウトにしてあげるといいかと思います。
川っぽいレイアウトって意外と簡単に作れるんですよ。まずは大磯砂とか田砂を敷いて、大きめの岩を何個か置いてあげるだけで完成です。流木を入れてあげてもいいかもしれません。
【イメージ↓】(こんなに岩は大きくなくて大丈夫です)
あと、流れが強すぎなければマツモなどに鉛を結び付けて岩の陰に隠れるように配置するのもいいでしょう。
ただ、流れが強すぎると水草が流れに負けてどっかいってしまうので、水草を入れるのであれば流れには要注意ですね。
【関連記事】
かかりやすい病気は?
基本的には丈夫なので、夏場の水温さえ気を付けてもらえればあまり病気にはかかりません。
ただ、捕まえてきた個体にスレなどがあると水カビ病を発症することがあります。他の魚を飼育しているところに導入する場合、可能であれば一度別水槽に入れて、2週間ほど経った後で、水合わせをしたうえでメイン水槽に入れるのが理想的です。
そこで水カビ病を発症するようなら、グリーンFリキッド等、水カビ病用の魚病薬を規定量投入してください。また、体調を早く回復させるために、粗塩を水1リットル当り3g~5g入れると効果的です。
繁殖は可能?
砂利を掘り返して底に産卵するので、砂利は必要となります。
ただ、どのような砂利がいいのかは不明です。
あとは水流、水槽の大きさも繁殖行動に関係していると思われますが、詳細は不明です。
結論、繁殖方法はよく分からないのですが、成功例があるので、載せときます→【アブラハヤの飼育と繁殖】
飛び出し注意!
アブラハヤはよく飛び出します。『こんなところから?』というようなところからでも飛び出してしまうので、水槽の蓋の隙間を埋めるのはもちろんですが、例えば上部フィルターのコードを通すようなところも埋めておいた方が無難です。
アブラハヤの飼育法まとめ
地味な種類ではありますが、水温と飛び出しさえ気を付ければ飼育自体は用意です。もう少しカラフルな種類とかを飼ってみたいのであれば、こちらの記事【地味な種類だけじゃないよ!カラフルな日本淡水魚まとめ】を読んでみてください。